「「のろろ」の頭と共に観客にあらゆる可能性を投げつけてくる」羊の木 ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
「のろろ」の頭と共に観客にあらゆる可能性を投げつけてくる
最近の邦画で言うと『怒り』に近いのかもしれん。「信じること」についての物語。元殺人犯6人と住人達の交流は可笑しいながらも徐々に不穏さが増していくもののそれらが一点に帰結しないのはやや肩すかしか。とはいえ"Leap of faith"をまさに画的に見せるクライマックスで全て許した
クライマックスに「映画的」としか言いようがないパワフルな画を見せるのが吉田大八監督作品。『桐島』のゾンビ。『紙の月』の窓ガラス破壊からの脱走。『美しい星』の宇宙船。『羊の木』の「のろろ」。その中でも特に『羊の木』は頭がおかしいのかと思った(褒めてます)
吉田大八監督作品のもう一つの特徴として観客にあらゆる可能性を提示して終わるところがあるかな。『羊の木』は希望も警鐘も全部ひっくるめてこちらに投げつけてくる。正直観終わった直後は何についての話なのか掴み切れんかった
コメントする