KUBO クボ 二本の弦の秘密のレビュー・感想・評価
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不満もあるが、圧巻のストップモーションアニメ
いつの時代かよくわからないサムライ・ニッポン。
乳飲み児の頃に、母とともに、祖父のもとから命からがら逃げ出して育った少年クボ。
三味線を音色で折り紙を自在に操る能力を持ち、大道芸で糊口をしのいでいる。
そんなある日、ふたりの刺客に見つかり、母はクボを助けるために命を落としてしまう。
クボは自らの出自と親の敵を討つために旅に出る・・・
といったところから始まる物語で、なんといっても見どころは圧巻のストップモーションアニメ。
特に素晴らしいのが前半、往来での大道芸のシーン。
たくさんの観客が見守る中で、武者やもののけの姿をした折り紙が、三味線の音色とともに縦横無尽に活躍する。
見応え充分、期待度最大。
だが、物語が進むとヴォルテージは落ち着いてしまう。
クボを従い、彼を守るふたり(といっても、サルとクワガタ武者なのだが)とのやり取りが、米国的なボケ・ツッコミのテンポなので、少々こちらのリズムを壊されてしまう感じ。
また、旅の目的のひとつに三種類の武具を揃えることがあるのだが、この趣向はあまりストーリーに(特にクライマックスに)活かされていないかも。
圧巻のストップモーションアニメであるが、背景にCG処理が施されているので、全体的に画面内の密度が高く、肩が凝ってしまう。
といくつか不満もあるのだが、昂奮しながら愉しめました。
日本へのラブレターと言っても過言ではない
ストーリーそのものは単純明快で子供向けかと思います。
が、全てにおいて半端じゃない技術と情熱がビシバシと伝わってくる、凄まじい作品だと感じました。
ライカの社長さんがメガホンを取っているそうですが、相当なマニアですね…
日本で生まれ育ちった方なら絶対に見て損は無いと思います。
素晴らしい作品です。きっと、熱い思いに胸打たれることでしょう。
星が半分減ったのは、ちらほらお話の進行上の設定に気になる点が出てしまったことです。
それも視聴中は画面に夢中で、後からじわじわと、という感じですが… また、観に行って自分なりの解釈を見つけて楽しみたいと思います。
素直にありがとう、クボには意図が?
動く美術品
冒頭から物凄い迫力の映像美に打ちのめされた。映画というよりも、動く美術品である。一体これをどうやって人形で撮影したのだろうか。それとも背景はCGで描いているのだろうか。それにしては背景と人形が一体化していて、CGを使っているようにも思えない。エンドロールにほんの少しだけメイキングが現れたが、円盤を買えばもっとたくさんのメイキングが見られるのだろうか。いずれにせよ、気の遠くなるような手間をかけて作られているに違いない。
中世、おそらく鎌倉時代頃の日本をモデルにしている世界観は、日本人が見ても全く違和感がない。実写であれば違和感があったのかもしれないが、人形アニメーションということでデフォルメされていることも、違和感を感じずに見ることができた理由の1つであろう。これほどの映像美で表現された日本を見ることができるのだから、日本人であれば絶対に見ておいた方がよい。そして、これを外国人に作られてしまったことに対して、素直に悔しがるべきであろう。
物語は親子愛をテーマとする王道的なものであり、子供に見せる物語としては最上級のものであろう。大人が見るものとしてはやや退屈かもしれないが、日本人が持っていた死生観や家族観を思い起こさせてくれるものであり、大人の鑑賞にも耐え得るものである。
今回は日本語吹替版で鑑賞したが、全く違和感なく鑑賞でき、ベテラン声優と実写俳優をうまく起用できているのではないかと思った。オリジナルの字幕版でも見てみたい。
絵の力だけでなくストーリーの確かさも相まってストップモーションアニメの意義を強く感じさせる。必見と言うよりない。また"Two Strings"の意味も深い。
邦題にむりやり付け加えた「秘密」の落とし前をどうつけるのかはともかくとして、三味線なのになぜ「二本の弦」なのかは観ればわかるのだけど、個人的にはあれはまさにDNAの二重らせんを思わせる。だから母と父、そして子の三本の弦が張られる時の感動は忘れられないものになりそうだ。
字幕版で鑑賞したが、それが良かったのだろう。舞台は日本の中世をイメージしたものだがやはり自然の描写や人物の表情など東洋のそれではなく、言うなれば日系二世や三世が出ている映画作品のような印象を受けていた。であったので【ジョージ・タケイ】がクレジットで出た時は見事な配役だと思ったし、そこにはこの偉大な日系俳優へのリスペクトを感じさせてくれた。吹き替え版も観る予定だが、まず制作側の意図している雰囲気で観られたことが良かったと思える。
プレスコで制作されていることもあり、サルはシャーリーズの力強さと意外なまでの母性を落とし込み、クワガタにはマシューの収録時の身振り手振りが反映されているという。3Dプリンターを使ってあの繊細で豊かな表情を作る手法などは驚嘆すべきものだ。
物語としては早い段階で「いつものやつ」だと言うことははっきり示されるのでそこは何も問わない。これほど優れたアニメーションにひねりを加えたところで子供には意味がないし、展開としてなぜそうなるのかと言われたら「その方が絵的にも面白いものができるから」と言うことなのだろう。不思議な話ほど面白く、また心に残ると思う。
ラストで武器に頼らないというのがまた素晴らしい。ただしこれは男の子には物足りないかもしれないが。
EDで流れるレジーナ・スペクター版「While My Guitar Gently Weeps」のアレンジも素晴らしく、子守唄のようでもあった。この選曲は偉い。
一週間に3秒ほどしか撮れないストップモーションアニメ。LAIKAの次回作は何年後になるのか‥
完成度が高い部分があるだけに気になる欠点
日本っぽいのに日本っぽくない独特の表情
美術は完璧
まあまあだった
三味線で折り紙を自動的に折って、自在に操ることができる超能力の持ち主が主人公で、実の祖父に左目を奪われて、母と逃げて洞窟で暮らしているというとんでもない前提に気持ちが入らなかった。骨肉の争いが描かれるのだが、なんでそんなに命がけで戦っているのか意味が分からない。おじいさんが巨大な龍みたいなのに変身した途端、全然怖くなくなった。全体的に絵空事としか受け止めようがなかったし、名前が苗字としか思えなくて、なんで親から「久保」と呼ばれているのだろうという違和感がずっとつきまとった。
動きや表現は素晴らしかった。『コラライン』が大好きだったので残念だった。
面白い!!子どもたちに観てもらいたい!!
アニメーションとは何かという根幹に触れている作品
なおさら日本語吹替版が、"是非もの"である
日本を舞台にした純アメリカ製ファンタジーアニメである。その驚くべき完成度は、子供向け・成人向け問わず、間違いなく今年ナンバーワンアニメといっても過言ではない。広い見識と経験値のあるオトナにこそ観てもらいたい、上質なアニメーション作品だ。Universal Studioは、黄色いバナナ生物の群れだけじゃなく、ちゃんとこういうのも配給できるってワケ(笑)。
主人公のクボは、魔法の三味線で、折り紙を自在にあやつる片目の少年。不吉な子どもとして一族から命を狙われており、病弱の母と2人で隠れて暮らしている。ある晩、クボは追手の叔母たちに見つかり、母親の命懸けの力で救われるが、独りぼっちになってしまう。母が最期に言い残した"3つの武具"(兜、刀、鎧)を探し出し、自分の出生のヒミツを解き明かす旅に出る。
本作は、アメリカの独立系アニメスタジオ・ライカ(Laika, LLC.)によるストップモーションアニメ作品。ライカは、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993)や「ティム・バートンのコープスブライド」(2005)に参加したチームを中心に設立され、「コララインとボタンの魔女 3D」(2007)以降、アカデミー賞やゴールデングローブ賞のアニメ部門の常連である。
そして本作「KUBO」も、米国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞にノミネートされたほか、英国アカデミー賞では最優秀アニメ作品賞を獲得している。
言うまでもなく、その技術は世界最高峰である。ストップモーションというと、「ウォレスとグルミット」シリーズの英国アードマン・アニメーションズ(Aardman Animations, Ltd.)の粘土を使ったクレイアニメが思い浮かぶが、ライカはセットを組み、人形(またはロボット)をコマ送りで動かす。サイズが大きいものになると、もはや実写映画の現場並みである。それをコマ送りで動かすという途方もない作業だ。
ライカのCEOであり、本作で初の長編監督を務めたトラヴィス・ナイトの、本作における日本リスペクトが半端ない。
黒澤明と宮崎駿を敬愛するトラヴィスは、日本人が忘れかけたものを米国人の視点で思い出させてくれる。日本の"お盆の風景"、"灯篭流し"や”."盆踊り"、"花火"、"折り紙"の美しさ、"三味線"や"和太鼓"の音だけでなく、日本の昔話や神話のたぐいまでをエッセンスとして、本作に散りばめているのだ。"3つの武具"は、三種神器を想起させるし、KUBOが片目なのは、伊達政宗か。
全体のデザインイメージは、"浮世絵"ないしは"木版画"をイメージしていて、冒頭の高波のシーンは、葛飾北斎だろう。また骸骨のバケモノは歌川国芳が「相馬の古内裏」で描いた妖怪"がしゃどくろ"である。がしゃどくろをロボットで作るのはアニマトロニクスの手法だが、それを通常スピードでなくストップモーションにしてしまうというのは、贅沢きわまりない。
多少ネタバレになるが、"月の帝"と地上に降り立った、その娘(姫)と人間の恋愛は、"竹取物語(かぐや姫)"である。月の帝を倒して、民に平和をもたらすKUBOは、その子孫であって英雄伝的な叙事詩になっている。
"KUBO"という名前は、友人の"久保さん"から取ったようだが、ウソでもいいので"KUBOU"にしてしまえば、"公方(くぼう)"、すなわち天皇・朝廷をイメージさせ、皇室神話的にミステリアスに妄想できたりしてして・・・。
これだけ日本や日本文化、日本語に理解があるとなると、日本語吹替版のこだわりがモノ凄い。
KUBO役は矢島晶子(「クレヨンしんちゃん」の野原しんのすけ)がさすがだし、ピエール瀧、川栄李奈、小林幸子などが名を連ねる。
日本語吹替版だけ、エンドロールの主題歌で、吉田兄弟がザ・ビートルズの「While My Guitar Gently Weeps」を三味線でカバーしている。これもライカ社のオファーだそうで、吹替版も、"是非もの"である。
(2017/11/19 /ユナイテッドシネマ アクアシティお台場/シネスコ/日本語吹替版翻訳:遠藤美紀)
幻想の日本が見事に花咲く
外国人の目から見た幻想でしかあり得ない日本美、日本人クリエーターが創造する以上に古の日本を感じる作品。
折り紙、三味線そして灯篭がここまで繊細なツールとして使われるイマジネーションの素晴らしさを堪能できました。
吹き替え版でしたが、矢島晶子さんの演技が見事。
if you must blink, do it now!
特に事前に情報を入れずに見に行きました。
だからモーションキャプチャとか技術的なことは省きます。
内容は良くある冒険活劇に舞台が江戸頃の日本?
なんでファミリーネームがファーストネームやねん、とか
海外製作あるあるのアジアの文化がちょっとごちゃっとしちゃってるねという、日本人から見たら気になる点が多々。
クレジットには日本人の名前が多いのになぜ?と思いました。
でもシャーリズセロンとかマシューマコノヒーとか声優陣は豪華。
アニメとして気軽に見られる映画。
お子様と一緒にみてもいいかも。
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