劇場公開日 2017年6月24日

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「メル・ギブソンの贖罪映画」ハクソー・リッジ pippo9さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5メル・ギブソンの贖罪映画

2017年6月30日
iPhoneアプリから投稿

前作「アポカリプト」は暴力に満ちた世界を描いた名作でしたが、今作は前作のテーマの先を見せてくれた映画だったと感じました。

暴力に満ちた世界の中で崇高に生きる道があるとしたらそれはこのようなものだ、ということを示してくれた作品だと思います。

また、主人公の父親はアル中でDVを起こす、という設定は完全にメル・ギブソン自身を投影している様に思えます。
そんな父親が、見たくもなかった軍服を着て、息子を無罪にしようとする場面は感動的でもあったし、それ以上に、メル・ギブソン自身のここ10年程での様々な罪に対する贖罪意識も含まれているのではないかと感じました。

主人公が暴力をふるわないと決意するのは、弟への暴力に対する罪の意識からであり、自分の罪を赦してもらうために仲間の命を救うのです。
ハクソーリッジに再び戻る前に主人公が体を洗うシーンは、主人公が完全に過去の罪を赦してもらえた、という意味も含まれていると思えます。

pippo9