「実写映画版の4部を最後まで見届けたくなる」ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 神社エールさんの映画レビュー(感想・評価)
実写映画版の4部を最後まで見届けたくなる
ジョジョの原作は単行本で7部まで、アニメは4部まで観賞済。
三池崇史監督作品は着信アリ、ゼブラーマン、龍が如く劇場版観賞済。
公開前に「漫画原作作品の中ではそれほど悪くない出来だった」「原作ファンは最後に驚く」と言う話を聞き、興味が湧いたので、それほど期待し過ぎない様にハードルを出来るだけ下げて観に行った。
結果、原作の頭脳戦描写や細かいディティールはともかくとして、"今日本映画で出来る『ジョジョの奇妙な冒険』"はここまで来れたか…と言う感慨深いものを感じた。
舞台をスペインのシッチェスにする事で、原作杜王町の西洋らしい建築に日本のセットを組んでいくとそれが"奇妙さ"をより引き立たせるし、仗助達の濃いキャラクターも浮いてる様に見えない演出になっていた気がする。
各々のキャラクターは原作とは異なっている部分もありながら、(後々続編が出るとしても)映画尺を考えれば上映時間内で簡潔に描けるように調整出来ている様に感じたし、マーベル世界の様に別世界の出来事(7部のアレの1つ?)だと考えれば、納得出来るキャラクターだったと思う。
山崎さんのドラララッシュ、伊勢谷さんのオラオラッシュも今後の伸びしろを期待させてくれる(ジョジョの奇妙な冒険ASBからアニメ版の小野大輔さんの様な)演技で良かったと思う。
個人的には國村さん演じる仗助のおじいちゃんの装備が巡査のそれではなく、警察署の中でも特殊部隊を率いるようなそれに見えたんだけど、アレは日本の警官に寄せ過ぎると展開に違和感が出る&街に合わないってことなのかな?
スタンドのCGについて、Twitterで流れてきたものによれば「ジョジョ好きのスタッフが上から『これで良い』と言われてもモデリングに時間をかけ、細部まで作り込んだCG」の話を聞く通り、一体一体細部まで見るのが楽しい(バッドカンパニーは原作ではアーミー兵だった覚えがあったのでもうちょっと装備が前の時代のものを使ってる印象があったけど)素晴らしい出来だった。
終盤の、原作ではレッドホットチリペッパーが襲撃してくるシーンがシアーハートアタックに変わっている所は、仗助のおじいちゃんが吉良の事件を調べていたシーンで、なんとなく映画尺の都合上そうなるんじゃないかと思ってた。
でも、そうなることで今後ストーリーの都合上どこの話を使ってどこの話を省くかを予想するのも楽しい。
ストーリーとしては4部序盤が基礎にありながらも、今回は"人と人との出会い"や"親子"、"受け継がれるもの"ってのがテーマとして描かれていたけど全体として原作と同じく"人間讃歌"がテーマとしてありつつも、各々の章のテーマが異なるのか、今回のテーマで最後まで描くのか気になるので、第二章以降も公開して欲しいな。