オリ・マキの人生で最も幸せな日のレビュー・感想・評価
全4件を表示
見世物小屋で板敷きからプールへ落ちる余興をやっている太った女性が涙...
見世物小屋で板敷きからプールへ落ちる余興をやっている太った女性が涙ぐむ様にかつらを取る場面がある。
それだけで僕はこの映画に共感出来た。
1962年8月12日が『人生でもっとも幸せな日』って、僕の知り合いの誕生日一週間前だ。あの日は日本は暑かった。
そもそも…
恋に落ちたって、その前から好意があって恋人同士じゃないの?ボクシングの世界戦を前に集中できないって、子供じゃないのだから、がんばれよと。フィンランドでは初めての世界戦というと国を挙げてというのもわかるし、マネージャーにしたって、チャンピオンを呼ぶのに大金が必要なため、様々なスポンサー探しに苦労し、自分の家庭にもろくに金を入れていないようだったし、こういう周囲の人の努力を考えられない主人公に全く共感出来なかった。しかも、呆気なく負けるって、そりゃそうだろうなと思ってしまった。実話ベースなので仕方ないのだろうが。恋をしたので負けたってのも尚更言い訳がましく、格好悪い。
Love of the Common Man
解放された後の2人の姿にホンワカしてしまい。
久しぶりに生粋の欧州映画を観た気分。フィンランドかぁ。遠そう…寒そう…あそこ、白夜だったっけ?オーロラ見れたっけ?NokiaとLinuxはフィンランドだっけ?首相が美人なんだよね、確か。魚を輸入してる?それはノルウェー?シベリウスはフィンランドでしょ。そうや、ニッカネンでしょ。そうだそうだ、プジョー205T16のサロネンとLancia Delta HFのアレン、二人ともフィンランドじゃん、カンクネンもマキネンも。そうだ、Toyotaがラッピを引き抜いてYarisで勝ったんだよねぇ、って結局WRCですかw フィンランドと言えば、ラリーとジャンプです。ボクシングじゃないよなぁ...
オリとライヤの「上京前」の描写が好き。田舎暮らしで、ユルくて大らかな人達の中でいい感じで出来上がってるお兄ちゃんとお姉ちゃん。体重60kgのオリと、ふっくら美人のライヤの欧州流自転車2人乗り。もう、この時点でほのぼの。
ボクシングフェザー級世界タイトル戦の挑戦者としてヘルシンキを訪れた2人を待ち構えていたのは「我が国初の世界タイトルマッチ」に沸き立つ様々な人々。意味も分からない写真撮影、支援者とのパーティー、記録映画のカメラマン、部屋に入り切れないくらいの新聞記者。「上流階級の人々」とのパーティ、記念撮影、食事会。やらせ映画で、カメラの前でポーズを決める。
ライヤは疎外感から帰郷。これまで経験したことの無い、マネージャーの管理に息苦しさを感じるオリ。減量に苦しみ、ライヤを追って帰郷したオリは、ライヤに結婚を申し込み、「世界チャンピオンになる?なら結婚する」と返答される。世界戦の前に、指輪は作っちゃうんですけどね。
米国からやって来たチャンピオンとの実力差は如何ともしがたく。2ラウンドでTKO負けを喫する。あれだけ期待してくれてると思っていた支援者も、マネージャーも、良い感じで無視してくれることが、逆に気楽だと感じるオリ。ちょっと腹立たしいのはライヤ。
試合後のパーティ会場で、一人所在投げにうつむいて立っているのは、5回目の防衛戦に勝利した黒人ボクサー。会場を二人で抜け出して、海に向かって石投げ遊びに興じるオリとライヤ。
騒がれて持ち上げられても、結局は見世物として誰かに利用されているだけに過ぎない。普通の男として、恋した女性と歩き始めた日が、人生最良の日。
モノクロです。16mmフィルムで、時代感、バンバンに出てます。音楽のセンスも最高。レストランで流れるピアノは「Stella by Starlight」と言う選曲センス。言葉少なく、唐突に切り替わって行く場面演出。「モノクロームの青春」な導入部に沸き立つ、郷愁。
「フィンランドで初めて開催される世界タイトルマッチ」にかき乱された2人は、壊れずにちゃんと、戻ってくることが出来ました。と言う最後に、胸がふわーっとなる物語だった。
マネージャー役のエーロ・ミロノフに見覚えあるなぁ、誰やったっけ?思い出せなくて調べたら、「ボーダー 二つの世界」のヴォーレでした。そりゃ、分かりにくいね。
良かった。とっても。
とにかく好きです。最近、こういうのに飢えてたかも知れないですw
ヘルシンキ...... Do you need a reason to like someone?
風景もサウンドスケープも人も動物も.....すべてのものが自然。そのことが登場している役者の演技の自然さをサポートしている。個人的に仏教用語の”遠離(おんり)”なんて知らなくてもこの映画がハリウッド映画とはかけ離れ異なる映画作りがされている事に気づき、見る機会があったのは幸運だけでは済まされない思いになる。
What are we going to do with it?
-Let's kill it.
-Let's release it.
-Let's eat it. (it:瓶に捕まえたハエ)
無口なのに遊園地の水槽・的当てゲームでボールを投げれない女性にも子供に対しても優しい男オリ・マキ。彼の女友達としか最初見えなかったライヤ。マネージャーのエリスの家に泊まった時も、二段ベッドではしゃいでいた彼女。二人の関係が最初、理解することが出来なかったし、難しかった。彼の優しさを逆手にとって利用しようとする人たちを見て、自分の心がすごく汚れてしまっているのに気づかされる。彼らと何ら変わらない。
What if I lose?
What if people are disappointed in me and realize I'm not
the guy they advertised?
What if you're disappointed?
How could I be disappointed when I haven't asked anything
of you?
If anyone's disappointed, it's because of his stupid fantasies.
You're not responsible for them.
Is that so? -Yes, it is.
Will you ....... ?
あたかもメトロノームでもどこかに仕掛けているのではないかと思ってしまう一般の映画の台詞の流れ。この映画に関しては存在はしていないので会話のタイミングが面白く感じる人しか受け付けないかもしれないし、イベントの少ない映画に対しては、拍子抜けされるかもしれない。個人的には、今はやりのデジタルカメラではなく、わざわざ16ミリフィルムで何故撮影されたのか?なんて考える機会を与えてくれた作品。
Remember that you've worked a hell of a lot for this.
You've practiced in the best possible way.
You'll go out there and enjoy.
Show them what you know.
Don't be afraid of anything, not even losing.
You know you're safe.
If it starts going bad, we'll always be there for you.
Is there anything else I can do for you?
No. I'm ready.
フィンランド初となる世界タイトルマッチが地元ヘルシンキで開催されているのに、描き方や声援などの音声を控えめにしているのは意外なものとなっている。わざと盛り上げない表現の仕方以前に、この映画自体がボクシングのイベントなんてあったのかと思えてくる作りとなっている。
「ボーダー 二つの世界」とは、別人のような演技が光っているマネージャー役のエーロ・ミロノフ。改めてすごい人です。
この映画が意味する本当の幸せとは・・・・・?
You think we'll be like them?
You mean old?
Yes, and happy.
Of course we will.
映画サイトでも紹介されている一瞬のトリヴィア。
In the end of the film, Olli and Raija walk to the harbor and
encounter an old couple. The couple are the real-life Olli and
Raija Mäki.
とにかく人にやさしいライヤの笑顔のような映画と言える作品です。
Finally パチパチ
全4件を表示