「素晴らしいのに後味が悪い理由・・・。」昼顔 hanahoさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしいのに後味が悪い理由・・・。
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出演者の演技が素晴らしく観に行って良かったと思う
しかし
なぜこんなにも後味が悪いのか?
の理由を自分なりに考えてみた。
結末に
北野先生が殺されてしまうまでは
「不倫恋愛の恐怖」が描かれているのだが
北野先生を自分の命を懸けてまで
殺してしまう狂気の奥さんが
最後、ご両親と普通に帰宅する姿に
違和感が残る。
ということは
警察の事故見聞において
「自分が無理心中を計って殺した」ということを警察に黙って
事故として処理されたということ。
北野先生にもご両親がいるはず。
奥さんはドラマでは
最後の引っ越しシーンで
「私、今なら・・・」と
二人を無理に引き離したことに躊躇を見せるなど
人間らしい一面のある場面から
映画では
人の命を奪った後も
真実を言わないで自分を守る利己的な人物に描かれていることで
「不倫の代償」ではなく
「結婚の恐怖」にすり替わってしまった。
観た直後は
「不倫は恐ろしい」と感じさせたが
警察に言わなかったことで
「人の命の重さ」よりも
「結婚の制度の戒律の方が上」と描かれてしまったことに
正義のない「法律」の違和感が不気味に後味の悪さをひき出した。
「結婚は何て恐ろしい」ということに
残念な印象が残る。
前半のストーリー展開が早すぎて戸惑ったので
欲を言えば、前篇・後編にして
ドラマのように
もう少しストーリーを詳細に演出されていると良かった。
さわさんの可愛らしさ
北野先生のいやらしさ
奥さんの恐ろしいまでの利己主義と夫を奪われる女の不細工な生々しさや役作り
素晴らしかった。
しかしやはり「昼顔」は面白い。
出演者の美しさと高い演技力には
ものすごい惹きこまれた。
映画館も満席で一人で見に来ている人も結構いた。
是非、映画館で観てほしい作品。
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