「鑑賞後 生活が変わった」君の膵臓をたべたい(2017) sinさんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞後 生活が変わった
今の生活や人生に迷っているすべての人が何かを感じられる映画じゃないかなと思う
余命一年の女の子桜良と人との交流を断ちすべてを自己完結している「僕」との心の交流を描いた作品
偶然(本当は必然)出会った二人の共通項は〝自分と闘っている”こと
常に前向きに明るく振る舞う桜良だが ふとした瞬間に見えてしまう素の表情と「誰でも一日の価値は同じ」「人との出会いは偶然でも運命でもなく自らがしてきた選択の結果であり自らの意志」「生きるっていうのは誰かと心を通わせること」などの言葉から どれだけ生きたいと思っているか どれだけ死の恐怖や孤独と闘っているか どれだけ真剣に〝生”と向き合っているかが分かる
そんな桜良と関わる事で 人に心を閉ざしていた「僕」が少しずつ心を開いてゆく
他人に興味を持たなかった「僕」が 桜良のために一生懸命旅行の計画を立てたり 「桜良のように 人を認められる人間に 人から認められる人間に 人を愛せる人間に 人から愛される人間に成りたい」と思うようになるほどに変わっていく
しかし 桜良のおそらく最後の希望であり願いであった二人で桜を見に行くという約束は 桜良の突然の死によって果たされない
そうなんだよな 本当は明日の事なんて誰にも分からないんだよな
生きていれば ニュースを見ていれば 新聞の社会面を見ていれば
ネットを見ていれば いつ自分が死ぬか 大切な人が亡くなってしまうかなんて分からないってことくらい理解している・・・
それでも本当はしなければいけないが面倒臭い事を「明日やればいいや」って思ってしまったり 大切な人を傷つけてしまったり 喧嘩しても「今度謝ろう」とか日々を怠慢に過ごしてしまっている
この映画は泣けるとか泣けないとか 感動する感動しないってところに見方の重点が置かれているって思われがちだけど 個人的にはもっと深い大切な事を教えてくれる作品になっている
〝今”という瞬間 〝今日”というかけがえのない時間をもっと大切に もっと真剣に生きること
大切な人と過ごす時 人と関わる時 絶対に後悔しない様 全力で接すること・・・そんな事を教えてもらった
映画の中 桜良が「一日でも長く生きよう」と思う
〝今”という時 〝今日”という一日は 桜良や現実に亡くなった人達が 生きたくて生きたくて死ぬほど生きたいと思った時間だから
生きている自分が無駄に過ごしてはいけないと心から改めて思わされた
この映画を観てから 10日が経つけど それまで毎日行くと決めたのに時々しか行かなかったスポーツジム 毎日やると決めたのに「今日は疲れてるから明日 今日の分もやればいいや」とか真剣に向き合わなかったTOEICの試験勉強などなど 映画を観てからはその日から毎日真剣にやってます そして人間関係・・・「今しか会えないかもしれない」って常に考え 前より真剣に向き合うようになりました まだ10日だけど続けています キツイ時も多いけど やり遂げた時 気分がいいから 充実してるなって自分で思えるから 続けていく
桜良みたいにキラキラ輝いていつまでもどんな時でも前向きに生きたいから
桜良は「僕」に 「僕」は桜良になりたいって思っていた お互いが同じ思いを抱いていた 心がこれでもかってくらい通じ合っていた事が分かるラスト・・・切ない
切ないけど それだけじゃない どこか希望を抱くことができる 前向きになることができる そんな映画でした 少なくとも自分にとっては
すばらしい。これほどの想いを受け止められてもらってこの映画に携わってた人たちも感激してると思います。(ここではおれの感想は省略いたしますが・・・)
おれも自分が感じたことに正直にしっかりと生きていこうと思います。