不能犯のレビュー・感想・評価
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面白くはない
マインドコントロールで人を死に追いやる宇相吹という人物を軸に、殺しの依頼をする人物の顛末や、宇相吹の逮捕に尽力する警察の物語。
設定は面白いのだが、観る側が期待する「警察が不能犯である宇相吹をいかに有罪に導くか」の部分はほぼ描かれていない。
たまたま有罪にするチャンスが訪れるが、あくまで冤罪であり、不能犯の立証ではない。
また「殺意の純粋さが不足すると依頼主も不幸になる」という概念が登場するが、何が基準になっているか分からないし、純粋な殺意だろうという依頼でも結局不幸になるようだ。
最後の展開は宇相吹がダークヒーロー的な活躍をして終わるという、なんとも期待の外にある結末だった。
思う力
「愚かだね、人間は」
そうだよー 愚かなんだよー
だからね、何度も何度もやり直してどうにかこうにか正しいと思える方向へ進んでるんだよ
変化のない毎日のようだけど少しづつ体の中に染み込んでいくのさ
気がついたら考えなくてもそちらの方へ行くようになる
人はね、気になる方や思った方へ行くように出来てるのさ
信じていればそちらの方に
疑えばそのように
感情なんてその程度でどうにでも変わっていくでしょ
その道筋をつけるために毎日毎回自分が信じる方へ進めばいいと思いますよ
なぐり書きのぐるぐる
漫画で、吹き出しにセリフでなく、なぐり書きのぐるぐるを書く心象表現がある。
名称があるのか、ないのか、解らない。あったとしても浸透はしていないと思う。
易しく丁寧に説明したのに、ぜんぜん解ってもらえない──とか、ものの道理や筋道を逸脱している行動/言動、あるいは玉虫色の考え方──などに対して、この吹き出しは使われる。
表わされている感情は、一種の「あきれ」である。強いあきれだが、怒りをともなわず、無力を感じ、諦観の境地にはいっている。言葉で言い表すと、そんな感じだが、漫画ではもっと含みのある心象が表現されている。言葉で表せないのが漫画の説得力でもある。
転じて、これを言葉であらわせたら──名称を付けることができたら、かなり使いでのある形容になると思う。
この映画のプロモーション用のポスターに「上映開始5分、あなたの心が支配される」とのコピーがあった。
ご覧になれば解ることだが、このキャッチはつりである。
映画を見はじめて5分も経たないうちに、心ではなく頭が「なぐり書きのぐるぐる」に支配される。
まず、その相関が数多のバディものを踏襲した、ベテラン刑事と新米刑事のコンビが出てくる。
「行くよ新人」
「あのぼくモモセです」
新米刑事は生真面目の属性と、名前で呼んでもらえない属性を持っている。が、エリカ刑事、野趣あふれるアウトロータイプだが、じつは熱い兄貴分。新米が死ぬか、死ぬ目に遭うかのフラグを立てたあと、バディものの紋切り度を忘れさせる勢いで、映画は飛躍と短絡で展開してゆく。
まるっきり現実味のない警察、いきなりトップギアに入る人々、あらゆる布石を置き忘れた事件と事故、ぜんぶ後出しジャンケンの真相、小林稔侍まで配した不可解なほどの豪華キャスト・・・。
開始5分から書き始めた頭のなかの「なぐり書きのぐるぐる」は、すでに吹き出しをはみ出し、ページをはみだし、机から虚空へ連なっている。
しかし、つり映画に律儀なツッコみを入れるのも芸がない。そもそも、人気漫画を実写化させた、興行のほかにはなんの野心もない、いわば罪のない映画である。愚直な批評をすればするほど、レビュワーの非リア充度を露呈させる種類の映画である。「怖かったー」の一言が最も妥当な批評であろうと思う。
ちなみに白石監督のノロイ(2005)は、日本の因習と辺境/マイノリティが持っているいびつさをドキュメンタリータッチで可視化させた傑作だと思う。
つくりものがつくりものに見えなかったし、かぐたばの響きは日本人が備えている禁忌をうずかせた。
氾濫する恐怖動画、おわかりいただけただろうか系動画の祖でもある。個人的には、ホラーを超え、日本映画の傑作だと思う。
が、玉石混交中のノロイではなく、鶏群の一鶴のノロイである。中田秀夫監督に似ているのかもしれない。
ところで、不能犯のレビューがしたかったのではなく、ひとつ言いたいことがあって、書いている。
冒頭に戻って、漫画で使われる「なぐり書きのぐるぐる」の名称について。もし「殴り書きのぐるぐる」に名称をつくって、一般に浸透させることができたら、それは現代社会において、とても使用頻度の高い用語になると思う。
映画レビューで「なぐり書きのぐるぐる」と同じ気分を言い表したいときが、とても多いからで、発明したら、大勢から感謝され、流行語大賞に選ばれたり、現代用語の基礎知識にも載るのではないか──と思う。
が、クリエイターからは嫌われるだろう──とも思う。
沢尻エリカに違和感かな
原作マンガは未読。人が死ぬ現場で目撃される黒スーツの男。彼が殺したのか?捜査陣との攻防が描かれる。
黒スーツの男が相手を暗示にかける能力が超能力的なものだったと思うんだけど、その設定をもう少し説明しても良かった気がする。それがないと結構モヤモヤしてしまう。実際、話もちゃんと終わってなかった。続編があるかのような終わり方。特段驚く展開もなく、はぁそうですかって感じで観終わった。
でも出演者は意外と豪華。ただ沢尻エリカは若干の違和感があった。もっと演技うまかった記憶があるのにすこし残念な気分になった。
教科書どおりの良いサスペンス映画
フリとオチが完全に見え透いていて、犯人だろうなと思った人が犯人だし、怪しいなと思った人はだいたい最後に怪しい動きをしてくれるどんでん返しのない、逆に言えばわかりやすくて良い映画です。
松坂桃李の赤い目の演出とか、中二病心をくすぐりそうなので、小学生とか中学生が見るにはいい映画なんだろうなと思います。ある程度目の超えた方々が観るような映画ではないことはたしかです。
また、この監督の趣味なのか全体的に演者の演技が大根すぎるのも気になりました。特に沢尻エリカと真野恵里菜は酷くて途中笑ってしまって映画に集中できなかった。この映画を見返すことは一生ないと思います。
単純につまらなかった
タイトルに付きます
ストーリーも演出もキャラクターも、惹きつけられるところが見当たりませんでした。残念
いくつかのエピソードをつなぎ合わせたような作りになってましたが、同じ素材でも深夜ドラマで一話一話を掘り下げて作ったほうがまだ面白くなったのでは
筋が荒すぎ。ツッコミどころが多すぎる。
必殺仕事人とかデスノートのようなダークヒーローものだが、殺意が不純な時は依頼者も痛い目に合うという設定。松坂桃李は全てを見通せる筈なのに何故殺意が不純な時にはターゲットを殺すまでわからないのかがなんとも不自然。矢田亜希子と沢尻エリカという美形だけが警察の捜査チームにいるのも不自然。そして何より松坂桃李に比べて沢尻エリカの演技力の無さ、そして矢田亜希子と比べると顔が不自然(ロボットのよう?)。松坂桃李は色んな役が出来る俳優になった。
ぴぇ〜
相手のことを知らずに、殺意だけを剥き出しにし、知ってからではもう遅い。欲望というものがどれだけ怖いものか思い知らされた。知らないことは怖い。優が自殺した時の宇相吹の「愚かだねぇ」がとても刺さった。ヒーローに見えすらもした。多田と宇相吹とタケルが相対した時なにがなんだかわからなくなった。正しさとはいったいなんなのか。
とても良かった!!
真剣佑目当てで観に行きましたがとても面白かった!松坂桃李、いつもニコニコと笑ってるイメージだったので不気味にニヤつく演技を見てこんなにも名役者だったんだ、と実感させられました。沢尻エリカもかっこよくてこの映画でファンになったのですが、、残念。。。
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