君の膵臓をたべたい(2017)のレビュー・感想・評価
全845件中、421~440件目を表示
死について考える。
学生時代の若い主人公2人が初々しくて、一生懸命で、自然に見られた。
若い2人が、真剣に死について考えながらスクリーンの中で生きているときに、観ている自分も考えながら観ていた。死はあるとき突然訪れるものだけれど、彼女のように、喜びを沢山感じられるような生き方がしたいと思った。
ただ、タイトルに頼りすぎなところがあり、もう少し別の言葉があった方が気持ちが伝わるのではないかなと思った。それから、学生時代で共病文庫を読んでいるので、大人バージョンがそこまで必要ないように感じた。
誰もが
2005年の春、わたしも絶対安静宣告を受けた。
たった1本の電話で、いつ心臓が止まってもおかしくないと告げられた。
膵臓が腐っているヒロインのように。
いつ死んでもおかしくないと告げられた。
10年経っても生きていられるのは、また別のお話。
ただし、ひとは余命いくばくもないと告げられたほうが清らかな心になるようだ。すくなくともヒロインと私はそうだった。
神様は、ひとの余命を数字で書いてくれていればいいのに。
そうしたら、ひとは残りの時間をたいせつに生きるのではないだろうか。
不謹慎とは思わない。
死が間近に迫っているという実感を当時も得られないままだったのにもかかわらず、すこし気が楽になっていた。たぶん。
高い自殺率。死亡理由のトップが「自殺」の国・日本。
生きていたくない国なんだろう、たぶん、日本が。
希望のない・幸福でない・生きていたくない場所。それが、日本。
死ぬのがこわいと思うのは、死後どうなるのかわからないからだ。
それだけだ。
映画は、「誰もがこういう運命になりえる」と思うし、また、こういった物語は過去から未来まで同じように続く。
でも、誰もが「まさか」とも思っているにすぎない。
けれど、わたしは、もう期待していない。明日が来ることにも生きることにも。運命にも。
うなだれているのではなく、冷静に客観的に分析して、結論付けただけのことだけれど。
「世界の中心で愛を叫ぶ」「君の名は。」を思い出した。
ネタバレうんぬんではなく、物語の性質として。
たくさんのことを考えていると、膨大な量の情報処理をしているような気分になる。多角的に多面的に。
内容? 自分のことについて。深く考えている。それだけ。
でも、忙しいほうがいいんだと思う。わたし個人としては。忙しくしていれば、そのことに集中できる。そして、達成感を得られる。ささいな喜びだ。
これは、恋愛とは切り離したコメントだ。ここから恋愛のことを読み取ろうとしても徒労に終わる。
映画を恋愛としてとらえるかどうか、それは映画をみたあなただけの楽しみとして残しておこう。
2017.09.01記
改めて思い知らされる1日の価値
原作未読ですが、予告を何度も見ていたので、桜良が死ぬことは予想してました。それだけに、桜良の屈託のない笑顔と前向きな生き方に触れれば触れるほど、背後に忍び寄る死を感じ、切なくなりました。「この子の時間をこのまま止めてあげたい」と何度も思いました。それなのに、予想外の突然の死。裏切られました。悲しすぎます。でも、そうなんですよね。人生にシナリオなんてないんです。余命宣告は余命保証ではないのです。「1日の価値はみんな同じ」という言葉の意味を思い知らされました。
命を大切にするって、今を大切に生きること。そんなのこれまで何度も聞いたことがあります。でも、この作品からは、今を大切に生きるって、どういうことかを教えられた気がします。それは、誰かと心通わせること、不安や恐怖や迷いと向き合って、一つ一つ自分で決断していくこと。今からでも、そんな生き方を心がけようと素直に思えました。
そんなふうに思えたのは、僕と桜良の間に恋愛感情が芽生えつつあったとは思いますが、最後まで恋人同士にならなかったおかげかもしれません。安っぽい恋愛感情からではなく、互いに敬意をもって大切な人として見ていたからこそ、生きることの重みが強く伝わってきたのだと思います。
残念ながら桜良は死んでしまいますが、「桜は散ったふりして咲き続けている」の言葉どおり、12年後の僕と恭子へのサプライズ。膵臓を食べませんでしたが、僕と恭子の中に桜良はずっと生き続けていくのでしょう。それは、この作品に出会ったすべての人の心の中にも言えることかもしれません。
それにしても主演の2人の演技は本当にすばらしかったです。とくに浜辺美波さんの透明感のある演技と声は、本作になくてはならないものでした。北村匠海くんも、人に対して少しずつ心を開く僕を熱演していたと思います。ついでに言うと、ガム君もいい味出してました。ストーリーもテンポもキャストも音楽も、すべてがうまくかみ合った、おすすめの1本です。
難病映画あるある
確実に一年後に自分が死ぬのをしっている登場人物が
今までのしがらみのある肉親や親友やソウルメイトとの魂の交流を深めずに
新たな人間関係を作って深めていこうとするのが
僕にはまったく理解できない
自分が死んで心から悲しむ人できるだけ少ない方がいいじゃない
なんで悲しむ男の子を1人増やすの??
自分が生きてきたって爪痕残したいの??
それならボランティア活動とかいっぱい選択肢あるよね??
観てる人を感動させたいがための
ペラッペラのつくもののおはなしじゃないの(実話だったらマジイヤだわ)
星マイナスがあったら喜んでマイナス100くらいつけちゃうクズ映画
あー
あと主演女優の演技もクソ
たぶん女優さんのせいではなく
観てると監督さんからの演技指導があったぽい気がするが(死を面しても明るくふるまってねー的な)
浅すぎるよーー
主演の女性が可愛い。
岩井俊二脚本原作のアニメ映画とどちらの映画を観ようかと迷って、こちらを観ることにした。前半、設定にわざとらしさやアプローチに無理があるなと感じる部分がいくつかあり、感情的に入り込むことが出来なかった。話の内容的には若い人向け。回顧場面での主人公の男性役には、もっと外見的にもっとイケてない役者さんが良いかも。岩井俊二監督のとある映画と設定段階が似てる。岩井俊二監督作品が好きな方には残念に思えるに違いない。けど、泣ける。主演の女性が終始輝き、可愛かった。だからこそ、悲しく儚い。見終わった後にあの時の笑顔が心に残る。上映を終えた後、周囲では原作との違いや比較を語ってる人がいた。そういう楽しみを持って、観るのも楽しいかなと思う。
これは浜辺美波
いい話だし、小栗旬も演技うまいの。でもこの映画は浜辺美波だわ。他の女優さんがやったら作品の完成度が半分くらいになると思うもん。
現在と12年前を行ったり来たりするところの入れ替わりが工夫されてんの。「なるほどなあ」と思う。
浜辺美波は途中で死ぬのは解って観てんだけど、あの死に方はどうかなあ。
その後で、おめかしする服を選んだり、図書館で手紙を書いたりするシーンが出てくんだけど、「ここで、それをしなかったら、あの死に方はしないのに」と思って入り込めないね。
原作だと色々含みがあんのかもだけど、映画の内容だけだと、素直に進んだほうが良かったかな。
久しぶりに映画で泣いた
原作(まだ読んでないけど)のストーリー良さはもちろんだろうけど、何よりこの映画に厚みを出したのは浜辺美波の演技だと思う。
天真爛漫な性格の裏に病気への恐怖を隠し抱える微妙な演技を、細かな表情から演じきれていた。
そしてかわいすぎる!笑(顔も声も)
惚れてまうやろのツボを押さえてるねw
読書が好きということもあり、その言葉選びにも重みを感じた。
特に心に刺さったのは、「偶然や運命ではなく、みんなそれぞれの選択の結果で決まっている」や、「生きるとは、好きも嫌いも寄り添うも離れるも、誰かと心を通わせること」というシーン。
この作品を通して、「限られた命を大切に一日一日、今を全力で生きる」というテーマ。
人は誰しも死ぬし、いつ死ぬか分からない。一瞬一瞬を楽しもうと改めて思わされた。
あと、タイトルの力は素晴らしいね。考えた人。これじゃなかったらここまでヒットしなかったんじゃないかと思わせるほどハマってる。なるほどと唸らされるし、ラストは鳥肌モノだね。
こういう告白やプロポーズが増えるんじゃないかな。笑
原作にはないという大人になったパートも、映画では良いかたちでシンクロしていて、時間を行き来しながら主人公たちの感情の動きを味わうことができた。
久しぶりに映画館で泣かされた映画だった。おすすめ!
涙がとまりませんでした。
元々は私が大好きで子役の頃から注目してた若手女優、浜辺美波さんがヒロイン役として出る映画として注目していました。そして原作を読みました。最初にタイトルを見たときは
意味がよく分かりませんでしたが、そのタイトルの意味は物語の序盤で明らかになります。浜辺さん演じる咲良(さくら)は末期の膵臓ガンで余命1年と宣告され、そんな時に偶然主人公にそのことを知られることになります。なんでも病気のことを知っているのは家族以外では主人公だけなんだとか。
それからというもの、咲良は主人公と一緒にいるようになります。最初は嫌がっていた主人公も徐々に心を開き、そして死が近いにも関わらず笑顔で居続ける彼女に興味、尊敬、そして知らぬ間に恋心さえ抱き始めます。そんなとき、彼女はふと言います。「昔の人は悪いところがあったら動物のその部分を食べて治していたの。だから私は君の膵臓が食べたい。」こういう意味だったのかと。なるほどと思いましたが、実はこの題名にはもう一つ意味が込められていました。
「死んだ人の一部を食べると魂がその人の中で生き続ける。」それを聞いた主人公は後に彼女の膵臓をいっそ食べてしまいたいと思う場面もあります。こうして残り少ない咲良の生活を共に過ごしていく主人公。2週間の検査入院もあり、いよいよ死が近づいているのかと恐怖を隠しきれない咲良に主人公も想いを寄せるのです。退院したら、2人で桜を見に行こう。そう約束をしました。そして咲良は無事退院。主人公は以前彼女がしてくれた様に、今度は自ら旅行の計画を立てます。幸せな瞬間が訪れるはずだったその時、悲劇は起こりました。最近巷で出没情報が出ていた通り魔に刺され、咲良は死にます。突然過ぎる別れに涙も出なかった主人公。その1ヶ月後に主人公は生前咲良が書き続けていた共病文庫を読みます。そこには初めて彼女と話した日から事件にあうその日の朝までの彼女の想いが書かれていました。そこが1番泣きました。涙がもうとまりませんでした。主人公を演じる北村匠海くんの演技も素晴らしかった。いまいる大切な人はいつまで一緒にいられるか分からない。この瞬間がずっと続く訳ではない。例え余命を宣告されたってそれよりもっと前に死ぬかもしれない。その人ではない人が死ぬかもしれない。何があるか分からないからこそ、毎日を、特別なことをしなくてもいいこの幸せな日常を大切に生きなければならない。そのような想いにさせてくれる映画でした。原作の内容を変な風に省かずに見事に映像化もされたおり、好きな女優、そして大好きなミスチルの主題歌と個人的には本当に見てよかった映画だした。間違いなく今までで5指には入る作品でした。
全845件中、421~440件目を表示