劇場公開日 2017年5月19日

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「つくりはいい」メッセージ arlecchinoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0つくりはいい

2023年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

シーンとシーンを脳内補完しないとストーリーがなかなか理解できません。高度な頭脳を必要とされますね。私にはちょっと難しかった。

映画を見た後に原作「あなたの人生の物語」も読みました。こちらも同様に脳内補完が必要とされる小説ですが、小説のよいところは補完(想像)する時間が自由に与えられていることですね。題名からして誰が誰に向かって語っている構造なのかもわかるし。映画だとリアルタイムで補完しないといけないので頭の回転の遅い私には間に合いませんでした。もちろん何度も観れば理解が進むのでしょうが何度も観るほど面白くもないなあ....
「(悲しい)未来を受け入れる」選択という美しい決意の話ではあるんですが....
受け入れないと未来が変わっちゃうからしょうがない(受け入れない選択はない)んですよね...これは言ってはいけないお約束なんですね。原作はこの辺がちょっとほっこりした、にやりとさせられるような軽い中篇小説なわけですが、SF大作としてあまり大上段に描いちゃうと矛盾が際立っちゃいますよね。

映画自体には冒頭から作品に引き込まれました。「映画作り」の腕は確かな監督ですね。あの文字言語?をよくあのようにビジュアライズしたな、ということには敬意を表します。それら含めて映画的には完成度が高い。職人肌って感じ。でもSF映画に必要なセンス・オブ・ワンダーが若干不足してるかな。
映画全般に求められるセンス・オブ・ユーモアは皆無でしたね。残念。
原作にはユーモアも結構あったのに。

arlecchino