劇場公開日 2016年10月28日

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「トラップ大佐‼︎(クリストファー・プラマー)」手紙は憶えている 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0トラップ大佐‼︎(クリストファー・プラマー)

2016年10月29日
iPhoneアプリから投稿

サウンド・オブ・ミュージックで映画の醍醐味を教わった世代です。あの厳格で、ナチス大嫌いなトラップ大佐とダブってしまいましたが、本当にそのまま歳を経たような感覚でナチスへの憎悪も異様にリアル。老いて尚、演技力が凄味を増したことに素直に感動。
‥‥で、あのラストですからね〜。やられました。

それにしても、この上質のサスペンスのスパイスとして効いていたのが、ボケモンGOの電車の少年と手紙を読んでくれた美少女の優しさでした。
70年という時間を経ても忘れることのできない憎しみがあるということ。だけど、人間本来の優しさも決して廃れることがなく、受け継がれていくということ。
演出・脚本とも素晴らしかったので、この作品の中で描くべきテーマではないかもしれませんが、何も知らずに自分の時間を過ごしてきた元ナチス逃亡犯の家族にとってのこれから(罪悪感のようなものを背負わなくてはならないのか)について、もう少し深掘りして欲しかったと思うのは無い物ねだりでしょうか。

グレシャムの法則