「導入部のリズムは悪いが、いつの間にか話に引き込まれる」ガール・オン・ザ・トレイン 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
導入部のリズムは悪いが、いつの間にか話に引き込まれる
ネタバレあり。
ポーラ・ホーキンズのヒット小説『ガール・オン・ザ・トレイン』の映画化作品。
初めは、パッと見レイチェルが怪しい様には見えませんが、徐々に彼女の“異常さ”が明らかになっていきます。“本当だったら”、ありゃストーカーだよねぇ。日本でもストーカーによる犯罪被害者が沢山いますが、ストーカー大国の(失礼)アメリカでは、それ以上なのではないかと。実際に子供を連れ去られかけてもいますが、それでもトムが、なぜ警察に届けていなかったのか・・・?
ほかも謎の登場人物ばっかりなんですよねぇ。レイチェルが乗る列車で、いつもレイチェルを見ているスーツの男とか、結構激しめの正確に思える被害者の夫とか、被害者と親密に見えるセラピストとか・・・。
物語後半になって、レイチェルの記憶が少しづつ戻ってくるのと合わせて、とあるキッカケでレイチェルの“酒乱”の行状が明らかになるとともに、事件の真相も明らかに。いやぁ、なるほどね、そう来ましたか。一番怪しそうに見えない人物が犯人という、推理小説の王道のプロット。見事です。
物語の導入は、あたかもドキュメンタリーで有るかのように、物語の重要な登場人物になる、レイチェル、アナ、メガンの女性3人のモノローグ的シーンが続きます。「リズム悪いなぁ」と思っている内に、物語が進行していって、いつの間にか話に引き込まれましたが、最初から話に引き込んでほしかったな。
でも、ミステリーとしては一流だと思います。良かったです。ただ、タイトルが・・・。今回の邦題は原題風にはなっていますが、定冠詞が有ると無いとでは大違い。邦題だと、誰のことか判らない、「特定の電車に乗った不特定の女性」ということになると思うんですけどね。原題で「特定の電車に乗った特定の女性」と言う事で、まさにレイチェルの事になるんですがね。そこにちょっと違和感を感じました。