「原作好きだが満足」ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 ヨモさんの映画レビュー(感想・評価)
原作好きだが満足
個人的にあまり実写作品にあまり良い印象を持っていなかったのですが、Netflixに追加されていたのと好きな映画レビュアーが評価していたので観てみました。
私はジョジョのアニメを5部までと原作を7部まで読了していて、特に漫画は全て揃える程に愛読している作品なので、あまりにもビジュアルがかけ離れていたり原作のセリフに過度なオリジナルの改変が加えられていたらショックだな…と思いつつ観ていたのですが、面白くて一気に観終えてしまいました。
レビューは実写といえど好きな作品が叩かれているのを見るのが怖かったため、先述した好きな映画レビュアー(浅井ラムちゃんというVtuberの方)のレビュー動画を見るだけに留めていたのですが、その動画内で良くなかった点について「原作のテンポの良さが失われている」と言及されていたものの、私はそこまで気になりませんでした。 でも確かにジョジョの良さの一つに「テンポの良さ」があることを念頭においた上で観ると、ラストの切り上げ方など物足りなく感じてしまうかな〜という感じです。
原作ファンとしては、作中で岸辺露伴の著書である「ピンクダークの少年」や杜王町の事件記録帳や、仗助が変形させた承太郎の帽子などの小道具の作り込みにニッコリしてしまいました。 それと役者さんがアニメでのユニークな言い回しや口調に演技を近づけて下さっているのを感じられたのも嬉しかったです。細かい所に原作ファンを喜ばせる要素を混ぜるのが上手い…。
キャラのビジュアルに関しては承太郎が4部の時点で確か28際だというのを踏まえると…やや老けているように感じるかもしれません。 ジョジョは原作だと服の質感が分厚く光沢があり体にフィットしているイメージなのですが、実写だとコスプレ感が強くなりすぎない程度にカジュアルにアレンジされていてオシャレだと感じました。顔面アップの際に見えるアイラインなども色っぽくてベネ。 独特の髪型なども観ているうちに役者さんに馴染んでくるような気がしています。
この作品に欠かせない要素である「スタンド」もCGであれど、動いていることに感動してしまいました…。(スタープラチナがちゃんとオラオラ言ってる…) アニメ程の激しいバトルや迫力は無いにせよ、アンジェロのスタンドを始めとして滑らかで精密な動きをしていました。あと生まれたてのエコーズact1がスゴくカワイイ。
シナリオは最初に述べたテンポの悪さ以外は特に粗い所は無いように感じました。 仗助と祖父の日常的なシーンが原作より濃く描かれていたので、その分別れの場面が辛かったです…。
「死んだ人間はどんなスタンド能力を以ってしても生き返らない」シーンも4部の序盤として、ジョジョの世界観を示すセリフとしても重要なので省かれていなくて安心しました。 家族の絆という点において、虹村家族の描き方も非常にグレートでした。原作で話の流れは知っているはずなのに岡田さんの悲痛な叫びと切なげな表情がグッと来て泣いてしまいました。原作やアニメでは泣かなかったのに…。
4部のテーマは日本の地域コミュニティでの繋がりや温かさも包括していますが、実写ではその面に重点をおいているように思えました。あと新田さん、3枚目キャラもこなせるのはすごい…。
年末にNHKで放送される、特に好きなキャラクターである岸辺露伴のスピンオフにも程々に期待しつつ楽しみにしていようと思います。