太陽の下で 真実の北朝鮮のレビュー・感想・評価
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ドキュメンタリーを超えたフィクション装置
「アクション!」で演技が始まる。「カット」で終わる。だがその後のカメラを回しっぱなしにしておくといろんな映像が映りこんでしまうものだ。北朝鮮側としてはおそらく「イメージビデオ」的な位置付けで本作の製作を許可したのだろうが、しかしそれにしても、家庭内の家族団らんの食事シーンでいきなりフレームの外側から奇妙なおじさん(北朝鮮側の演出家)がふらりと入ってきたりするのだから、その異様さのインパクトは計り知れない。
事実に即した映像をドキュメンタリーと呼ぶならば、これらの「意図された虚構性」のもとに成立した映像を私たちはなんと呼ぶべきなのか。そうやって考えていると、いつしかこの映画、そしてこの国の国家像までもがまさに「劇映画」であり「フィクション」そのものであることに納得がいった。もっともこのフィクションは、カットがかかっても終わらない。そこに最大の怖さがあるわけだが。
それでも太陽の下で?!
内容は、北朝鮮の中で作る映画内映画。終始寒そうな印象が強い。創作物が全て意図したエゴの産物であるように、音楽の情動性を高める様なヴァイオリンを使用していた事が映画の方向性を示唆しているのだなと感じた。国民全員がタレントでタレントである事がこの国でのサバイバルなのだ。戦中の日本も似た様なものだ。どちらが良いとは言えないが、最後の主役の子供の涙にはタレントに染まりきれない悔しさと情け無さが溢れ出した様に思えてならない。壁も白で雪が積もり氷が張る中太陽の下で温かさを感じれる日が来るのだろうか?!それでも挙手はウルトラマンっぽくて気に入った。
一度行ってるので、シェルター用の長い地下鉄など懐かしい。 教室...
一度行ってるので、シェルター用の長い地下鉄など懐かしい。
教室での挙手のしかたが可笑しい。学校はこんな教育だと、思考力、批判力は生まれないなー。
子どもはキムチが嫌いなんだろうか。
ピョンヤンだから、階層の高い人たちが住んでる。食事も豪華。
地下鉄の駅とか結構お金かけて細部作ってる。確か、大理石とかよく取れるんだったか。
映画は、主席ら好きだったし。巨大な映画スタジオに行った。
リアリズムやドキュメンタリーという概念がない。メイキングの部分こそがドキュメンタリーなのだ。メイキングのときは、あの張り上げた声でもないし。
通訳の人と話したことがあるけど、ウイットがあり、賢かった。
パフォーマンスの日常のせいか。
満面の笑みは作り笑いなのがわかる。
勲章の数の多さが滑稽で、軍人の話は全くお馬鹿でしかない。寝かかっている少女を撮り続けるのは意地悪だが、あまりに演説が馬鹿馬鹿しいから、その気持ちはわかる。
私は、共和国を悪く言う気持ちはない。アメリカに敵対している今の状況も理解する。それでも、主体性のない今のあり方は、私ならこの社会に住みたくないと思わせるものではあった。
まだ戦時体制で軍事国家であることが言説からわかる。
私もジンミみたいな優秀な子で、いろいろな役割をさせられたから思い出す。
この映像は結局、共和国ではどういう扱いになっているのか気になる。
何でジンミちゃん、最後、泣いてるん? 質問したからか?
ウンザリしてくるね
我々は報道を通じてそこそこ北朝鮮の裏側を知っている。金王朝の下、言論や行動の自由はなくすべてが嘘くさい、もとい、嘘以外がないということだ。
人民すべてが演技者であることを要求され、当局の演出家のイメージ通りにならないと何度もリテイク。これがダラーッと続くもんで観ていて飽きた。
いやはや、よくもこんな国が現在まで内乱も起きずに残っているもんだ。ドイツもベトナムも統一したのに、朝鮮半島は未だ化石である。
空疎な劇場のドキュメンタリー
「やらせ」の有様を描いた、ある意味では貴重なドキュメンタリーなのだが、それがかえって人々の素顔を教えてくれている。
しかし、最後の場面は考えさせられるものがあった。
無事なんだろうか
ドキュメンタリーの裏側をカメラで撮影していた
内容に関しては宣伝用の映像を伸ばしたような感じで
「まぁ北朝鮮だしなぁ」という見慣れた北朝鮮映像
ところどころ映る子どもたちの素の表情が可愛らしい
ひとつ心配なのは
北朝鮮にとっては都合の悪い舞台裏を写し続けたカメラに
何故気付かなかったのかと
主人公含め映っている人が処罰されなかったのかということ
無事でいて欲しいけど
あの国にいる限り無事じゃないよね
小さなドキュメント
見てよかったと思います。
開始5分でしっかり引き込まれました。
北朝鮮のことを全く知らない私にとって、この作品はとてもワクワクさせられるものでした。
この映画を撮ることが、どれだけ大変だっただろうなと思います。
北朝鮮の許可をかいくぐって、よく放映できたと思います。
映像に映し出されたこと全てが真実だとは思いませんが、少しでも近づくことができてよかったです。
この作品を「映画」と期待して見に行くと、つまらないという印象を受けるかもしれません。
大きな事件も何もなく、淡々と日常が流れます。
しかもそれはヤラセの日常。
しかし、隙間で見せる彼らの素の部分がいろいろ語っているのだと思いました。
北朝鮮は笑顔がない国だと思っていました。
あったとしても、それは作り笑いなのではないかと思っていました。
先入観は覆されました。
彼らが、決して理解し難い人たちではなくて、紛れもなく「人間」であることを知ることができた映画でした。
無知なまま、彼らのことを嫌いにならなくてよかったと思いました。
監督の思いはわかるけど…
監督は旧ソ連で同じような統制社会を経験し、崩壊するのを見てきた人。変化の前後を知っているからこそ、思い入れを持ったのは当然だと思います。
ただ、ここに出てくる北朝鮮の現役住民は、崩壊後を知らない、仮に知る機会があったとしても、誰も口にできない。むしろ、比較対象を知らないほうが幸せでしょう。すべてが「そういうものだ」で済ませられるから。
北朝鮮が送り出す情報が体制に向くよう装われていることは、彼らも私たちも百も承知なのではないでしょうか。そして、外にいる私たちは、それを異様に感じるし、中にいる彼らは、体制に合わせて装うのが、ごく自然で普通のことだと思っている。年端の行かない子供ならば、それはなおさらです。周りの言うように信じ、そういうものだと思うのは、日本の子供たちだって同じです。
だから、映像はともかく、悲壮感溢れる音楽は余計でした。監督の思い入れではあっても、きっと彼らは悲壮感を抱いていない。愉快ではないけれど、それが日常であり、生きていくことだと思っているだろうから。
もし、監督が見た人に解釈を委ねたいのであれば、音楽はいらなかった。あるいは、むしろ監督の解釈、思いを率直に語ってよかった。映像であろうと、どんな媒体であろうと、作り手の思考を反映しないものはないのだから、正直に言えばよかった。
ただ、旧ソ連の人材が、北朝鮮に招かれて、こういう仕事をしている事実を知ることができたのは、そして、危険を冒して公開された映像は、とても貴重だと思いました。
人をものすごく選ぶ作品
良くも悪くもドキュメンタリーです。
まず、この映画は北朝鮮の知識がない人は見ない方がいいです。なんとなく興味があるだけの人もおすすめしません。苦痛な時間が待っています。加えて、あまり抑揚がないため、とても眠くなります。(観客の半分くらいが寝ていました)
一方で、北朝鮮の知識がある人は、とても興味深く見ることができます。
この映画は、基本的に北朝鮮関係者が撮影を認めている範囲と認めていない(すなわち本来は撮ってはいけないのだがビデオをまわし続けている)範囲の対比で成り立っています。
最後のシーンは、その対比のクライマックスなわけですが、実像と虚像、その虚像の部分がいかに大きいかというのを実感させられました。
万人受けはしないでしょうし、そもそもこの映画を見に行く人はそれなりに北朝鮮に興味がある人でしょうが、それでも半分くらいの人は寝ているということで★3.5です。
徹底したドキュメンタリーです
何も語りがないからこそ、余計に監督の想いがビシビシ感じる。鑑賞後の不思議な気持ちは、多分それこそ監督が求めるもので、なんともいえない気持ちは到底理解出来ない考え方を頭は理解したくても、気持ちが理解出来ないという不条理から生まれるのではと。
それこそが今よく言われてるグローバリズム疲れの根本である気もします。
どんな状況でも
日常はただ淡々と過ぎていくのです。
わかっちゃいるけど…
ちょっと単調だったかな。ドキュメンタリーだからあたりまえだけど。
思想教育が信じられないくらい怖い。怨みつらみを子孫代々伝え生きる国民性ってなに?一生先に進めないね。ラストの少女の涙が胸にしみる…。
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