「脚本の巧さと役者たちの名演に拍手」素晴らしきかな、人生 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本の巧さと役者たちの名演に拍手
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アメリカでは家族揃ってクラシック映画『素晴らしき哉、人生』を観るのが定番のクリスマスの過ごし方。この誰もが知る名作映画に着想を得たという本作は、絶望の淵に立った男の変遷をファンタジーではなく、極めてリアリティに即したヒューマンドラマとして紡ぎだす。
その中心にあるのはやはり脚本だ。豪華な俳優陣がタペストリーを成すようにこぞって共演を快諾したのも脚本の素晴らしさに要因がある。最大の特徴は、“天使”が救済しにやってくるのではなく、“舞台俳優”たちが主人公の前に立ち、彼の魂に向けて語りかけるところ。この奇想天外さ。そこから染み出してくるヒューマニズム。決して予定調和に陥らない“驚き”を終始持続させ、見終わった後、まるで陽だまりに触れたような感慨をもたらしてくれる。いつもの機関銃ぶりとは180度違い、ほぼ無表情、無言を貫き通すウィル・スミスもまた新鮮。役者たちが添える名演も相まって思いがけない掘り出し物だった。
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