「ミステリー小説のような緻密に練られたSFシナリオ」メッセージ ふつぐさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリー小説のような緻密に練られたSFシナリオ
物語の冒頭から中後半までのミスリードにまんまとやられました(笑)
突如地球に現れた宇宙人たちの目的を探るため、言語の通じない宇宙人たちとコミュニケーションを取るよう試行錯誤する主人公の言語学者と数学者の話です。
この試行錯誤の部分や、宇宙人、宇宙船の設定がSF映画好きには刺さります。
邦題にもなっており、作中重要になる「宇宙人から人類へのメッセージ」は固定概念や常識を覆し、後半それが明らかになると一気に物語が収束していきます。
その感覚はアガサクリスティーの事件簿を読んでいるかのようなサスペンスであり、ミステリー小説の持つ面白さがありました。
思い返してみれば、宇宙人のメッセージに関わる重要な伏線はいくつかありましたが、緻密に練られたミスリードと演出にまんまとハマり、それらをもう一度確認したくなるという意味では、もう一度見たくなるような映画です。
ただしオチが重要な映画であるため、ネタバレ無しの初見の視聴が一番楽しめるのは間違いありません。
ここ数年の映画のトレンドとなっているSF映画の多くは「特定の空間内で、個人が過去と向き合いつつ独自の宇宙演出とSF設定で魅了する」ものですが、
そんなトレンドを取り入れつつミスリードに利用し、SFアクションとは一線を画するSFミステリー映画として巧みに練られたシナリオは必見です。
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