特捜部Q Pからのメッセージのレビュー・感想・評価
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キャラクターの魅力による安定した面白さ
本作が、というか特捜部Qというシリーズが面白い理由は、特捜部が窓際部署であり、事件かどうか分からないけれど一応捜査するかみたいな案件を扱うため、そもそも事件なのかどうかから物語が始まるところだ。つまり、ミステリージャンルでありながら犯人探しや動機探しをするわけではなく、事件探しをするのである。 事件ではなかったら物語が成立しないので事件であることは間違いないのだが、調べていくうちに事件として確定していく様が面白い。 なんというか、事件なんだけど事件の内容、全貌が見えない暗闇の中を勘を頼りに進む特捜部の二人を見る楽しさがある。 今回は信仰についての物語で、信仰をくじきたい神を信じる男、違う神を信仰するアサド、そもそも神を信じないカールという三つ巴で面白くなりそうだったが、残念ながらそうはならなかった。 それでもキャラクターの良さで楽しむことはできる。 少々病み気味のカールのことはあまり好きではないけれど、まあそれなりに優秀なんだろうなとは思うし、なによりアサドのキャラクターはいい。 デンマークにおいてはその信仰も人種においてももちろんマイノリティで回りからは厄介者のように扱われているが、とにかく優秀。 そして、カールだけはアサドを無視せず一人の人間としてぶつかり合う関係性がいい。 一見仲が悪そうな二人だけれど、しっかり見てくれるカールはアサドにとって少しだけ特別なんだろうなと思う。そこがアサドがカールを「友人」と呼ぶ理由だろう。
これも面白い
シリーズ3作目でダレてきてもいいころなのに面白い。エホバの宗教問題に踏み込む内容だ。カールの眉間のしわがますます深くなり、手が震えるほど精神を病んでいる。アサドのあたたかさが沁みる。犯人が背中を撃たれているのにカールを背負って運ぶほど元気だ。弟が溺死したかと思ったら蘇生に成功して本当によかった。アサドも最後刺されてしまう。命がいくつあっても足りない仕事ぶりだ。
犯人は犯人で宗教2世問題で虐待されてお姉さんは顔を大やけどで失明しているのに医療にかかれない。山上徹也さんがスポットライトを当てた宗教2世問題に気付かないままなら、ふーん、そういう問題もあるのか大変だなーくらいにしか思わなかったことだろう。今は、身近にある問題として認識している。
信仰に対して、鋭く切り込む
もう4回は観てる気がする。
シリーズ最高傑作。と書かれているが、その売り文句に間違いはない。
前作を観てきた人なら、よりそう思うだろう。
信仰を奪う者。という概念が非常に怖かったし、
彼がハサミを使うという設定も、象徴的に感じた。
そして、犯人役の人には、賞を上げたい。
見事な演じっぷりでした。美しく、知的で、怖かった。
カールと、アサド、ローセの関係性が良くなっていくところは、
特捜部Qファンとしては、最もたまらないところだと思うが、
今回も、それを感じられるところが多くあった。
カール、どうした?
冒頭、カールが出勤拒否?何か悩んでいるのか、鬱なのか?ぼーとした感じでどうした?事件の事になると、刑事の感はさえてるようで、相変わらずのマイペース。アサドが上手くカバーしつつ、絶妙なコンビ感。 今回の犯人もなかなかのサイコパスで子供にも容赦ない。 今作もなかなか面白かった。しかし、カールが何故ぼーっとしていたのかはっきりしないし、犯人の心の闇がもう少し描かれていたらもっと面白かったかも。
なんだかんだで観てしまった
原作未読。 映画1作目のみ鑑賞済み。2作目は見つからなかったのでこちらを鑑賞。 1作目で北欧チックな重くてどんよりとした雰囲気に心が重くなりつつ、結局観てしまった。 今回は前回以上に緊迫感が常に漂っていて目が離せない。 アサドとカールの宗教観についてのやり取りが非常に興味深かった。自分の根本となる信心を馬鹿にされても、きちんと対話しようと試みるアサドはどこまで人間が出来ているのかと感心する。 ただ、最後のシーンでは確かにカールの心に響く何かがあったようで、カールの心が少しでも救われればいいなと思ってしまう。 なんだかんだで次回作も観てしまうのかも。
物語の悲愴感を映像美の中に表現
映像の風景や街の美しさの中に、孤独や寂しさが常に漂い、その中で物語が進んでいく。 作品の世界観を示すかのような雰囲気が、全編を通して視覚的にちりばめられている気がした。 主人公など登場人物の背景を説明するようなセリフはほとんどなく、見る側に想像力を求められるところが多い。そのため、他の作品を見る時よりも、人物の表情や言葉の抑揚を気にしながら見ることになり、いや応なしに物語に引き込まれていく。 一方、宗教への感覚が日本社会とは違うせいか、共感度がいまひとつ高まらなかった。頭では理解できても、心理的にどう扱ってよいか分からない、そんな感覚が残った。 ストーリ展開で少々おおざっぱな感じだったことと、終盤で「普通そう展開はしないでしょ」と思う場面が多かったと感じた。 人物の心理状態や背景に、大いに想像力をはたらかせながら、見る人それぞれが自分なりの解釈を加えて楽しむことができる作品だと思う。
子供が酷い目に合う映画は苦手
例によって犯人は早々に登場するから謎解きは監禁場所の所在と異常なまでの残虐性をもつ犯人の動機、むしろ異常人格形成に至った毒親のトラウマが物語の核心なのでしょう。
天使と対極にある悪魔の僕、その悪魔がイケメンの好青年で似非伝道師、悪魔は時に神の仮面を被り天使のような子供たちを生贄のごとく誘拐、惨殺するのだから観るに堪えない。
それにしてもたった一人の異常者に振り回される警察の能無しぶりには唖然とするしかありません。またしてもカールは囚われの身、窮地を救うのは例によってアサドです、いっそ主人公はアサドにした方が良いでしょう。
特捜部Qは、これまで3作見続けていますが、後味の悪さは最悪、こうまで北欧の闇、病んでいる様ばかり見せつけられるとこれまでの美しかった北欧のイメージが壊されます、特に子供が酷い目に合う映画は苦手ですし怖がらせる小道具のように使うホラー作家には嫌悪さえ感じます。
もっともアンデルセンの時代から子供には甘くは無いのですから、苦痛なら見なければいい話かも知れませんね・・、とほほ。
息するのも忘れそうなくらい観入っていまいました!
久しぶりに夢中になって観入ってしまった…。 やっぱりこのシリーズは凄すぎる。 1分1秒が、行き着く暇もなく緊張感を漂わせながら進んでゆく。 今回は信仰宗教の話。 エホバの証人の家族を襲った誘拐事件。 神を信じて生きていた家族に襲った不運に、毎度お馴染みのカールとアサドの凸凹コンビが事件を調査する。 今回は早くから犯人が分かっているけれども、その犯人の手強さが強靭すぎ! 警察が足掻けばあがくほど、犯人の思う壺なものだから、誘拐された家族が不運すぎます。 自分を悪魔と呼び、神を信じる家族を悉く苦しめる姿はやはりサタンそのもの。 彼自身の悲しき過去がこんな最悪な人格を創り上げたみたいですが…。 やっぱり育ってきた環境って子供にとってすごく大切だと痛感させられました。 現在子育て中の自分にとっては、他人事とは思えない事件。 特捜部Qやっぱり取り上げるテーマといい、内容といい本当にミステリー好きには堪らない作品。 凄すぎる作品を本当にありがとう!って言いたい(笑)
独特のキャラクターに、緊張感漂うサスペンス
ミステリー要素はかなり弱いけど、サスペンスのハラハラ感は強い。 主人公の、常に怒ってるの?って顔と、無口なのか人嫌いなのか謎な性格、相棒のアラブ系の方、 なんかみたことない感じの独特の雰囲気のある映画 殺人鬼の小賢しく狂気じみた雰囲気もすごい。
タイトルなし
シリーズモノで安定して見れる刑事コンビ。北欧物で天気はすっきりしない。エホバの証人や新興宗教を扱い、ハサミで殺す残虐シーンもある。割りと早めにイケメン過ぎる犯人がわかるが中々捕まえられず、信仰心を折るために牧師となり、犯行を重ねるサイコな犯人は怖い。
淡々とした流れの中にスリルがある。
漂流した手紙から警察が捜査開始。 手がかりは、「P」というイニシャル。 手探りの捜査の中、新たな誘拐事件に辿り着く。 宗教と連続殺人事件との絡み。 3部作の中で、一番スリルがあり面白かった。
何を信じるかは人の自由
カールとアサドの関係性がさらに深まったシリーズ3作目。 ミステリーとしての伏線の複雑さなどは1,2作目に比べてやや解消されてきた感があるが、その分信仰やアイデンティティーの問題が深堀されている。 終盤、PTSDに悩み、信じることそのものを放棄したカールに、その意義を呼び起こしたのが、犯人とその被害者である少女だったことに、とてつもない皮肉と悲哀を感じる。 アサドは相変わらずのアサドであった。 教義的な理由から被害者の父に疎遠にされながらも、最後まで寄り添うのはアサドだし、犯人との対決の最後は、アサドが犯人に洗礼を施しているかのようで印象的だった。 彼の深い愛情がどこから湧き出ているのか、いずれその出自とともに明らかになる作品が制作されることを願う。 デンマークの美しい情景の中で繰り広げられる凄惨な出来事に、人間の果てしない業を感じる。美しくも物悲しい作品だった。
コールドケースを扱うシリーズ
私は無神論者なので ピンと来ない部分はあるものの、盲目的な人はこんなペテン師に騙されるんだろうなーとか思いながら観ました。 続編、どんどん出して欲しいですね。 とにかく観て!面白いから。 カールは若干病的、アサドは良い奴! 2人が真逆の性格だからこそ、相手を尊重しあい 見えないものが見えてくる。
人は悪魔の子ではない
ベストセラーの北欧ミステリーを、本国デンマークで映画化したシリーズ第3作目。
カールとアサドの今回の捜査は…
特捜部Qに届けられたのは、長年海を漂ってたと思われるビンとその中に入っていた手紙。
ふやけた文字を解読すると、“P”という人物からの助けを求めるメッセージ。
捜査を進め、少しずつ手掛かりや事件の詳細が判明していく中、同様の手口で幼い姉弟が誘拐され…。
前作はちとややこしかったが、今回はストーリー展開的には割りとシンプル。
見易さも分かり易さもシリーズで一番すんなり。
難があるとすれば、シリーズ3作目で初の題材となる“信仰心”。
誘拐された姉弟の両親は信仰深く、捜査に非協力的。実は犯人と…。
警察より神を信じる。
この信仰心は、カールとアサドの関係にもぎくしゃくムードを。
無神論者のカールと信仰心深いアサド。
アサドはただ純粋に大いなる者の存在に心の安らぎを求めているだけであって、それがどうのこうのという訳ではない。何を信じるかは自由だが、カールは…。
3作目で初めて、二人の違いするものを見た気がした。
アサドは、ビンに入った手紙が届いてなければ、今回の事件を捜査する事は無かったかもしれず、そこに何かしらの大いなる者の…と言うが、それを運命とか導きとまでは言わないが、何か因果なものは否定出来ない。
今回も犯人は早々と分かるが、この犯人がシリーズ3作の中でも相当なサイコ野郎。
その歪められた性格は、幼い頃の出来事とこの犯人にも信仰心に関与しているのだが…、
そもそも犯人は、神父。しかも、イケメン。表向きは、体裁が良い。しかし、その心の闇は…。
本人曰く、「悪魔の子」。
神父だぁ? 悪魔の子だぁ?
単なるキチ○イの連続殺人鬼でしかない。
私自身、ある理由から信仰心に対しては否定的だが、それでもこの犯人が犯行の動機に信仰を持ち出すのは笑わせるな。
動機に触れるのはちとネタバレになるので詳しく言えないが、敢えて一言、
人は誰しもが、悪魔の子に堕ちたりしない。
今回信仰絡め、手強い犯人のようでもあるが…、
それでも特捜部Qの無能とまでは言わないが、残念っぷりは否めない。
犯人の魔の手が姉弟の両親に及ぶのを防げなかったり、カールは犯人に拉致られるし…。そのカールはとある事情で冒頭から不調。
また、マスコミも姉弟の顔写真や捜査担当のカールの名まで公表しちゃうし…。
デンマークの警察やマスコミの実態か…?
ちょいとうやむやの点もあったけど、シリーズの中では(あくまで個人的に)一番面白かったかも。
現在、映画化されたのはここまで。
原作は7作まで続いてるようで、勿論それらの映画化も求ム!
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