「なんていい映画なんだろう」パターソン ジョーカーさんの映画レビュー(感想・評価)
なんていい映画なんだろう
素晴らしい。素晴らしすぎる。なんていい映画なんだろう。
この映画を見た翌日、朝起きたら多分見ている世界が変わるだろう。人生も変わるかもしれない。
パターソンという街に住む、街と同名の男、パターソンは妻と2人暮らしのバスの運転手。朝起きて妻にキスをし、詩を書き、バスを運転しながら乗客の話に耳を傾け、夜は犬の散歩にいきながらバーに寄る。そんな毎日。生活のリズムには狂いがない。しかし、そんな毎日は美しさで溢れているのだ。
パターソンは我々が喜ぶような、「懸賞に当たった」などというようなことではなく、良い詩を書く少女に出会ったり、妻の作ったカップケーキが売れたことや、夜に映画を見に行ったことなどに喜びを感じる。この映画は、今を生きる我々の本当の幸せを見つける手助けをしてくれるような映画だ。
とはいえ、ただ現実的なことを描くわけではない。美しい街並み、彼を取り巻く個性豊かな人々。パターソンという街はまさに理想郷である。そして、携帯を持たず、小さなことに喜びをみつけるパターソンはまさに人の理想像なのだと思う。
キャスティングも素晴らしい。アダムドライバーという俳優が重宝される理由がわかる。永瀬さんもよかった。
この映画を見終えて感じることは、「もっとパターソンの街にいたい!」
退屈なんてとんでもない。ずっとこの映画を見ていたい。そういう映画だった。
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