メッセージ : 特集
レベルが違う! 絶対に見逃してはいけない必見作!!
これほどまでに絶賛される「メッセージ」の衝撃と感動の正体とは?
映画.com編集長自らが名乗りを上げ、魅力を語りつくす徹底総力特集

「ブレードランナー 2049」の公開も控えるドゥニ・ビルヌーブ監督が、エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカーら実力派キャスト共演で描く異色の感動SF超大作「メッセージ」が、5月19日に公開される。壮大な驚きと感動が押し寄せるラストを解説した、編集長レビュー(ネタバレ含む)もあり。レベルが違う傑作の見どころとは?
[レベルが違う──作品のダイナミズム]
SF史に残る傑作原作・「ブレードランナー」続編監督・オスカー級キャスト
オスカー主要8部門ノミネート“21世紀の人類が出合うべき”圧倒的クオリティ

まさに「レベルが違う」。そう言うしかない、大いなる感動を呼び起こすSF超大作が私たちの目の前に現れた。アカデミー賞では作品賞、監督賞を含む主要8部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞したほか、世界の名だたる映画賞を席巻。「未知との遭遇」や「コンタクト」など、その時代の人生観や世界観までをも一変する力を持つ、「まったく新しいSF感動作」だとたたえられた。原作、監督、キャストと、それぞれが高いレベルにある才能が見事なコラボレーションを果たし、圧倒的なクオリティを持つ傑作が生み出された。映画ファンなら、絶対に見ておくべき作品だ。

原作は、SF小説の各賞を総なめにした、アメリカの作家テッド・チャンによる短編小説「あなたの人生の物語」。優れたSF作品に贈られる権威あるネビュラ賞を獲得したほか、SFマガジン(早川書房刊)が発表した「オールタイム・ベストSF」の海外短編部門の第1位に輝く快挙を果たした一作だ。SFであり、サスペンスであり、そして人間の内面を見つめる多層的な物語が、天才ビルヌーブ監督の創作意欲を大いに刺激した。

メガホンをとった人物は、今ハリウッドと世界中の映画ファンが期待を寄せる映画監督のひとり、ドゥニ・ビルヌーブ。「プリズナーズ」「ボーダーライン」で、観客を高まる緊迫感とともに物語へとグイグイ引き込んでいった手腕が高く評価され、SF映画の金字塔「ブレードランナー」待望の続編である「ブレードランナー 2049」の監督へ大抜てきを受けたほどだ。単なる娯楽作ではなく、濃密な人間ドラマまで描き切る天才だからこそ、本作が実現した。

出演陣にも、屈指の実力者たちがそろっている。突然飛来した“彼ら”が人類に伝えようとする“メッセージ”を懸命に解読しようとする言語学者を、アカデミー賞5回のノミネートを誇るエイミー・アダムスが熱演。ヒロインとともに任務にあたる物理学者を「アベンジャーズ」シリーズのジェレミー・レナー、作戦の指揮をとる軍人を「ラストキング・オブ・スコットランド」のオスカー俳優、フォレスト・ウィテカーが演じている。


[レベルが違う──人間の本質に迫るヒューマニズム]
まさに今、あなた自身に問う──未知なる存在との出会いにどう対じするのか
傑作を見てきた映画ファンの経験値をはるかに超える“感動”と“驚きの結末”

本作は、SF映画としての姿かたちをとりながらも、未知なる存在を前にしたときに人間はどう振る舞い、そしてどのような境地に至るのか?という、人間の本質を描き出すヒューマン・ドラマにも満ちている。突然訪れた危機から地球を救う物語と思いきや、事態に当たる女性言語学者ルイーズのパーソナルな物語へのつながりを見せていくのだ。愛する娘を失った深い悲しみに包まれた彼女が、地球に飛来した“彼ら”と接点を持つうちに、自分の内面と向き合わざるを得なくなる。人はなぜ人を愛し、そしてなぜ運命を知っても、愛する者への思いを貫こうとするのか。数多くの傑作SFや傑作ヒューマン・ドラマを見てきた映画ファンもきっと多いだろうが、そんな経験をはるかに飛び越える驚きの結末と感動が、本作には込められている。

突如、地球上の12カ所に謎の巨大な球体型飛行物体が現れる。あらゆる通信に対して、それらの反応は皆無。いったい何のために、どこからやってきたのか。全世界はパニックに襲われ、非常事態宣言が発令される。これは人類が迎える終末のはじまりなのか? 未知なるものを前にしたとき、人類は恐怖に包まれてしまうことが描かれる。

最愛の娘を失い、悲しみに包まれていた言語学者ルイーズが、“彼ら”が発信する“メッセージ”の解読のために軍に招集される。18時間おきに112分間だけ入り口が開く飛行物体の内部に入り、透明の壁越しに現れる異性物“ヘプタポッド”が印す謎の文字の分析に当たる。ルイーズたちは、徐々に彼らの目的を理解していくが……。

理解が深まっていくと同時に、「武器」「時間がない」など、断片的にしか明らかにならない言葉への疑念も高まっていく。世界各国で研究結果が共有されないまま、参加国同士での疑心暗鬼も高まり、各国間での通信も途絶。飛行物体への攻撃命令が発令され、地球は敵意に満ちた全面戦争への危機に陥っていく。

高まる緊張。人類はこのまま最悪の選択へと突入していくのか? ルイーズは言葉の真意を探るため、別の可能性を見つけるために、再度飛行物体への侵入を試みる。そこで彼女は何を体験するのか? 彼らは人類に何を伝えようとしているのか?
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
[レベルが違う──様々な解釈を生むサプライズ]
《鑑賞済みユーザー限定》すべての映画ファンと語り合いたい
「一生この監督についていく」と断言した編集長が【謎】と【感動】を徹底解説

「本編をすでに見た者」限定記事として、映画.com・駒井尚文編集長が、作品理解のポイントを徹底解説。映画の内容を知りたくない人は、取り扱い注意。ネタバレありのレビュー&解説で、疑問に思っていた部分を確認するもよし、自分の解釈と比較するもよし。改めて本作で描かれた、高度で濃密な“メッセージ”を深く理解してほしい!

まがう事なき傑作を前に、揺さぶられる知的好奇心と感情の根源──
今映画ファンからあふれ出る、本編鑑賞後の感銘の声

見る者を圧倒する傑作を前に、映画ファンたちはいかに心を揺さぶられたのか? 上映終了後には、自らの解釈が正しいのかどうか、周囲の人たちと意見を交換し合う参加者たちの姿も見られた独占試写会のアンケートから、深い感銘に満ちたコメントの数々をピックアップした。
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