昼顔のレビュー・感想・評価
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断ち切られた運命の糸は再び結べるのか⁉️
それでも生きていかなくては
倫理観を問う映画ではない
乗る前から結果がわかっていても楽しい、ジェットコースター
そのタイトルが2014年の流行語にもなった、テレビドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」(2014)の劇場版である。
本作は50年前のカトリーヌ・ドヌーヴ主演でヴェネチア映画祭金獅子賞の「昼顔」(1967)をオマージュしている。貞淑な妻が昼間に隠れて売春をしているというオリジナルに対し、普通の主婦が昼間に不倫をすることを"昼顔"という言葉に懸けた。
さて完結編となる本作は、放送から3年。俳優・斎藤工の出世作であり、メジャーになった今だからこそ映画化が実現したのだが、ストーリー設定も同じ3年後になっている。
連ドラを見ていなくても、問題なし。むしろ登場人物も絞られて、シンプルにまとまっている。本編は、複数の不倫がパラレルに進行していたが、劇場版は上戸彩が演じる"木下紗和"と、斉藤工の"北野裕一郎"、その妻"乃里子"の三角関係の再燃で盛り上がる。
不倫問題は、巻き込まれた当事者とその周辺は大変だが、部外者は好奇心だけの、実に下世話なテーマにすぎない。社会通念や法的罰則がなければ、自然な"純愛"であり、見方によっては、"生物学的な繁殖活動"に過ぎなかったりする。人間界では、ケモノ呼ばわりされるわけだが…。主人公の"北野裕一郎"の設定が、"生物学の先生"であるのは、"聖職者"とのミスマッチを象徴している。
夫と離婚した紗和は、誰にも気づかれない海辺の町で一人暮らしをしている。そこに大学の非常勤講師として働いていた北野先生が、講演のためにやってきてしまう。
もうだいたいエンディングは読めるわけだが、だからといってネタバレ厳禁。とてもよくできた構成で、乗る前から結果がわかっていても楽しい、ジェットコースター展開なのである。不倫にハッピーエンドは期待できず、ラスト30分の"乗り心地"は、とんでもないアトラクションだ。2人以上で観れば、きっと観賞後のネタにつきないと思う。
なんといっても上戸彩の演技に圧倒される。わきあがる情念を理性で抑え込む演技は、切なく伝わってくる。斎藤工もしかり。こういう役どころが逆に魅力を引き出している。
西谷弘監督は基本テレビドラマの演出家なので、ドラマの劇場版の演出が多い。福山雅治の「ガリレオ」シリーズとその劇場版「容疑者Xの献身」(2008)、「真夏の方程式」(2013)。織田裕二の「外交官・黒田康作」シリーズとその劇場版「アマルフィ 女神の報酬」(2009)、「アンダルシア 女神の報復」(2011)など。いずれもスタイルは単発完結で、本作も気持ちいいくらいスッキリと完結する。
(2017/6/10 /TOHOシネマズ日本橋 /ビスタ)
上戸彩の演技力素敵でした
既婚と未婚で見方が変わる映画
言葉にしない描写
井上氏の脚本と西谷氏の演出、菅野氏の音楽が観たくて初日の朝一で鑑賞しました。3年間の空白が一気に埋まるような瑞々しい描写と生々しい心の動きに、終始世界に入り込んでしまいました。
1カット1カットに映される小道具や役者さんの動きが、セリフをつけなくともその時の彼らの心情を物語っていて、本当に上手な演出だなぁと思います。展開も衝撃的でしたが文句ありませんでした。
またこの作品で斎藤工にハマりましたが、最近お色気役ばかりだった中、久しぶりに真面目な北野先生に会えて恋が再燃しました。それだけの魅力的な役だと思います。乃里子も、ドラマ版より更に感情移入できるキャラになっていて登場人物色々な人の目線に立ってしまいすごく切なかったです。
うーん、2時間ドラマの域でしょう
喪失感…
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