劇場公開日 2017年8月26日

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「白湯のような作品」パターソン ミッドナイトさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0白湯のような作品

2017年9月2日
iPhoneアプリから投稿

パターソンに住むバスの運転手のパターソンは詩作を愛し、妻と犬のブルドックに囲まれ平穏な暮しの一週間を淡々と描いた作品。

詩人のウィリアム・カーロス・ウィリアムズの詩に主人公は拘りを持っているようだがこの元ネタが分からない。「ゴーストドッグ」の時の「葉隠」のような意味合いがあるのだろうか?同じ分からないにしても黒人のフォレストウィテカーが殺し屋で日本の古書に傾倒しているのは面白く感じたが

「リミッツオブコントロール」「ブロークンフラワーズ」の時のように同じカット構成でループさせながら微妙に変化する手法は健在。

夜の犬の散歩のルーティンは楽しめた。いつもは家を出て左に行くのに、犬が右に突進する(笑)

主人公が仕事を終え帰ってくるとポストが必ず傾いているのを直す件があるのだが、これの仕業が愛犬のブルドックだったところがジャームッシュ流

双子、ないしは双子に見えるような人物が点在させている意味合い?ユーモアなのだろうが、この辺もイマイチ。デヴィッドリンチならどうしただろうか?

アダムドライヴァーが主人公である意味。メジャー俳優のようだが当方予備知識がないのだが、少し前で言うとエドワードノートンや松田龍平のように何かしでかしそうな俳優が何もやらない妙があるのか?

4次元に関し言及しているが、詩と哲学の関係を匂わせる。主人公が詩を書き溜めてるノートがある。冒頭で奧さんからノートのコピーを勧められる。後半そのノートを愛犬が食い散らかして消滅する。そして最後に謎の日本人永瀬正敏から新しいノートのプレゼント。何か壮大なる哲学があるのだろうが、それが理解できない。
それもまたジャームッシュ流。

また次作を見た時に「あーここに繋がった」とか思えるのかもしれない。

ミッドナイト