「恐怖の極まりとストーリー性弱い」ドント・ブリーズ レインオさんの映画レビュー(感想・評価)
恐怖の極まりとストーリー性弱い
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全体的に3.0、「ドント・ブリーズ」の成功でプラス0.5。
確かにみんな言う通りに見終わってめっちゃ疲れる。見知らぬ部屋で主人公の視点で移行するとは、主人公に自己代入し、老人のことが未知すぎ、捕まれる=死ぬという恐怖さが倍増。カメラの動きもBGMの使い方も上手かった。まさにゴーストより人間の方が恐ろしく、いろんな刺激を観客は受けてる。
が、その恐怖さの源はストーリーの設定だ。題材としては鬼とか一切ないが、それ以上の恐怖感を与えられる。例えば、特に老人が盲目という設定が随分役に立つだろう。
で、期待外れの部分はやはり物語の足りなさを感じる。てか残りの二人が危険を知った時点でもう「逃げる」だけの映画になる。見る側も完全に恐怖の脱出ゲームをしてるような...せっかく人々の絡み合いがあるのに、もっと豊かな物語が欲しい。じゃないと『ロスト・バケーション』みたいに人間vsサメというような内容でも十分にホラーだと思う。この一点について、老人=恐怖っていう感覚が作られて強すぎる。、老人は男女二人を追っ掛けるとき、黙々と殺気を感じさせ、ハラハラさせられる。が、彼女を捕まえて普通にしゃべたらもう普通の変態に戻る。だったら無言の時は恐怖を作る監督の意図が明らかにされる。何っていうかずるいっていうか...
ゴースト映画だったらまた事件の解明とか経緯とか期待できるのに対して、この映画は完全にそっちではなく、「息をさせない」だけに執着する『ロスト・バケーション』のように、見る時の感覚重視でアレンジされている。個人的にはちょっと勿体無い。
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