太陽の下で 真実の北朝鮮のレビュー・感想・評価
全16件を表示
ドキュメンタリーを超えたフィクション装置
「アクション!」で演技が始まる。「カット」で終わる。だがその後のカメラを回しっぱなしにしておくといろんな映像が映りこんでしまうものだ。北朝鮮側としてはおそらく「イメージビデオ」的な位置付けで本作の製作を許可したのだろうが、しかしそれにしても、家庭内の家族団らんの食事シーンでいきなりフレームの外側から奇妙なおじさん(北朝鮮側の演出家)がふらりと入ってきたりするのだから、その異様さのインパクトは計り知れない。
事実に即した映像をドキュメンタリーと呼ぶならば、これらの「意図された虚構性」のもとに成立した映像を私たちはなんと呼ぶべきなのか。そうやって考えていると、いつしかこの映画、そしてこの国の国家像までもがまさに「劇映画」であり「フィクション」そのものであることに納得がいった。もっともこのフィクションは、カットがかかっても終わらない。そこに最大の怖さがあるわけだが。
それでも太陽の下で?!
一度行ってるので、シェルター用の長い地下鉄など懐かしい。 教室...
一度行ってるので、シェルター用の長い地下鉄など懐かしい。
教室での挙手のしかたが可笑しい。学校はこんな教育だと、思考力、批判力は生まれないなー。
子どもはキムチが嫌いなんだろうか。
ピョンヤンだから、階層の高い人たちが住んでる。食事も豪華。
地下鉄の駅とか結構お金かけて細部作ってる。確か、大理石とかよく取れるんだったか。
映画は、主席ら好きだったし。巨大な映画スタジオに行った。
リアリズムやドキュメンタリーという概念がない。メイキングの部分こそがドキュメンタリーなのだ。メイキングのときは、あの張り上げた声でもないし。
通訳の人と話したことがあるけど、ウイットがあり、賢かった。
パフォーマンスの日常のせいか。
満面の笑みは作り笑いなのがわかる。
勲章の数の多さが滑稽で、軍人の話は全くお馬鹿でしかない。寝かかっている少女を撮り続けるのは意地悪だが、あまりに演説が馬鹿馬鹿しいから、その気持ちはわかる。
私は、共和国を悪く言う気持ちはない。アメリカに敵対している今の状況も理解する。それでも、主体性のない今のあり方は、私ならこの社会に住みたくないと思わせるものではあった。
まだ戦時体制で軍事国家であることが言説からわかる。
私もジンミみたいな優秀な子で、いろいろな役割をさせられたから思い出す。
この映像は結局、共和国ではどういう扱いになっているのか気になる。
何でジンミちゃん、最後、泣いてるん? 質問したからか?
ウンザリしてくるね
無事なんだろうか
小さなドキュメント
見てよかったと思います。
開始5分でしっかり引き込まれました。
北朝鮮のことを全く知らない私にとって、この作品はとてもワクワクさせられるものでした。
この映画を撮ることが、どれだけ大変だっただろうなと思います。
北朝鮮の許可をかいくぐって、よく放映できたと思います。
映像に映し出されたこと全てが真実だとは思いませんが、少しでも近づくことができてよかったです。
この作品を「映画」と期待して見に行くと、つまらないという印象を受けるかもしれません。
大きな事件も何もなく、淡々と日常が流れます。
しかもそれはヤラセの日常。
しかし、隙間で見せる彼らの素の部分がいろいろ語っているのだと思いました。
北朝鮮は笑顔がない国だと思っていました。
あったとしても、それは作り笑いなのではないかと思っていました。
先入観は覆されました。
彼らが、決して理解し難い人たちではなくて、紛れもなく「人間」であることを知ることができた映画でした。
無知なまま、彼らのことを嫌いにならなくてよかったと思いました。
監督の思いはわかるけど…
監督は旧ソ連で同じような統制社会を経験し、崩壊するのを見てきた人。変化の前後を知っているからこそ、思い入れを持ったのは当然だと思います。
ただ、ここに出てくる北朝鮮の現役住民は、崩壊後を知らない、仮に知る機会があったとしても、誰も口にできない。むしろ、比較対象を知らないほうが幸せでしょう。すべてが「そういうものだ」で済ませられるから。
北朝鮮が送り出す情報が体制に向くよう装われていることは、彼らも私たちも百も承知なのではないでしょうか。そして、外にいる私たちは、それを異様に感じるし、中にいる彼らは、体制に合わせて装うのが、ごく自然で普通のことだと思っている。年端の行かない子供ならば、それはなおさらです。周りの言うように信じ、そういうものだと思うのは、日本の子供たちだって同じです。
だから、映像はともかく、悲壮感溢れる音楽は余計でした。監督の思い入れではあっても、きっと彼らは悲壮感を抱いていない。愉快ではないけれど、それが日常であり、生きていくことだと思っているだろうから。
もし、監督が見た人に解釈を委ねたいのであれば、音楽はいらなかった。あるいは、むしろ監督の解釈、思いを率直に語ってよかった。映像であろうと、どんな媒体であろうと、作り手の思考を反映しないものはないのだから、正直に言えばよかった。
ただ、旧ソ連の人材が、北朝鮮に招かれて、こういう仕事をしている事実を知ることができたのは、そして、危険を冒して公開された映像は、とても貴重だと思いました。
人をものすごく選ぶ作品
良くも悪くもドキュメンタリーです。
まず、この映画は北朝鮮の知識がない人は見ない方がいいです。なんとなく興味があるだけの人もおすすめしません。苦痛な時間が待っています。加えて、あまり抑揚がないため、とても眠くなります。(観客の半分くらいが寝ていました)
一方で、北朝鮮の知識がある人は、とても興味深く見ることができます。
この映画は、基本的に北朝鮮関係者が撮影を認めている範囲と認めていない(すなわち本来は撮ってはいけないのだがビデオをまわし続けている)範囲の対比で成り立っています。
最後のシーンは、その対比のクライマックスなわけですが、実像と虚像、その虚像の部分がいかに大きいかというのを実感させられました。
万人受けはしないでしょうし、そもそもこの映画を見に行く人はそれなりに北朝鮮に興味がある人でしょうが、それでも半分くらいの人は寝ているということで★3.5です。
徹底したドキュメンタリーです
全16件を表示