「いい作品だけど人生の素晴らしさは分からないんだよ」素晴らしきかな、人生 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)
いい作品だけど人生の素晴らしさは分からないんだよ
最近多い、邦題がコケさせにかかってる映画。
なぜならこの作品を観たところで、人生の素晴らしさは分からない。
ハリウッドの超豪華スターの顔ぶれが素晴らしい。その中でも、ヘレン・ミレンの存在感といったら。年を重ねても衰えない大女優の貫禄。
無気力な役柄のせいか、ウィル・スミスが殆ど演技をしていないように見えて他の役者達に埋もれる。感情移入も出来ないまま時間が過ぎるが、子を亡くす経験をしていないのでここは当然なのだろうか。
自分を取り戻したい意思は持つ反面、夜中に対向車に向かってチャリを飛ばしながら苦痛の顔を浮かべるハワード。死を望んでいるかのような表裏的な一面もある。
自分が心に抱いてきた大切な3要素『死』『時間』『愛』が人と成って目の前に現れ、現実の区別がつかなくなったのかと怖れてセラピーに足を踏み入れる決意をしたのかと思いきや、ラストにビッグなサプライズ。でもこれ、途中の1シーンでオチが読める。そして、もしそのオチが正しいならば、このやり取りは非常に白々しい…と思ってしまった。ハッピーエンドには見えるけれど、その過程で失ったものもある。中でもクレアの友情が痛ましく、涙した。
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