人生フルーツのレビュー・感想・評価
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ドキュメンタリー映画の再発見
2回/日の鑑賞は避けている。なにせ頭が悪いから先に観た内容をトコロテンみたいに脳内から押し出してしまうから。
しかし、『アンチポルノ』のリベンジじゃないけど、何か上書きしないと、逆に精神的に疲労感が重くのし掛ってしまうと感じ、直ぐにラジオでサンキュータツオかPKが喋っていた今作品を思い出す。新宿から東中野は直ぐだ。人気で連日満席だということだが、寒い雨の日はその辺りクリア。
さて、作品だが、題名が少々勿体ない、ちょっと寂しいと感じる位、内容は素晴らしかった。これをドキュメンタリーで上映するというところもピッタリなモチーフである。樹木希林のナレーションもガッチリ嵌る。『風が吹けば枯葉が~云々』の朗読も所々にポイントで登場するのも場面展開としてのきっかけとして良い。
そして何より、登場人物の高潔さに唯々感心する以外にない。芸が細かく、そして寡黙、そして、芯を捉える朴訥とした語り、その全てが正に、悪い表現で申し訳ないが、絶滅危惧種的な世界なのだ。
フィクションという物語のプロットやモチーフ等にそんなイメージを織込むことは枚挙に暇がないが、正にこれはノンフィクションでドキュメンタリーなのである。
そして、これをテレビではなく、映画として表現場所を求める最大の山場をきちんと用意されている周到さにこれまた驚く。勿論自然の摂理なのだが、これはフィクションではなく、ノンフィクションなのだということに涙を禁じ得ない。
鼻を啜る音が館内にこだまする今作品、多分ドキュメンタリー部門で、どこかの映画祭で賞をあげて欲しい、そんな強い感動を得られた作品を撮った、東海テレビに称賛である。
人生、フルーツ。
つばたさん夫妻の暮らしと人生を追ったドキュメンタリー作品。
なるべく、自分で。をモットーに
野菜や果実を作り、スープもソースもお菓子も自分で作る。
お二人のおうちの庭で採れたさくらんぼや栗のなんときれいなことだろう。宝石みたいだった。
信用できる人からものを買い、コンビニは、行かない。
障子も自分で張り替える。
孫のドールハウスも自分で手作り。
おうちも二人の暮らしが形になってる素敵なお住まいだった。
修一さんの書く看板やお手紙、添えられたイラストのなんて優しくて素敵なこと。
英子さんの作るお料理やお菓子のなんて優しくて美味しそうなこと。
修一さんに寄り添い「夫に良いものを食べさせ、身なりを良くする。それが巡り巡って自分に帰ってくる」と言った英子さん。
英子さんのことを「彼女は最高のガールフレンド」と言った修一さん。
お二人のように相手の一部になって寄り添って生きられたら素敵だ。
便利に暮らす/生きることと豊かに暮らす/生きることとは決してイコールではない。そう感じさせたすごく優しい作品だった。途中から涙が止まらなくなった。
物体として目に見えなくても美しいものはこの世界に確実にあって、私はこの作品をそれを見ることができて泣いたんだと思う。
''家は暮らしを豊かにする宝石箱でなくてはならない。''
心に残る言葉もたくさんあった。
樹木希林さんのナレーションがまた優しくて作品に寄り添っていてすごく良かった。
''風が吹けば枯れ葉が落ちる
枯れ葉が落ちれば土が肥える
土が肥えれば果実が実る
こつこつ、ゆっくりと。''
暮らしの宝箱
暮らしを自分たちの手で作っていく。
物を選んで長く使う。
土を作る。
野菜、果実を作る。
着るものを作る。
楽しんで作る。
素敵だなぁ、いいなー✨
と思いながら鑑賞していました。
憧れに終わらず、作りたい!
と思っていることを、実行しようと思いました!
人として、どう生きるのか
どんどん手触りのあるものが減り、便利でキラキラしたものを良しとするながれの中で、やっぱり手触りのある生活っていいなぁと素直に感じられる作品。
そういうものと切り離しては人は人として生きていけないんだなぁと。それを楽しみながら人生をかけ、体現したからこそ、この作品は暖かく、まっすぐに届くのだと感じました。
ゆっくり、ゆっくりと丁寧に生き抜く…
ある建築家の10年くらいの余生…のドキュメンタリーです。
余生というには、スマホが当たり前になった僕にはあまりにも衝撃的過ぎて。
高円寺ニュータウンのプロトデザインを考え、そこに暮らし、人が生きるということを、信念を持って全うした建築家のドキュメンタリーですが…本当に暖かく、優しく、ゆっくりで、生きるという事を考えさせられる映画でした。
最初の光景から印象的でしたが…最後の仕事に対する姿勢や意識…結局人は死ぬということを前提に何ができるのか…ということをかんがえました。
ゆっくり、でも一歩ずつ、そして、丁寧に自分で考えてやってみる…当たり前だけど当たり前じゃない今だから、ゆっくり突き刺さる映画でした。
すごくよかった
DIY精神が素晴らしく発揮されていて、憧れてしまう。しかし旦那さんは東大卒の設計士であり、優秀すぎる人物で、彼がなんなくこなしているように見えても真似できるものではない。それでもベーコンはオレも作ってみたい。
「女はいつでも笑っていろ」と育てられた奥さん、現在では男女差別になるかもしれないが、そういった心がけはとても大切だと思う。やるやらないではなく、そういった物差しが一つあるだけで、何もないのとは全く違ってくるはずだ。
この映画を見た後に、96歳の祖母が入所している養護施設に行ったら、同じ老人とは思えないほど全く違っていて、現実に引き戻された。映画の人たちには痴呆がなく、まさにぴんぴんころりで、理想の結末だ。
お金と幸せ
「人生フルーツ」
90歳の建築家、修一さんと87歳の妻、英子さんのドキュメンタリー。英子さんは200年も続く造り酒屋のお嬢様。端々に発する英子さんの言葉から昔叩き込まれた教育、育ちの良さを滲み出す。「あの人(夫)は歳をとってから良い顔になってきたのよ」確かに若い時の写真とは人相が違う修一さん。
雑草したむしりした後、昼寝して、そのまま起きてこなかったて。そんな亡くなり方、最近あるんだろうか。
風がふけば、枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
映画の中で何度か繰り返される樹木希林ナレーションのこの言葉。
お金と幸せ ★★★
理想の夫婦 ★★★
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