KUBO クボ 二本の弦の秘密のレビュー・感想・評価
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アニメーションの素晴らしさが詰まっている
ストップモーションのアニメーションとしてここまで気持ちの良い動きを堪能できるとは思わなかった。とにかくアニメーションの動きが素晴らしい。人形たちの表情も豊かだ。というか人形にはもはや見えない。まさに無機物に命が吹き込まれている。
やはりアニメーションの醍醐味は「動き」なのだと再認識させてくれる。ほとんど動きの滑らかさだけで感動させる粋にある素晴らしい出来栄えだ。
内容は見事に日本のおとぎ話をモチーフにした和風ファンタジーに仕上がっている。アメリカ産なのに、和のテイストに不自然さがない。少年が主人公の血湧き肉躍る冒険モノの要素を持ちながら、血のちながりのおどろおどろしい関係性にも言及され、その点でも和風を貫いている。いわゆる勧善懲悪にも陥っていない。
素晴らしい作品なので、ストップモーションに馴染みのない人にも是非観てほしい。
狂気じみたクオリティとラスト
まずストップモーションの概念を覆すほど鮮明かつ滑らかな映像美
1週間で平均3.3秒しか撮影できないというのも納得のクリエイター達のこだわりとクオリティをとくと感じることが出来ますね
素晴らしい映像美で、これらを人形を動かして撮ってたとはパッと観て分かる人はいないと思います
そしてラスト
月の帝の結末については個人的にはあまりにむごいものを感じました
全ての力をなくし、記憶を失くし、ただの盲目のしょぼくれた爺さんとして、見下していた下界のか弱き人々にさえ哀れまれる
そして偽りの記憶を周囲に植え付けられ、ありもしなかった情を得て生きることになる
みんな仲良く、バッピーエンド。といえば聞こえは良いですが…
別に本人は何か改心したわけでもない、下界の民など歯牙にもかけていなかったのに…
例えば今、あなたが虫に姿を変えられ記憶も何もかも奪われ、その辺のゴキブリか何かに「あなたは今までいい虫だったのよ」と言われたとして、それはハッピーエンドだろうか?
あまりにも死よりもむごい、ひどい思想矯正を感じるラストだった…
日本人らしからぬも.....素晴らしい作品です。
え?これCGじゃなん?狂気 この物語よりこの制作者たちのドキュメン...
瞬きすらしてはならぬ
日本のことをちゃんと理解された映画
日本マニア
「プレミアム・エディション」プレヴュー。
Laika, LLC. 2005年 ナイキ創業者であるフィル・ナイ...
誰にも奪えぬものこそが一番の力
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
以前の投稿の削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」として
以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
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人形アニメと言うと随分昔の「くるみ割り人形」を思い出してしまう世代なので、
タドタドしいけど、その感じが愛おしいみたいな世界を想像して観に行ったら
いや〜失礼しました!!
CGアニメと見紛う滑らかな動きとダイナミックな背景、画面構成、
見ごたえ十分!!
エンドロールでは制作の現場の様子も観せてくれてるので
慌てて席を立たずにしっかり観てね!
闇の世界の表現がNHKの人形劇の辻村ジュサブローさんテイストで
おどろおどろしくも心惹かれる感じがああ、堪らない〜
もちろん内容も、子供向けだからって単純なものではなく結構なずっしり感。
特に始めの方の心を病んでるっぽい母と
クボが食事をするシーンは胸が張り裂けそうです。
でも、それを補って余り有る元気な時の母とクボとの愛情深い日々。
それこそがこの物語の肝!!
ラスボスを跳ね返す力が、誰にでもあって絶対に誰にも奪えぬもの。
これがどんな武器よりも強いんだな〜
ふと、自分の人生を思い起こして、ジワっと涙〜〜。
あと、他の方も色々書いているように日本表現のここが違うとか、
ここがおかしいとか挙げ足取りをする人がいるみたいだけど
それを言うなら
「魔女宅」のいかにもヨーロッパ的なパン屋さんの奥さんが
なんで「おそのさん」なんだよ!!
モデルとなったらしき国や街の人は何にも文句言ってないでしょ!
実話の完全再現と言うならともかく、
ファンタジーにそんな枝葉のことで突っ込むなんて、
それこそ、日本人的には「お前ら野暮天」!!
逆にそこを楽しむくらいの気持ちで物語に身を委ねてください。
有名な浮世絵からインスパイアーされた場面も多数あるので
あんまり浮世絵なんか観たこと無い人は、
ザッと有名どころの浮世絵を検索してから観るともっと楽しめますよ。
妖怪の浮世絵とかも忘れずにね(笑)
それと、
シャーリーズ・セロンのアフレコが聴きたくて字幕版を観たけど
クワガタがいかにもピエール瀧さんにぴったりなキャラで
字幕版なのに瀧さんの声が聞こえてきそうだった!
吹き替え版も観たくなりました。
★もう一度観るなら?時間があれば映画館で観たい!
間違った日本でも、初めて良いと思えた。
CGで何でもデキルこのご時世に、あえてストップモーションアニメか。
思えどこの精密さはコンピュータがあってこそと分かる。
ほどに、かつてのコマ撮り人形アニメを想像してはいけない作品だった。
途中、フルCGと見分けがつかなくなるモノ凄さ。
映り込む全てのデザインも丁寧かつ魅力的でスキがない。
そうして描かれる世界は「日本」らしい
が、いや、そりゃおかしい、
と、西洋人ならではのありがちな混同、誤解も多々。
(中国、韓国がごちゃまぜとか。平安か江戸か不明、とか。仕草、リアクション、生活様式が、それはしないとか。でも、かなり勉強されたんだろうなぁという印象はある)
しかしこの完成度の前では、そんなことなど気にならないのだ。
変だ、しかしこれはそんな世界なのだ。
出来上がっている、とはまさにこういうことを言うのだろう。
納得させられてしまうのである。
物語はティーン向けにも感じるドキドキとわくわくと少しの怖さが、
スリルで貫かれている冒険ものだ。
躍動感と展開のダイナミックさに自由奔放、という言葉を思い浮かべる。
贅沢な時間が過ごせる1本。
個人的に、月から来たおば様たちがカッコよすぎて痺れましたよ。
上質なる気だるいアニメ
伝聞、伝承のちからを信じる物語
少年クボが、母から聞いた亡父の英雄譚を辿って冒険するお話。
新たな仲間と父の残したアイテムを手に入れ、襲いかかる父の仇"月の帝"と対峙する。そしてついに、両親が紡ぎきれなかった未完の物語を完結させる。
先代の物語を弦に託し、
新たな物語を音と折紙で紡ぐ。
語り部の供とする楽器が「三味線」というのがたまらない。
隻眼の少年クボが挑むのは、月の帝その人ではなく、人間の脆さ、儚さだ。
すぐに傷付き、老いさらばえて死ぬ。色香に惑い心がわりし、嘘に翻弄され、大切なことを忘れる。その虚しさを薙ぎ払うべく、少年は武器を手にする。
クボの武器は、鎧兜や刀そのものではない。物語だ。
弱い人間に勇気をみなぎらせ、慰めと癒しをもたらし、さらには、命を吹き込んで死者をも甦らせる力。
ただのいろ紙を鳥や虫、剣士や悪魔に変身させるエネルギーにも似た偉力。まさしくアニメーション。
だから人は仲間を求める。
思い出話を共有し、お互いを言葉で語り合える同胞を。
人は死ぬ運命にあり、物語は"おしまい"を迎える必然にある。だからこそ人の心を打ち、語り継がれ、永く生き続ける可能性を秘めている。
観客に「今日はお終いまで語っとくれよ」と言われて切なく微笑むクボが、この映画で最後に言うセリフ。
それは、映画を求める脆い観客への祝いであり、この映画を忘れられなくする呪いでもある。
この前すごい映画に出会ってさ、という口伝えによって、本作は永遠の命を得る。
短くも力強い物語。
嗚呼矢張り、
そう成ればこそ、
目叩きすら、してはならぬ。
絵の美しさだけ
物語の力、想いの力
オリエンタルビューティー
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