劇場公開日 2017年1月7日

「トニー・ジャーのアクションの真髄が『トワイライト~』で継承、昇華されていると思うと感慨深いですね。」ドラゴン×マッハ! 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0トニー・ジャーのアクションの真髄が『トワイライト~』で継承、昇華されていると思うと感慨深いですね。

2025年3月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

現時点で圧倒的に本年度NO.1 『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(2024)。
再び香港クンフーアクションに魅了される今日この頃ですが、『トワイライト~』を鑑賞するとタイのエクストリームなアクションにも影響されていると感じておりましたが、遡ること10年前にソイ・チェン監督はタイの巨星トニー・ジャーを香港に召喚、香港のアクションスター・ウー・ジンとタッグを組ませ本作『ドラゴン×マッハ!』(原題:殺破狼2/2015年)を監督していましたね。
本日は実にタイムリーな上映をしている新文芸坐さんにて鑑賞。

ストーリーは香港とタイを股に掛け、タイの刑務所で行われる臓器密売組織の壊滅を諮る潜入捜査官チーキット(演:ウー・ジン)と刑務所の看守チャイ(演:トニー・ジャー)の対立から芽生える漢の友情を中軸にクンフーとムエタイベースの肘と膝、そして沢村忠氏を彷彿とさせる真空飛び膝蹴りを駆使したタイアクションの血沸き肉躍る見事なコンビネーションが最大の見どころ。
特に絶望的に無双な刑務所所長(演:マックス・チェン)との2対1のラストバトルは思わず観劇中に拍手喝采してしまうほど傑出していましたね。

『トワイライト~』では颯爽と九龍城砦で理髪店を営む九龍城砦のリーダーを演じたルイス・クーが本作ではかなりウエイトを落として死期迫る密売組織の首領を忌まわしげに好演。
またジョニー・トー監督作品の常連サイモン・ヤムもあい変わらずいぶし銀でしたね。
演出面も雨の使い方などソイ・チェン監督らしさが垣間見えます。

00年代~10年代のアクション映画を牽引したのは疑う余地もなくトニー・ジャーですが、
彼のアクションの真髄が『トワイライト~』で継承、昇華されていると思うと感慨深いですね。

矢萩久登
PR U-NEXTで本編を観る