手紙は憶えているのレビュー・感想・評価
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いつまでも続く戦争の傷跡を感じる。
個人的にはナチス物は結構興味深く、色々と観てきたがこの作品は他のどれとも似通らない作品だった。 戦後70年も経った現代、90才になった認知症のおじいちゃんがアウシュビッツ収容時に家族を殺されたブロック長を探し求めると言う切り口の新しい作品。 認知症ってのは非常に厄介だ、人にもよるが朝起きると近い記憶が無い、だから1週間前に無くなった妻を呼び探していまう。 しかし、同じ収容所にいたマックスがブロック長の情報を手紙に書き連ね、復讐を委ねられてしまう。 強い復讐心と決意で老人ホームを抜け出し、一人ずつ候補の人間を探していく、、、。 といったお話。 『メメント』の様に腕に「手紙を読め」等と書いて事あるごとに忘れてしまう記憶と四苦八苦しながら進めていくのですが、マックスを含め候補の人も全員おじいちゃんw 主人公ゼヴの一挙手一投足にヒヤヒヤw 「おいおい、大丈夫なのかよww」と新しい観方もw ・・・・ここから少しネタばれ・・・・ 認知症と復讐と言う設定を非常に巧みに使った脚本だと感じました。 ラストは「まさか、な?w」と思いましたが深く、重い結末でした。 タイトルの『手紙は憶えている』も良いとは思いますが、原題の『REMEMBER』がラストに表示された時のインパクトは非常に強い物でした。 はたしてゼヴはどの時点で記憶を取り戻していたのか? もしかすると早くの段階で気付いていたが、贖罪のつもりで進めたのか? でも3人目の時点で「ユダヤ人」と罵られ失禁していたしそれも無いか? 本当に重いテーマではあったが戦争と言う罪がいつまでも長く現代にまで傷跡を付けていた。 考えさせられる作品であった。
戦時下のドイツの惨さ露わ
自分の語彙力の低さに嘆くばかりだが。 今年は、戦時下のドイツの状況を知る貴重な映画を拝見させて頂いた。 認知症と闘いながらユダヤの老人が、アウシュヴィッツ収容所で家族を惨殺された。その復讐を果たそうと一人のナチスの元兵士を探そうとする。名前が「コランダー」ということだけ。 愛妻ルースとの面影とともに。主役グットマンという老人がヨロヨロと歩きながら、東奔西走する。ラストあまりにも悲しすぎるエンディングが用意されているのだが。もう一度思い返すと、幾つかの伏線が用意されている。
なにがあろうとも「忘れてはならない」
認知症を患い、施設で暮らしているゼヴ・グットマン(クリストファー・プラマー)。 90歳になる彼は、一緒に入居した最愛の妻に数か月前に先立たれ、その妻が他界したことも忘れてしまうような情況にあった。 ただし、彼には、かつてアウシュビッツに収容され、家族を殺された記憶があった。 同じ施設で暮らすマックス(マーティン・ランドー)も同様の経験をしていた。 ふたりの家族を殺したナチスの看守が「ルディ・コランダー」と名を変えて生き延びていることを知ったマックスは、動けなくなった自分の代わりにゼヴに復讐を託す。 そして、ゼヴの記憶を補うように、復讐の要領を手紙に書き留めていた・・・ というところから始まるハナシは、その後、4人の容疑者「ルディ・コランダー」がいること、そのなかに復讐すべき相手がいることが判明してくる。 とにかく、異様な迫力である。 これは、ひとえにクリストファー・プラマーの名演による。 90歳という高齢の老人は、素早く動けない。 ひとつひとつの行動・挙動がゆっくりとならざるを得ない。 それが、70年の歳月をかけてでも、復讐を遂げたいという執念につながってくる。 これは、車いすに乗り、呼吸器をつけたマーティン・ランドーも、同じである。 さらに、容疑者を演じるのも、ブルーノ・ガンツ、ユルゲン・プロフノウ、ハインツ・リーフェンとこちらも高齢の名優たち。 中でも、出番は少ないながらも、同性愛者を演じたハインツ・リーフェンが、哀しい。 また、亡き父と同じくナチ信奉者となった中年男性が登場するエピソードは、かなり恐ろしい。 第二次大戦から70年以上も経ち、当事者たちは超高齢になってしまった。 過去の悲劇・人間が犯した罪は、なにがあろうとも「忘れてはならない」。 エンディングではじめて映し出される原題「REMEMBER」は、そういう意味だろう。 95分という短い尺ながらも、スリルとメッセージが効いた秀作である。
良い映画だと思いました
重い内容ですが、良かったです。 出演者も良かったと思います。 ラストは予想も出来るけど、それでも衝撃の結末で、なかなか立てない感じでした。 泣いてる方もいらっしゃいました。 当時のナチスもひどいですが、今でもナチス信奉者がいるという現実も悲しい事です。 原題の「Remember」の方がしっくりくると思います。 楽しい映画ではないですが、こういう映画を観る事もオススメです。
立派なサスペンスだった。
てっきりラストは和解して終わるのかと思いきや…結構ずっしりと重い結末でした。 クリストファープラマーの認知症の演技が哀愁を誘う…。アウシュビッツの戦犯探しなのに老人で認知症だなんて…目覚める度に全てを忘れてしまっている危うさ。このまま過去を思い出さない方が幸せなのではないかと…。 ナチ信奉者とか、差別偏見がなくなることはないんだな、と痛感。 悲しいお話でした。
途中でやや退屈な感もあったが、確かに最後の展開は意表を突いた。総じ...
途中でやや退屈な感もあったが、確かに最後の展開は意表を突いた。総じてゼヴの認知症はどこまで自分の行動を認識できていたのかは、考えさせられた。その場で楽しむ映画というよりは、後から回想して楽しむ映画かと?
主役の方は実際85歳くらいなんですね。 演技がリアルなはずです。 ...
主役の方は実際85歳くらいなんですね。 演技がリアルなはずです。 ロードムービーの要素があり、子供達との触れ合いが微笑ましい。 最後は衝撃的ですが、マックスはこうなる事を計算していたのでしょうか?
トラップ大佐‼︎(クリストファー・プラマー)
サウンド・オブ・ミュージックで映画の醍醐味を教わった世代です。あの厳格で、ナチス大嫌いなトラップ大佐とダブってしまいましたが、本当にそのまま歳を経たような感覚でナチスへの憎悪も異様にリアル。老いて尚、演技力が凄味を増したことに素直に感動。 ‥‥で、あのラストですからね〜。やられました。 それにしても、この上質のサスペンスのスパイスとして効いていたのが、ボケモンGOの電車の少年と手紙を読んでくれた美少女の優しさでした。 70年という時間を経ても忘れることのできない憎しみがあるということ。だけど、人間本来の優しさも決して廃れることがなく、受け継がれていくということ。 演出・脚本とも素晴らしかったので、この作品の中で描くべきテーマではないかもしれませんが、何も知らずに自分の時間を過ごしてきた元ナチス逃亡犯の家族にとってのこれから(罪悪感のようなものを背負わなくてはならないのか)について、もう少し深掘りして欲しかったと思うのは無い物ねだりでしょうか。
エゴヤンと病理
一見何気ない人が実は…といった、現代社会に潜む病理を描くことが多いアトム・エゴヤン監督。 本作で取り上げるのは「ナチス」。 ナチスをよく知らない世代も登場する一方で、いまだに信奉者も存在する。 アメリカが銃社会という現実もどこか病理に感じてしまうのは、非アメリカ人のエゴヤン監督だからこそなのだろうか。 観ているこちらが真綿で首を絞められていくようなエゴヤン演出は、本作でも健在。
良い意味で、裏切られた…
ラストまで、この爺さん、大丈夫かなぁ〜、って、思いながら見てました。 ラストのネタばらし、お見事です。近年にない良質のサスペンスです。もし、迷っているのならば、是非見て下さい、おすすめします。
驚愕しました
家族をナチスに殺されたユダヤ人の男性が主人公です。認知症ですが、犯人さがしの旅に出掛けます。 認知症と言っても「完全ではなく、いわゆるまだらなのかもしれない」と思いました。でも犯人さがしは容易ではなく、そこに物語の面白さもありました。 戦後70年経ってもナチスへに対する恨みの深さが全編に漂っています。 でも、この映画の一番のみどころは・・・別にあります。 記すことは出来ませんが、とにかく驚きました。 脚本の上手さを感じました。
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