「娘の友達は素行の悪い子たち。」荊棘の秘密 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
娘の友達は素行の悪い子たち。
必死の捜索もむなしく、選挙運動初日、失踪した日から10日目に遺体で発見されたミンジン。ミンジンの友達であるミオクが真っ先に疑われた。
暴力の連鎖というものを16歳の少女にまでやらせるストーリーの凄さには恐れ入った。脚本にはパク・チャヌクの名前も連ねてあるから、暴力部分がそうなのかな~と想像できる。ミンジンとミオクがヘンテコなバンドで一部で脚光を浴びるが、物を投げつけられるなど学校ではイジメにも遭っている。
真相にたどり着く前に、ミオクがミンジン殺害については頑なに否定するも、ひき逃げ事件の犯人であることを告白する。それがミンジンを殺した犯人への復讐だった。ヨノン(ソン・イェジン)が出来の悪かった2人の成績が上がったことを不思議に感じていたが、娘の遺品であるパソコンにあったメール5万件を虱潰しに調べると、試験の問題が送られていた痕跡を発見する。凄い執念!
スマホというアイテムがやたらとクローズアップされていたり、動画というのもキーポイント。制服を交換したり、隠し撮りをするずる賢さも持ち合わせていた少女だったが、大人の汚さも目に付く作品だ。娘の失踪も選挙に利用するが、支持率は上がらず、遺体で発見されると急上昇するなんてのも、ライバル陣営の盗聴もするような政治家だけが悪いんじゃなく、選挙権を持つ大人すべてが悪として描かれてるような気がしてならない。
結局、学校の担任とミンジンの父親ジョンチャンの不倫が盗撮によりわかり、試験内容を渡させた上に1億ウォンもの金を恐喝した2人。誰が恐喝者だったかわからなかったが、殺人を依頼したジョンチャン。それが実の娘だったという皮肉・・・殺されたとニュースが入った時から“やっちまった”と思ったはずだが、とにかく選挙で勝つことしか頭にないんだわな、このおっさん。皮肉といえば、「クソを運んでる運転手」の「クソ」がこのおっさんだったことが笑える。
格差社会、イジメなど社会派要素は満載でうれしいんだけど、疑問点がいくつも残るため、なぜだか高評価できない。
ミンジン殺害実行犯は誰?ミオクがひき殺したのは実行犯?ノヨンをノミで襲ったのは誰?なぜ?これらがスピーディな展開のため騙されてる気がする・・・