劇場公開日 2016年12月16日

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「どっちもどっちのサスペンス・スリラー」ドント・ブリーズ bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0どっちもどっちのサスペンス・スリラー

2025年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

ドキドキ

『ドント・ブリーズ2』は、劇場公開された時、鑑賞したが、その1作目となる本作を見逃していので、Huluで鑑賞。2作目の時は、鋭い聴覚と軍隊で培ってきた武装手段を駆使して、相手の裏の裏をかいた戦闘術で、かなり強く逞しいイメージが残った、盲目の老人。しかし、本作では、軍隊仕込みの戦闘術は身についているものの、鋭い聴覚と獰猛な犬だけを頼りに、必死に強盗に抵抗する老人の様相だった。2作目の老人の様な磨ぎすくされた戦闘力や物語の流れは、本作の事件が布石となって、2作目にパワーアップして繋がっている事も、改めて納得した。

本作のサスペンス・スリラーとしての怖さは、老人が、盲目ながらも鋭い聴覚で、真っ暗な地下室でも、ヒタヒタと強盗達を追い詰めていくシーン。にある。正に、タイトル通り、迫り来る危機と恐怖に、息することもままならず、只々どうすることもできないいでジッとしてる、緊迫感と緊張感が伝わって来る。また、その老人は、愛娘を事故で亡くして悲嘆にくれ、おまけに強盗団にまでは入られた哀れな老人と言う設定かと思いきや…、その家の地下室に隠された、とんでもない秘密が明らかになった時、大どんでん返しのシチュエーションが待ち受けている。

 ストリート・ギャング仲間のロッキー、アレックスは、破天荒なマニーの提案で、交通事故で亡くなった子供の賠償金を、たんまりと受け取ったとされている、一人暮らしの盲目の老人の家に、その金を盗む為に強盗に入る。しかし、なかなか金の在りかが見つからず、その間に、盲目の老人に気づかれて、マニーは、老人の最初の犠牲者となって殺されてしまう。老人の反撃をかわしたロッキーとアレックスは、なんとか地下室に逃げこむ。しかし、そこには、哀れな老人とは真逆な、悪魔の本性を剥き出しにした異様な光景が受けており、老人の娘への執念とその所業に衝撃が走る。こうなると強盗団も老人も、罪人と言う点では、どっちもどっちと言う立場に様変わりをするが、むしろ、ロッキー達への同情が強くなる。

 出演者の盲目の老人には、『アバター』で悪役を務めたスティーブン・ラングが、威圧的な怖さと存在感ある老人を演じている。また、主人公役の強盗団の女には、あまり馴染みは無いジェーン・レビが演じ、何度も迫り来る恐怖に、最後まで必死に抗う、若い女を演じていた。

bunmei21
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