沈黙 サイレンスのレビュー・感想・評価
全326件中、41~60件目を表示
深い沈黙
沈黙
原作は読んだことがなかったのですが、海外の作品としてできるのかという不安もありましたが、
素晴らしかった。
とても海外で作られたとは思えない日本の空気感に圧倒されました。
長崎の街の様子などは日本映画と見間違うほどです。
仏教国日本にキリスト教が入り、キリシタンが増えたものの、幕府によってそれが禁止され、人々は密かに信仰を続ける。
それは本当に、キリスト教を信仰していると言えるのか。
自分自身のキリスト教の信仰は本当に正しいのか。
とても重く、辛く、難しい話でした。
アンドリュー・ガーフィールドさん、アダム・ドライバーさんはじめ、俳優陣の演技が印象的でした。
きっと日本へやって来た神父たちの恐怖はとてつもないものだったんだろうと思います。
日本の大物俳優も大勢出演しているのですが、辿々しい英語で話す姿は新鮮です。
幕府が行った迫害の数々、それによって苦しみながらもパライソへ行けることを信じ、亡くなっていった信徒、神父たちの映像からは目を背けたくなります。
タイトル通り最初から最後までとても静かな映画で、特にエンディングは自然の音と静けさが美しいです。
原作を読んでからもう一度観てみたいと強く思います。
思ったより面白かった
日本の描き方に全く違和感を覚えなかったところがまず凄い。
日本家屋、衣装、日本人訛りの英語が実に良かった。
それから海岸での磔刑シーン。ザブーンって波が打ち寄せてくるシーン、どうやって撮ったのかな。壮絶で本当に死ぬかと思った。
さて。
ストイックならそれでいいのか?それは単純と言えば単純だ。イエス・キリストが示した愛とは抽象的な理念ではなく、具体的行動であるという遠藤周作の信仰理解。
つまり、英雄的な殉教よりも、苦悩しながらなんとか正しいと思うことを探すことこそが、むしろキリスト教の精神に近いと言える。
善良な周囲の人間が拷問を受け次々に殺されていくときに何をするのが「正しい」のか、という選択を迫られたとき、フェレイラーが力強く言う。
「もしキリストがここにいたら、たしかにキリストは、彼等のために、転んだだろう」。
十字架の上で無残な姿をさらし続けるイエスから目をそむけず、その無残な姿を深く心にとどめよ、神はそういう無残な姿をさらすイエスをこそ肯定しているのだ。
ロドリゴとキチジローはどちらも救われるべきというスコセッシの人間観が見えた気がした。
神は決して沈黙していない。
ちなみに私自身は「あなたの宗教は何ですか」と聞かれたら、「私はそのような質問に対する答えをもたない形で感謝と祈りの日々を送っています」と答える。
観た
以前に観たので、感想を忘れてしまった。痛恨。いつかしっかり書きます。
映画館が「EJアニメシアター」になっているのは、観たのが、ここが「角川シネマ新宿」だった時代だからです。
弾圧されているからこそ、際立ってしまう、宗教への向かい方。
モキチなのか、キチジローなのか?
この映画は、そこに尽きると思う。
信じることに徹し、磔で命を落とすことをも厭わないモキチの生き方が、本当に唯一無二の信仰のあり方なのか。生き残るために、司祭さえも売り、踏み絵を踏むことにもなんら抵抗のないキチジローの生き方は、神を信じているとは言えない冒涜な生き方なのか。
モキチは磔で死に、キチジローは生き続け信仰を続けたであろう。もし、神がいるなら、預言者キリストが生きていたなら、モキチを讃え、キチジローを否定するだろうか。
原作を読んでから、また考えてみたい。
神のみぞ知る
日本史の授業では、
さらさらぁ〜と説明される
禁教令、キリシタン弾圧。
こんなことが本当にあったということにも
肝が冷える思いでした。
島原出身であるからこそ、地元にはキリシタン墓地や、慰霊碑、また、隠れキリシタンがいた場所が今でも残っています。
この映画を観て、当事者達へ思いを馳せるには
私はあまりにも軽率である気がしてしまいました。
心の中ではどう思ってたのか、
何も言わない、語らない、
形上、転びキリシタンであるも、
最期の最期まで、何を守ったのか。
神のみぞ知ることだと思います。
歴史を知ることの惨さもありますが、
私は知れてよかったと思いました。
結局、人は幸せになりたい生き物だから、
だから悩むし、だから何かを信じたい。
キリシタンは日本に負けたんやない、
"時代"に負けたんだと思います。
思想も宗教・信仰も自由になった今。
戦争なんかしてる暇なんてないですよ。
もっと違う方向にエネルギー使っていきたい!
話ぶっ飛びまくりましたが、
幸せについて考えさせられた映画でした!
撮影大変だったろうな本当に、、、
創ってくれて、この世に生み出してくれて
ありがとうございました!!!
驚異の作品
【”主よ 貴方は何故に黙ったままなのですか” マーティン・スコセッシ監督が28年間の想いを込めた乾坤一擲の作品】
遠藤周作の原作は読んでいる方が多い筈なので、内容には触れない。
が、今作はかなり忠実に原作の世界観を再現していたと、私は思う。
今作のキャスティング、(特に日本人俳優)は見事だったと思う。
特に下記3人が劇中印象的。
・マーティンがオーディションに来た事を知って驚いたという
塚本晋也(モキチ)
・笈田ヨシ(イチゾウ) パリ在住で舞台で活躍 出演していることに驚いた、が見事。
・窪塚洋介(キチジロー)一度、オーディションに落ちながら、再チャレンジし、役を獲得した。
他の
・浅野忠信(通辞:安定の演技)
・イッセー尾形(井上筑後守:流石の演技)
・加瀬亮(ジュアン:役にピッタリ、どんな役でも出来る人)
・小松菜奈(若手女優ではトップクラス)
は邦画界のトップ俳優クラスなので、納得。
アメリカサイドも負けじと、
・アンドリュー・ガーフィールド(セバスチャン・ロドリゴ神父)と
・アダム・ドライバー(フランシス・ガルペ神父)
の二人は命を懸けて異国に布教に来た神父としか見えないし、
・リーアム・ニーソン(クリストヴァン・フェレイラ神父)は”転んだ”宣教師を重々しく演じる。
<寒々しい風景をバックに、制作陣及び俳優陣達の熱い思いが詰まっている、実に見応えの有る作品である。>
<2017年1月12日 劇場にて鑑賞>
拒絶され理解深め合えない切なさ共感の壮絶ドラマ
アカデミー賞撮影賞ノミネート作品
キリスト教徒を隠して暮らす住民と宣教師との交流を、キリシタンの信仰が周囲に理解されない無念さ、やむを得ず改宗した人物の切なる思いが描かれ、心に突き刺さる
信仰する宗教がなくても、信じている何かを奪われる辛さ、拒絶され理解深め合えない状況の切なさ共感、色々考えさせられる
製作/監督は、『ディパーテッド』でアカデミー賞受賞したマーティン・スコセッシ
監督はカトリックの家庭で育ち、1990年の黒澤明監督作『夢』に出演、撮影していた時に日本で読んだ、遠藤周作『沈黙』の登場人物の精神面に興味を持った
脚本のジェイ・コックスと映画化を進めていたが、原作内容を理解するまで時間がかかった為に一時中断した
2009年にロケハンした日本で、オーディションを行い日本人キャストを決めた
監督の推薦で役を獲得したリーアム・ニーソンとアンドリュー・ガーフィールド
アンドリュー・ガーフィールドは霊的指導とイエズス会の精神を学んだ
アンドリュー・ガーフィールドとアダム・ドライバーは、役作りの為に栄養士管理のもと痩せた
アンドリュー・ガーフィールドは当たり前だと思っていた事が有り難く思えた、と語る
窪塚洋介は、最初のオーディションでセリフを覚えておらずガムを噛んでいた為、印象が悪かったが2年後に呼ばれた時の演技が良く役を獲得
浅野忠信は1度オーディションに落ちたが、諦めずに機会を待ち続け役を獲得
オーディション時は俳優の演技や表情を見る為、監督自ら読み合わせした
イッセー尾形は、役のイラストを描いてから掘り下げていった
台湾の750人以上の撮影チームで文化の違いを確認し合いながら行った
当初の撮影予定地は日本だったが、予算が厳しく台北周辺で行った
スタッフの国籍は世界各国
撮影では日本人俳優から様々な助言を貰った
これほど内容のないものを熱演する愚かしさ
信仰心とは?
原作の完璧性の証明
丁髷が英語
キリストの沈黙
1600年代の江戸初期、キリスト教が布教を禁じられていた頃のポルトガル宣教師のお話。小説未読。
宗教に無頓着な私としては、神のお言葉だろうが何だろうが知りません。何かにすがりたい気持ちがあるからこそ神が存在し宗教なるものがあると思いますので、寄りたい気も無いし逆も辞めて状態。
まあ、3時間弱長々と拝見しました。この作品を観ると、当時の外国人の布教には文句は言いませんが、受け入れた側の日本人の馬鹿さと言うか、浅はかと言うか。
キリスト教が都合のいいその当時の暮らしの逃口にしか感じませんでした。
また、日本にはキリスト教は根付かないと言って、「じゃあ、根付いている仏教は?」がこの映画には無い。(あるからこそ棄教した後のお話も描いたんだよね?)
仏教の事も理解し、総合的に考えれる人間は居なかったのか?(あまりこの映画には描かれていません。)と思うと、この映画の意味・理解に苦しみます。(日本側の歩み寄りも無意味。)
100歩譲って宗教の狭間で揺れ動くキリスト宣教師の話として少しはマシだったけど、最後のアレは何?
何はともあれ元の鞘に納まる?
シラケるって!すがらせて終わるな!
私としては当時日本としてのキリスト教の意味合いを期待していただけに、長々と観せられた時間と共に残念です。
全体としては、よい作品
さすがに読み返すことはしていないが「沈黙」は二回くらい読んでいる。こんなだったかな?とてつもない凄みのある小説、という印象は残っている。
えっと、主題は「神の沈黙」で、そこはなんらぶれていないと思う。おそらく原作に対するリスペクトがあるためだろう。とくに監督色があるわけでもない。
モキチがこの映画のひとつのピークかな。殉教の残酷さと美しさが一番わかりやすく出ている場面。主人公がはじめて踏み絵するシーンも力を込めているのが伝わってくる。とても印象的である。
まあ、意見はいろいろありそうだけど、キチジローはミスキャストか?声質が軽いのと、汚くなりきれないルックスはマイナス。(俳優としてダメとかじゃなく、単にミスマッチという)
全体としては、よい作品と言えるのではないでしょうか。
信仰の本質を炙り出す良作
全326件中、41~60件目を表示



















