ジムノペディに乱れるのレビュー・感想・評価
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もっと若い監督にチャンスを
途中でなぜこのような映画を観に来てしまったのか悩んだ。「10分間に1度のセックスシーン」は今誰が喜ぶんだろう。代わりに「10分間に一度のギャグシーン」「10分間に一度の格闘シーン」を入れろといって作ったとしても才能は推しはかられるのだろう。とすると、この映画の「セックスシーン」にはときめきがなかった。そのくらいどうでもいい話だった。
行定監督というのはオシャレ監督のイメージが強かったが、今回、ありとあらゆるところでダサい。学生の部屋まわり、道端の廃屋、そして前作にもあった映画撮影関連の数々、大げさな芝居、というかメジャー仕事をしているとこう鈍くなるのかと思った。
正直、なんでこういう企画を中途半端な有名監督に撮らせるのだろう。もっとチャンスのない才能あり若手の監督に撮らせればいいのに、と素直に思う。
ポルノ映画の意味
それこそ未だホームヴィデオというものが存在していなかった時代に、本や絵ではなく、動いている被写体を鑑賞するという手段は映画でしかない。そしてその表現を尤も端的に熱望されたのが男女の情事である。各映画会社はそれぞれ独自の指向でその類の作品を作ったが、日活がその中で最も有名な会社として記憶に残る。しかし現在、その座はヴィデオからDVDそしてネットへと明け渡されてゆく。勿論、その利用内容も、単に鑑賞するというものから男性の性欲解消へと変化していくのだが、あの時代の社会の希望と不安、混沌と不条理、理不尽がエロティシズムとのマリアージュにより、人間の業を強く現わす“ポルノ映画”というコンテンツをこれ又現在の名のある商業監督により復活させるという趣旨が今回のリブートである。
その第一弾が、「世界の中心で、愛をさけぶ」の行定監督制作である。
約10分に1回のSEXシーンを挟むというルール以外は自由にテーマを設定できるという制作側からしたら願ってもない約束であり、監督自身の力量も否応なしに試されるということでもある。
はたして、本作品のテーマは、『ある男の不器用な愛』ということなのだろうか。それ程の強烈なインパクトの内容ではなく、主人公の映画監督の男の約一週間の出来事を追い、その男を慕う女達がそれぞれの理由で監督との関係を持ってゆくというプロセスである。その描写毎にバックにサティのジムノペディが流れ、官能的なシーンが演出されるというプロットだが、しかしどこか乾いた空気をも醸し出していて虚しさも又漂い続ける。結局どの女と交わってみても一時の性欲を満たすだけのつまらない行為であり、交通事故の後遺症なのか、イくこともまま成らぬので尚更萎えていく。そのジムノペディは同じ交通事故により植物人間と化した女が良く弾いていた楽曲であるからだ。その関係を持った女達の1人の映画講義での教え子が、偶然弾いた曲がそのジムノペディ。しかし急にピアノを止め、窓から男の妻と思しき人影をみたと訴えたところで、男は妻の死期を悟り、急いで後遺症の足を引き摺るように病院へと急ぐ所でfin。
まるで、今流行りの珪藻土足拭きマットの如く、湿気が乾いてゆくような表現や演出である。主役の板尾創路自体にそのイメージがあるのも手伝って、女も又どんどん乾き、枯れていくような感じが見受ける。迸るパッションとかとは真逆の、冷たく怠惰な空気がそこには流れ、悲哀とアイロニーが前面に押し出されている作品なのだ。決して悪くはない。まさに日活ロマンポルノの一つのテーマなのだろう。それは嘗てのATGを思い起こす感想だ。
美しくて悲しくて可笑しい
美しいです。手垢のついた感のあるサティの曲も新鮮に聴こえます。大きな喪失を抱いた男の滑稽で切ない物語です。人がセックスに求めるもの、そして結局得られないもの、シンプルなストーリーと美しい映像が人間の滑稽さと哀しさを浮き彫りにする作品です。
クライマックスのナースとのエピソードがとにかくいろんな意味ですごいです。ナース役の木嶋のりこさんの演技も素晴らしかったです。板尾創路さんの空虚さもすごい。その世界にずっと浸っていたいタイプの作品です。劇場に笑いが起こるシーンもいつくかありましたし、もちろんエロティックですし、すごく楽しめた作品でした。
いくら女を抱いたって
昔海外で賞を取ったが、商業的に成功がなく、撮りたい映画も撮れない、金もない映画監督の一週間を描いた作品。
主人公はとにかく女を抱きに抱きまくります。
でもいつもどことなく悲しげで、相手に思いやりもない。ただ、何かを発散しようとしている感じです。
最後にその謎が解けた時、僕は主人公に共感というか理解できました。自己中心的ですごく問題はありますが、一途な人なんだと思いました。
しかし主人公、まぁモテる笑 羨ましい笑
板尾さんが醸し出す大人の男の色気というか、放っておけない感じがたまらなく女をそそるんだと思います。あんな雰囲気を俺も持ってたら笑
実は初日の舞台挨拶で鑑賞したのですが、途中で出てくる病院のカーテンシーンは実話だそうです、映画で見ると笑いそうになってしまいますが笑
でもあそこの下りがこの映画のキモでしたね。
家に帰ってから風祭ゆきさんのロマンポルノを見ました!お美しかった!
今回のリブートは全部観ます。5回券なるものが売られていたので即購入笑。
次も楽しみです!
「先生」「監督」萌え。
良かった…。
行定勲監督の映画はどれ見ても面白いです。上映開始直後すぐに惹きこまれちゃいます。
岩井俊二監督が、行定はキャスティング力が高かったと2月頃のトークイベントで言ってましたが、ほんとそれもありますね…。芦那すみれさんが可愛い。水曜日のカンパネラのコムアイみたいな雰囲気、すごく綺麗だしチャーミングな感じも含めめっちゃ可愛かった。
この作品は普通のシーンも官能的なシーンも滑稽なシーンも全てが好きです!
板尾創路演じる古谷が、ただのおじさん監督ではなく女性を惹きつける何かがあるんだな、と自然に思えたところも良かった。
プラス、「先生」とか「監督」という職の人に私は弱いのだろうとも思いましたが笑。
男も女もこの作品観た人はみんなハマっちゃいますね。みんな観てくれ〜。
ポルノ俳優の板尾です。
久々の舞台挨拶からの初日鑑賞。
日活ロマンポルノはほとんど見たことがないが、
イメージとは随分違った。
日活ロマンポルノ リブート。
これは、ロマンポルノを冠しなければ普通の映画
として見ていただろう。
行定監督の世界観からの、板尾ワールド。
板尾好きだわー。
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