「ミステリーには厳しい。」ガール・オン・ザ・トレイン mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーには厳しい。
極上のミステリーを、と思って意気込んで臨んだのだが、肩透かしをくってしまった。
これは明らかに文学の領域である。薄紙を剥がしていくように、レイチェル(エミリー・ブラント)の記憶が戻っていくのと同時に、見ている我々も真相にたどりつく。
ただ、僕の持論として、ミステリーの主人公は探偵役にしろ、加害者にしろ、聡明であってほしい。
今回の主人公はそこがまったくダメで、思いついたらすぐ行動に起こし、物事をややこしくする。また、アルコール中毒という設定を宣伝は巧みに隠していたのも、ミステリーとしての強度を弱めるしかないという判断だったのだろう。
犯人にたどり着いたとき、ここの警察はぼんくらなんやとはっきりした。
テイト・テイラー監督はミステリーにむいていないのか、今回の脚本がダメだったのかまだなんともいえないが、演出は頑張っていた。
レベッカ・ファーガソンは、「ミッション・インポッシブル」のときとは別人のようだ。
ヘイリー・ベネットがいちばん好みだったりする。
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