サーミの血

劇場公開日:

サーミの血

解説

北欧の少数民族サーミ人の少女が、差別や困難に立ち向かいながら生きる姿を描いたドラマ。1930年代、スウェーデン北部の山間部に居住する少数民族サーミ族は、支配勢力のスウェーデン人によって劣等民族として差別を受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通うエレ・マリャは、成績も良く進学を望んだが、教師からは「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げられてしまう。ある時、スウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで、エレは都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。スウェーデン人から奇異の目で見られ、トナカイを飼育しテントで暮らす生活から抜け出したいと思っていたエレは、ニクラスを頼って街に出る。監督のアマンダ・シェーネルはサーミ人の血を引いており、自身のルーツをテーマにした短編映画を手がけた後、同じテーマを扱った本作で長編映画デビューを果たした。主演はノルウェーでトナカイを飼い暮らしているサーミ人のレーネ=セシリア・スパルロク。2016年・第29回東京国際映画祭で審査員特別賞および最優秀女優賞を受賞した。

2016年製作/108分/G/スウェーデン・デンマーク・ノルウェー合作
原題または英題:Sameblod
配給:アップリンク
劇場公開日:2017年9月16日

スタッフ・キャスト

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(C)2016 NORDISK FILM PRODUCTION

映画レビュー

4.0自由を求めるヒロインのたくましさに魅せられる

2017年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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牛津厚信

4.0人種差別

2022年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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共感した! 5件)
kossy

5.0どう向き合うか?

2021年12月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

知的

人権先進国というイメージのスウェーデンでもこのような歴史を持っている。人間はやはり間違いをおかすものなのだろう。 あたかも生物標本のように扱われる場面など、見るのが辛い映画だ。この事実に言い訳をするのか、知らなかったと言うのか、開き直るか、無かったことにするか、過去のことと矮小化するか、その対応に人類の進歩がかかっている気がする。 このような映画を作れるスウェーデンは尊敬出来る。アイヌを描いたこのような映画が日本で作られたのを見たことがない。 自分自身を見直すことが求められる。

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imagine peace

4.0【”民族間に優劣などない!”サーミ人の娘エレ・マリャが、スェーデンの女教師、クリスティーナの名前を終生名乗っていた哀しき理由・・。】

2021年8月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

悲しい

知的

難しい

ー 今作を観て、日本人であれば、即座に倭人と、アイヌ民族との哀しき関係性を想起するであろう。人によっては、沖縄の人と、ウチナンチュウとの関係性を想起するかもしれない。   歴史的に観れば、第二次世界大戦前に、ゲルマン民族至上主義に走った男に追従した国民と、犠牲になったユダヤ民族や、近年で言えばウィグル自治区に居住させられているウィグル民族と、漢民族との関係性や、ミャンマー政府から虐げられているロヒンンギャの人々との関係性も想起させられる作品である。ー ◆感想<Caution! 内容に触れています。>  ・冒頭、クリスティーナを名乗っているサーミ人の年老いたエレ・マリャの沈痛な姿が映し出させる。  ・その後、物語は1930年代(当時の資料より)のサーミ人の若きエレ・マリャと妹ニェンナが、スェーデン人と思われる若者達から、”臭い”などと言われるシーンに移る。  このシーンだけで、当時、ラップランド地方でトナカイを買い暮らしていたサーミ人の立ち位置が分かる。  この後、度々映される、サーミ人の自然の精霊に対して、畏敬の念を払うヨイクの音色がとても、魅力的なのに・・。  ・更に、スェーデン人の女教師クリスティーナから”サーミ語は禁止。スェーデン語で話しなさい・・”と学校で、サーミ人の子供達が言われるシーンや、エレ・マリャ達が”身体検査”と称した骨格検査や、裸体での写真撮影を強要されるシーンも映し出される。  ー スェーデン人達にとってはごく普通の”生体調査”だが、若きサーミ人達にとっては、屈辱でしかないであろう・・。ー  ・エレ・マリャはスェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで、スェーデン人のニクラスと出会い、恋に落ちる。  だが・・。 <そして、頭脳明晰なエレ・マリャは、哀しき決断をする。  ”サーミ人として生きていては、この国では真面に扱われない・・。”  最後半、クリスティーナを名乗っている年老いたエレ・マリャは、故郷に戻り、棺の中で永遠に眠る妹ニェンナに頬を寄せ、涙を流すのである。  民族に優劣などない。  何時になったら、民族間抗争、もしくは一方的な弾圧は無くなるのであろうか・・。> <2017年10月  京都シネマにて鑑賞> <2021年8月3日 別媒体にて再鑑賞>

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NOBU