「人知を超えた怪獣王」GODZILLA 怪獣惑星 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
人知を超えた怪獣王
2004年から2014年までの10年間の長い眠りが嘘かのように、今またこんなにもゴジラの活動が活発になるとは!
去年の『シン・ゴジラ』から2020年のハリウッド『ゴジラvsコング』まで、毎年何かしらのゴジラ映画が見れるなんてヒャッホ~~~!!\(^^)/(←まずは君が落ち着け)
今年と来年にかけて3部作で製作・公開されるのは、国産ゴジラとしては初となるアニメーション!
さて、いきなり率直な感想は…
日本が世界に誇る“ゴジラ”×日本が世界に誇る“アニメ”。
そのコラボは、思ってた以上に面白かった!
アニメだからこそ出来る表現・見せ方・面白味も存分に活かされていた。
思いきったシリアスなハードSFにして良かったと思う。
実写では出来ないアニメならではの魅力だし、近未来、宇宙、地球人そっくりの異星人…これを実写でやったらそれこそ『ファイナル・ウォーズ』の二の舞。
クオリティーは言うまでもなく、手書きとは違う3DCGがまたハードSFの作風に合っている。
2万年の時が流れ原生林と化した地球、クライマックスのゴジラとのバトルなど、スケールも迫力もカメラアングルもスピーディーな展開も実写では難しく、これぞアニメの見事さ。
序盤こそはハードSFの世界に入るのにちょっと一苦労だが、いったん入ってしまえばこっちのもん。
ゴジラに奪われた地球を取り戻す、ゴジラvs人類を軸にしたのもいい。やはり、ゴジラと人類の闘いを描いてこそゴジラ映画。
また、ストーリーには鳥肌が立った。と言うのも…
怪獣映画好きが興じて、その昔、自分なりのゴジラ映画や怪獣映画を考えた事があり、その時、キングギドラを題材にした話が今回の話に激似。
人類が宇宙に移民し始めた近未来。突如謎の巨大隕石群が地球に飛来し、正体はカイザーギドラ率いるギドラ一族。あっという間に地球はギドラ族の巣に。宇宙に移民した人類と地球で生き残った人類で力を合わせ、地球をギドラ族から取り戻す…というもの。
『シン・ゴジラ』の時もそうだが、何だかまた一つ、見たかったゴジラ(怪獣)映画が見れた気がした。
『シン・ゴジラ』は超豪華キャストが話題になったが、今回だって負けていない。
アニメ好きじゃないとピンと来ないが、ボイスキャストは、現日本アニメを代表する豪華な面々。知ってる声優、好きな声優が何人も。(下手にタレント使ってないのもいい!)
ファンならニヤリとなるリンクネタは、冒頭にチラッチラッと顔出しするシリーズゆかりの“奴ら”。
いずれも通なチョイスなのだが、その中の一体に、ダガーラ…って、これ、幾ら何でも通過ぎるやろ!(笑)
ゴジラシリーズではなく、平成モスラ3部作第2弾『モスラ2 海底の大決戦』に登場した怪獣なのだが、知ってる人は相当な強者!(知ってる自分もクレイジーなのだが…)
強いて言えば、音楽。
『vsスペゴジ』『ミレニアム』に続き3度目の登板となる服部隆之はいいが、伊福部音楽はさすがに使われなかったか…。
最後になったが、“ゴジラ”について。
今回のゴジラのデザインについてはファンの間ではかなり厳しい声が出てるようだし、見た目はまんまレジェゴジだが、ゴジラはアニメになっても“ゴジラ”だった!
まず、鳴き声。
ゴジラの鳴き声なんて自然に聞こえてくるくらい何度も何度も聞いてるし、いつもと同じ鳴き声なのに、ゾクゾクした。今回のゴジラは人類から地球を奪ったほどの悪夢。その鳴き声には、人類一人一人の身体の芯からその悪夢を呼び覚ますものを感じた。
熱線はシンゴジ級の破壊力!
デカさや偉容はシンゴジ以上。
間違いなくこれまでで最大の最強・最凶のゴジラなのだが、実は今回のゴジラは“先兵”に過ぎない。
最後にまさか…!
2万年の超進化。
『シン・ゴジラ』の台詞「人知を超えた完全生物」は本作のゴジラの為にある。
シンゴジが“荒ぶる神”ならば、アニゴジは誰もが恐れおののく“怪獣王”として人類の前に君臨していた。
3部作の第1弾なので確かにまだ序章で物足りなさは感じるが、これからのゴジラと人類の壮絶な闘いの始まりとしては絶妙。
次回作はどうなるのかな…?
タイトルやポスターから察するに、劇中台詞にも出てきた○○○○○が登場するのかな…? だとしたら、いかにもジャパニメーションっぽい!
脚本は傑作『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵。見た事も無いようなイマジネーション豊かなゴジラ映画を見せてくれぃ!
何はともあれ、またゴジラを見続ける事の出来るこの喜び!