「日本人と一神教」沈黙 サイレンス FM横須賀さんの映画レビュー(感想・評価)
日本人と一神教
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キリスト教をタテマエ上禁止するのではなく、癌を切除するかのように隠れキリシタンを排除した井上たちは「キリスト教は危険」と判断したからそうしました。
その残虐行為は、個人の信仰の自由を否定する非道な宗教弾圧に他なりません。
しかしキリスト教が他の一切の宗教を否定し、個人の信仰の自由を認めない宗教であると判断したならば、それは危険と言わざるを得ないでしょう。
私はキリスト教が危険というより、一神教というものが日本人にとって危険かもしれないと思います。
否、日本人のみならず一神教は危険かもしれませんが、ややもすると日本人は一丸となって一神教と心中したがるわけです。
日本人と宗教の関係を要所要所で男と女の関係になぞらえたこの作品は、まことに見事なものでございます。
とはいえ、仏教だけが日本人の唯一の宗教であるかのように描かれている雰囲気もあり、そこがちょっと気になります。
もちろん当事のことはわかりませんので、それで正しいのかもしれませんけれども……。
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