ハクソー・リッジのレビュー・感想・評価
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TOHOシネマズ府中にて観賞
製作過程を知り、メル・ギブソンの信仰を思えば、紛うことなき今米国で流行のクリスチャン映画と言える。
宗教にのめり込めない身としては鼻白む世界観の映画群であり、その感じも無きにしも非ずだが、アンドリュー・ガーフィールド(首が長い)の演技は意図的に狂気を孕んでおり、なんとか客観性は保っている。
彼が刑務所で信念を貫き通す姿は感動的だ。天を仰ぎ「あと一人、あと一人」と救出に動き出す姿も、斜に構えた心を大きく揺さぶられる。
戦場の描写は凄惨なものでメル・ギブソンの剛腕ぶりが堪能できるが、脇の人物描写や先頭演出は案外娯楽寄りだ。
編集も撮影も『プライベート・ライアン』の衝撃には及ばない。
そして、父親像。『ブラッド・ファーザー』続いてメル自身の改悟が込められているようだ。これも感動的だ。
ブレイブハートを思い出しました。
★不殺を誓い銃を持たずに戦場に赴いた男の信念。★
★何度か泣けました★
メルギブソン監督は「アポカリプト」以来かな・・
メルギブソン監督作品は安心して見れます。
多分・・感性が好きなんだと思います。
未だにマイベストムービーの中にブレイブハートを個人的10位内には入れてますし♪
さて、今作ですが。。
予告を見る限りだとハクソーリッジでの戦闘シーンばかりがクローズアップされてるので「戦争映画の決定打」みたいな位置づけですが・・
まぁ、日本でキリスト教が根底にある映画をやってもなかなか受け入れがたいといいますか・・難しい部分があるからでしょうね
メルギブソンが敬虔なクリスチャンでもあって主人公もクリスチャンである部分から信仰の土台はありきです。
日本でも、無宗教の人はいないとは思うんですけど・・
なんらかの形で宗教には関わってるはずなのですけど、そこにある「教え」を守るかどうかなんだと思います。
ただ、今作の主人公であるデズモンド・ドスさんが信仰の上で銃を持たないことを決めたかどうかは観た人の判断に任せるとして
個人的には、信仰がきっかけではあったけど、「銃を持たずに戦うことを決めた」ということが彼の人生のアイデンティティだったのではないかと思います。
神様は、いろんなところでサインをくれます。
それが、彼にとっては「銃に触れない」という事だったのかもです。
それでも、苦悩します。。
今作でも「沈黙」のように「神よ!どうしろというのですか?!」と神に問うシーンがあります。
だからこそ、アンドリューガーフィールドが演じてよかったなぁ~と思います。
もう、スパイディな雰囲気はすっかり抜けた感じがします。
素晴らしい俳優です。
クリスチャンにも観てほしい作品ですけど。。
そういうのを超えた民族も超えた部分のテーマが潜んでるように感じました。
描き方は、いろいろ脚色もありますし、アメリカ視点ならではの日本描写もありますが・・
素晴らしい作品だったと思います。
今月は「ローガン」「パトリオットデイ」「ハクソーリッジ」と良い作品に沢山巡り合えました♪
私はあわない。
ハクソーリッジ。前田高地。
主人公の行為自体は素晴らしい。
でも、話の中で日本人の民間人が1人も出てこない。
銃は持てません!人は殺せません!日本人も助ける!アメリカは正義!日本人は獣!切腹し、殺し喚く日本人!
戦争に正義も悪もないけれど、戦争に来ているのは兵士。対して沖縄で巻き込まれ亡くなったたくさんの民間人。そこの描写は必要では?という気持ちになりました。その描写がなければ、ただアメリカ人万歳映画になってしまわないかしら?もちろんドスは素晴らしい、この事に異論はないけれど。
宗教や信仰は素晴らしいけれど、キリスト教を根底から理解していない日本人の私にはあわない映画でした。
奇跡をおこす男
神と対話できる人を預言者という。
預言者は奇跡をおこすことができる。何故なら奇跡は神がおこすもので、それができるのは神と対話できる人でないといけないから。
前半で「神と話なんてできない」と言っていたデズモンドが戦闘中での戦友の助けを呼ぶ声で “神の声”の御心を感じとったデズモンドがおこす行動は奇跡そのものだ。そう彼は奇跡をおこしたのだ。そして預言者となった。
だから後半の戦友達のデズモンドに対する見方が変化したとき、つまり皆が預言者として認めたとき怒涛の強さを発揮するのは当然のことだ。預言者に導かれたもの達は強いのだから。
こうして最後に光という “神の祝福”を受けるデズモンドは宗教的な人間になった。少なくともこの映画ではそうなっている。
沖縄戦という史実を題材にしながらも監督のメル・ギブソンは実はデズモンドを「理想的な信仰者」として描いてるのがこの映画だ。
聖人伝
戦争の話、しかも沖縄戦とあって期待したが、宗教観の強い作品で、実話かもしれないが、物語的色彩が濃い。そういうテーマであれば、アメリカ国内での描写に時間をかけていたのも納得できる。ここは、暴力脱獄的でもある。
しかし、戦争と戒律というコンフリクトを命題として掲げていたが、あまり解決していないようにも思える。どうして銃を持たなくなったかのエピソードといい、彼の英雄的な活躍といい、宗教的な話から人間臭い話に変質したようにも思え、最終的には「あんなに馬鹿にされてた奴が、一体どうよ、見直したぜ!」的な感動に行き着くに至っては、宗教的演出が装飾的にしか感じれなくなってしまった。
戦闘描写は斬新な要素も多く、手に汗握る展開になっている。少しグロさがくどい部分もあったが、「ヒィッ」と漏らしそうな仕掛けもあり、事実をどこまで再現しているかは分からないが、雰囲気はあり、概ね満足できた。
日本表現は少し雑に思えた。特に最後の日本軍指揮官の切腹シーンは疑問。ストーリー的にもここでのオリエンタル感や美意識は余計。特に軍部のまきぞいに犠牲になった島民のことを考えると、この単純な扱われ方は受け容れ難いものがあった。
もう1つ疑問だったシーンは初夜のシーン。「おいおい、これ要るか?」と苦笑いしてたら、絡みはなくてすぐ場面が変わって一安心。
敵も味方も無い戦争の凄まじさを背景とする人間の尊厳の素晴らしさ
戦闘シーンの音と映像の大迫力に圧倒されるとともに、監督らに畏敬の思いを抱いた。自分は日本人ではある訳だが、主人公デズモンドら米軍に襲いかかる沖縄日本軍の奇襲攻撃で、あっという間に死体が転がり部隊が壊滅状態となり、見ているものは日本人であれ、戦争の恐ろしさを追体験することができる。この凄まじい戦火の状況下だからこそ、救出行為の崇高さ及び信念に基づいた行動に説得力が有るというもので、これだけの戦闘シーンを作り上げた方々に大きな拍手をしたい。
白旗を掲げていたのに隙を見せたら攻撃に転じた日本兵、火炎放射器で皆殺しを図る米兵、そして日本軍の狙撃の正確さや地下路を活用して姿を見せない攻撃は、その豊富な火力使用も含め、史実に忠実な様である。日本軍は一方的に、米軍の圧倒的兵器に殲滅させられたとのイメージであったが、調べてみると、沖縄戦では、米軍側も約10万人の死傷者と大きな犠牲を払っていたことを、改めてこの映画により教えられた。そして、日米のいずれか一方的になっていない視点には、大きな敬意が持たれた。
そして何よりも、デスモンドの信念に基づく行動に涙を伴う感動をさせられた。事実としては、殺すなかれとのイエスへの信仰心に支えられたものであるが、自己の気持ちに忠実であり、使命感を持っての献身的な行動は、とても普遍的なもの。自分は、そこから大きな活力とエネルギーを与えられた気がする。とても、そこまでのことはできないが、少しほんの僅かで良いから、自己の良心に忠実に、犬死せずに、戦略的に行動することは、自分にもできるかもしれない。さらに、この映画によりそういう炎が多くの方に灯れば、日本も米国も、世界も少し良い方向に動くかもしれないと、思わせる大傑作であった。
格好良すぎる。
どんなに上司に除隊しろと言われ続けても、どんなに仲間から嫌われ、殴られても、決して銃を持たず、信念を持って戦場へ行ったドス。本当に格好良かった。
お父さんの見せ所のシーンだったり、彼女との別れのシーンだったり、たくさんうるっとくるシーンがあったが、何より心に響いたのはやはりハクソーリッジでの戦争シーン。
ついさっきまで共に厳しい訓練を乗り越えてきた仲間が目の前で、一瞬にして撃ち抜かれる。そんなシーンが何度もあったので、とても観ていられなかった。
ドスは衛生兵として、最後まで仲間を見捨てず、「もう一人、もう一人」と助け出していくシーンには感動した。自分がもしあの戦場にいたらと考えると、きっとすぐに逃げ出しているだろう。
彼の素晴らしい行動に勇気をもらった。
神vs神
長崎では沈黙していた神。そして沖縄にて。
アンドリューガーフィールド日本巡礼第2弾。信仰について真正面から描いたドラマ。
が、終わるとついに待望の沖縄戦の開始!大音量の艦砲射撃、文字通りの血湧き肉踊る激烈な戦闘シーンにアドレナリンMAX。好戦的な反戦映画です。
今でも、敵国か
民間人の犠牲者が一人もいない(でてこない)。主人公をどう描きたいかは作り手次第だが、実話というのなら、現場で何が起こっていたかをそこそこ描いてもらいたい。観客に多くを考えてもらっては困るのか、「小さな砂山で戦争ごっこ」で締めくくりたいのか。それにしても、日本兵の描き方の惨いこと。映画「スターシップトゥルーパーズ」のバグのような有様だ。メル・ギブソンに失望した。P.S.金の使いどころがわからなかったのかもしれない
お腹いっぱい
同じ戦闘シーンなので、もう十分だよと思った
そして日本軍兵士のクレージーな所が白人に伝わったでしょうか?
主人公は、陥落する前だから、生き残ったのですかね。運が良かったと思います。
切腹で首まで落とすシーンが含まれているのは、海外ではビックリしたかと思われます。
途中、何度も泣きそうになった。
「ハクソー・リッジ」字幕版で鑑賞。
*概要*
第2次世界大戦の沖縄戦で75人の命を救った米軍衛生兵デズモンド・ドスの実話を映画化した戦争ドラマ。
*主演*
アンドリュー・ガーフィールド
*感想*
戦争映画はあまり観ないんですが、主演がアンドリュー・ガーフィールドで、監督がメル・ギブソンだったので初日に観に行きました。
武器を持たずに75人の兵士を救ったデズモンド・ドスさんの物語は、全く知りませんでした。上官に逆らい、仲間から「臆病者」と呼ばれ、ボコられても、刑務所へ入れられても、決して銃を持たず、人を殺さない強い信念が胸に物凄く伝わりました。
戦場シーンも圧巻。グロシーンは多々あって、何度も目を背けたくなるシーンはありましたw
我々日本人として、観ていてちょっと複雑でした。
前半は、デズモンドの生い立ちから始まって彼女との出会い、そして、志願するまで描かれていて、ちょっと長いですけど、とても丁寧に描かれてました。後半は戦場シーンが物凄く長くて、とても見応えがあったし、衛生兵のデズモンドが仲間を必死に助けようとする姿に思わずグッときた。デズモンドは、ハクソーリッジに留まり、敵味方関係なしに治療するのが凄いと思いましたし、ラストシーンはは泣きそうになりました。。。
エンドロールが始まる前に、実際の映像やインタビューが映ってました。
メル・ギブソン監督の作品は初めてですが、とても素晴らしい映画でした!\(^^)/
緩急つけたメリハリが深い感動を呼び込む
予告編からは、『ハクソー・リッジ』(原題:Hacksaw Ridge)はヨーロッパ戦線を描いた作品だと思っていました。ところが、実際は沖縄戦だったのですね。主人公の所属するアメリカ軍の敵となるのがわが祖国の同胞たちの日本陸軍と知って、見ていて複雑な心境となりました。
けれども、勇敢な日本陸軍の奮闘ぶり、そして最後の自決シーンで見せる司令官の切腹自決シーンなど、メル・ギブソン監督の日本人の武士道精神に対するリスペクトを感じさせてくれて好感が持てました。
作品は、第二次大戦の沖縄戦で衛生兵として従軍したデズモンド・T・ドスの実体験を描いた戦争映画。デズモンドはセブンスデー・アドベンチスト教会の敬虔なキリスト教徒であり、沖縄戦で多くの人命を救ったことから、「良心的兵役拒否者」として初めて名誉勲章が与えられた人物を描いた実話に基づく物語です。
舞台となる「ハクソー・リッジ」とは、沖縄戦において、浦添城址の南東にある「前田高地」と呼ばれた日本軍陣地の北側が急峻な崖地となっており、日米両軍の激戦地となったことから、米軍がこの崖につけた呼称です。
やはり一番感激したところは、デズモンドの信仰心の強さを感じさせる信念でした。味方は撤退したあとの崖地に単身残って、敵軍に囲まれ襲撃を受け、自らの命を危険にさらしながら、「神のためにあと一人、もうひとり」と傷ついた傷病兵を、武器も持たずに救出し続けるシーンは感動しました。傷病兵を崖から降ろすことだって半端ではありません。150メートルの絶壁から、ガタイの大きい傷病をロープを巻き付けて降ろす作業を単身で行うのは、かなり大変だったことでしょう。
言葉ではなく、行動で自分の信念を証明し、仲間の信頼を勝ち得ていく。その姿にこれからご覧になる皆さんも、きっと胸が熱くなることでしょう。
またハクソー・リッジでの両軍が肉薄する戦闘シーンは圧巻そのもの。目の前を銃弾が飛び交い、ヘルメットを直撃して「チン」と音を立てるところなんぞ、思わず身体がピクリと反応してしまいました。
。敵も味方も問わず打ち込まれる米艦船からの怒濤の艦砲射撃。あれじゃあ、味方の戦艦の砲撃で死傷した兵士もいたに違いことでしょう。
使っている弾薬も半端でなく、火炎放射器の放射シーンで何人もの兵士が火だるまにされていくところはリアル過ぎて戦慄を覚えました。
この混乱状態が、戦場の真の姿を暴き出していると思います。とにかく無数の兵士が、一瞬で無残に死んでいくのです。
この激しさががあればこそ、デズモンドが活躍の困難さと勇気が一層引き立てられたのです。後半1時間延々と続く戦闘シーンの迫力は、映画史に残ることでしょう。第89回アカデミー賞において録音賞と編集賞を受賞したのも納得の出来映えでした。
しかし、メル・ギブソン監督の素晴らしいところは、激しい戦闘シーンにメリハリをつける戦闘前後の描写に真価があると思うのです。
前半、かなり長い尺を使って、デズモンドが銃を持てなくなった経緯とそれに連なる父親のDV。そして太平洋戦争開戦後にアメリカの若者たちが抱いた時代の気分について、ゆったりと描かれます。特に看護師のドロシー・シュッテと恋に落ち、結ばれていくシーンでは、まるで青春映画を見ているかのような瑞々しい感性を見せてくれたのです。
デズモンドが軍隊に志願して、激しい訓練を受けている最中も、それは変わらず、戦争中という暗さ、悲惨さは微塵も感じさせてくれませんでした。
やがてデズモンドが沖縄に派兵されてはじまる、敵味方入り乱れての白兵戦。
タイトルにある「ハクソー」はのこぎり、「リッジ」は崖の意味。そのハクソー・リッジに縄ばしごで登り、初めて実際の戦闘を体験したとき、一気にたたみ掛けるように戦争の無意味さ、無慈悲さの洗礼を受けるという極端に対象な展開となっていました。
このように散々激しい映像をせつけたにも関わらず、ラストでは観客の緊張をクーリングさせるかのような、安らぎに満ちた映像で締めくくってくれたのでした。
このメリハリが、見ているものの魂を激しく揺さぶり、安堵させてくれるのニクい演出なのですね。
さらに特筆すべき点は、デズモンドの信念の見せ方が、押しつけがましくないことです。
デズモンドの入隊後は、信仰を貫こうとして、同僚たちから迫害に遭ってしまいます。これは、同じガーフィールドの主演による「沈黙―サイレンス―」にも通じるのではないでしょうか。「人を殺したくない」というデズモンドの信念に異論はありませんが、「大切な人が攻撃されたらどうするのか」という上官の正論にも納得してしまいます。彼の理想論は、まるで護憲論者が語る平和ボケのようにも見えてしまうのです。デズモンドの信念を絶対的に描かず、登場人物の問答を聞きながら、どちらの言い分が正しいのかと、観客に自問自答させる手法は、より深く作品に感情移入させるうまい演出なのだといえます。
物語は、アメリカ・ヴァージニア州の緑豊かな町で生まれ育ったデズモンド・ドスは、元気に野山を駆け回る少年でしたが、ある日誤ってケンカで弟を殺しかけてしまったことから始まります。これが後の本作の物語に繋がるトラウマとなりました。
加えてデズモンドの家族は、ある問題を抱えていたのです。父親のトムは、兵士として戦った第一次世界大戦で心に傷を負い、酒に溺れ、母バーサとの喧嘩が絶えなかったのです。とうとう銃を持ち出したトムが、銃口を母親に向けたとき、父から銃を取上げたデズモンドが、もみ合ううちに父親を殺しかけたことが、さらなるトラウマとなり、デズモンドは二度と銃を持てなくなってしまったのでした。
月日は流れ、成長したデズモンドは、看護師のドロシー・シュッテと恋に落ち、心躍る時を過ごしていました。
しかし第二次世界大戦が日に日に激化し、デズモンドの弟も周りの友人達も次々と出征していくのです。デスモンドの愛国心は人一倍でした。何か国のために自分ができることはないのかと真剣に悩みます。そして自分も軍隊に志願することを決意したのでした。ドロシーとの結婚も決まっているし、そもそも銃も持つことすらできないデスモンドがなんで入隊を志願したのでしょうか?
それは、子供時代の苦い経験から、「汝、殺すことなかれ」という教えを大切にしてきた彼自身であったからこそ、「衛生兵であれば自分も国に尽くすことができる」との思いからでした。
グローヴァー大尉の部隊に配属され、ジャクソン基地で上官のハウエル軍曹から厳しい訓練を受けるデズモンド。体力には自信があり、戦場に見立てた泥道を這いずり回り、全速力で障害物によじ登るのは何の苦もなかったのです。
しかし、狙撃の訓練が始まったとき、デズモンドは静かに、しかし断固として銃に触れることを拒絶するのでした。
軍服や軍務には何の問題もなく「人を殺せないだけです」と主張するデズモンドは「戦争は人を殺すことだ」とあきれるグローヴァー大尉から、命令に従えないのなら、除隊しろと宣告される。その日から、上官と兵士たちの嫌がらせが執拗に始まります。普通は軍隊が嫌になって新兵の脱走を図ることが、上官の懸案事項として普通なのに、デズモンドに対してはありとあらゆる手段で除隊への嫌がらせを行うところに違和感を感じました。それでもデズモンドの決意は微塵も揺るがなかったのはアッパレだと思います。
とうとう出征前に約束したドロシーとの結婚式のその日。デズモンドはライフルの訓練を終えないと休暇は許可できないといわれ、命令拒否として軍法会議にかけられることになります。
面会に訪れたドロシーに、銃に触れないのはプライドが邪魔しているからだと指摘され口論に。でもデズモンドは、逆にその”プライド”こそが大切だと気付くのです。「信念を曲げたら生きていけない」というデズモンドの深い思いに心を打たれたドロシーは「何があろうと、あなたを愛し続けるわ」と励ますのでした。いいシーンです。
「皆は殺すが、僕は助けたい」―軍法会議で堂々と宣言するデズモンド。ところが、意外な人物の尽力でデズモンドの主張は認められることに。
1945年5月、沖縄。グローヴァー大尉に率いられて、「ハクソー・リッジ」に到着した第77師団のデズモンドら兵士達。先発部隊が6回登って6回撃退された末に壊滅した激戦地です。
150メートルの絶壁を登ると、そこには百戦錬磨の軍曹さえ見たことのない異界が広がっていました。前進した瞬間、四方八方からの攻撃で、秒速で倒れていく兵士達。他の衛生兵なら見捨てるほどの重傷の兵士達の元へ駆け寄り、肩に担いで降り注ぐ銃弾の中を走り抜けるデズモンド。感嘆の目を向け始める兵士達。しかし、武器をもたないデズモンドに、さらなる過酷な戦いが待ち受けていたのでした…。
信念溢れる主人公を熱演するアンドリュー・ガーフィールド。逆境を厭わない役柄を熱く演じるには、やっぱり彼が適役ですね。
余談ですが、完璧なギブソン監督の演出でも手榴弾を平手打ちではじき返し、キックで蹴飛ばすというのは、サービス過剰だったかもしれませんね。
しっかりと直視しなければいけない
人を殺さない戦争の英雄を題材とした映画でしたが
戦争の悲惨さもちゃん衝撃の映像をもって
しっかりと伝えていて心を揺さぶる映画でした
悲惨だ!と言ってしまうのは簡単だけど
きちんと本当のことは伝えなければいけないと思います
手足がもげ、首が飛び、内臓が飛び出て、血しぶきが飛び散る
死体がゴロゴロ転がり山となる、これが現実なんですよね・・・
戦争の悲劇はこれ以上繰り返してはいけない
勿論、今現在も戦争があるわけで平和なわけではないが
こうして映画を観ていられることをありがたいと改めて思い
「汝、殺すなかれ」無宗教者だけれど、全世界の人間が
これを守り全世界が平和になることを心から祈りたいと思います
あと反日映画だと言われているそうですが
ちゃんと某シーンでしっかりと補ってるように私には思えました
心が痛むけれどしっかりと観た方が良い映画です
お勧めです
第二次大戦下、沖縄戦の激戦地前田高地で敵味方関係なく負傷兵を救助し...
第二次大戦下、沖縄戦の激戦地前田高地で敵味方関係なく負傷兵を救助した衛生兵デズモンド・ドスの物語。監督がメル・ギブソンなので凄惨な戦闘の地獄絵図を情け容赦なく描写、DVと飲酒に明け暮れる主人公の父トムにここ数年自身がしでかした悪事への贖罪を重ねて自身の信仰と奔放な半生もそのまま反映。結果としてどこまでも純粋だがどう贔屓目に見てもどうかしている主人公が無数の亡骸を掻き分けて生存者を救助する壮絶な戦争映画となっています。それでいて、陰惨な苛めに耐え抜き雨霰と降り注ぐ戦艦の砲撃をものともせず何度も戦地に戻っていくデズモンドの真摯な姿に、デズモンドを疎ましく思っていた戦友達が次第に心をつき動かされていくその一部始終が次第に涙で霞んでいく圧倒的な人間ドラマ。
自身の信条をあからさまに滲ませた作風はクリント・イーストウッド他巨匠達の作品と重なる点が多く見られ、巨匠とはすなわち仙人のような存在なのだと痛感させられる壮絶な傑作。さりげなく『不思議の国のアリス』ネタのギャグもあったりしますのでお見逃しなく。
全75件中、61~75件目を表示