「【”俺たちのワンダーウォール” 『OASIS』のロック・スピリッツと狂気性を映し出した貴重なドキュメンタリー。】」オアシス スーパーソニック NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”俺たちのワンダーウォール” 『OASIS』のロック・スピリッツと狂気性を映し出した貴重なドキュメンタリー。】
ー当たり前であるが、今作は、『OASIS』の結成当初から、一番輝いていた時期を描いたドキュメンタリーであるが、彼らの当時の数々の、愚かな姿も映している。
当時、入れ込んだ、ファン向けの作品である。ー
1.英国の公営住宅で生まれたリアム&ノエル、ギャラガー兄弟の姿を軸に94年のデビューから、96年のネブワースでの25万人を動員したライブをクライマックスにしている。
ーあの、人波の凄さ・・。-
2.このドキュメンタリー作品が、見応えがあるのは、スターの座へ駆け上って行く20歳過ぎの彼らの、愚かしき行為もきちんと映している事であろう。
・初のアメリカツアー最中に、”クリスタル・メス”をキメ過ぎ、散々の出来のライヴになり、ノエルが途中で脱走し、行方不明になる件。
・最初のドラムス、トニーを”苛め”により、バンドを脱退させる彼らの姿。その後も次々に脱退する初期メンバー。
ー子供か!と、当時、私より年上の彼らの愚かしき行為の情報を「ロッキング・オン」で読む度に思っていた。-
3.今作品は”MV”ではないので、楽曲がフルで様々なライブシーンをバックに何度も流れたのは、「ワンダーウォール」だけであったが、
「サム・マイト・セイ」
「ドント・ルック・バック・イン・ワンダー」
「シャンペン・スーパーノヴァ」
などが流れると、全てを作曲したノエルの天才振りと、その曲を昇華させたリアムのヴォーカリストとしての凄さを、思い出させてくれる作品でもある。
<それにしても、自分の息子たちを勝手に幼き頃に捨てておきながら、スターになった途端に、”チケットをくれ”と言って来る父、ゴシップ記者を連れてくる父の姿には、呆れ果てるよな・・。>
■蛇足
・リアム・ギャラガーが復活する過程を追った、2020年に公開された「AS IT WAS」は沁みたなあ・・。