劇場公開日 2017年5月27日

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「高齢者の免許証返納の話題」家族はつらいよ2 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0高齢者の免許証返納の話題

2019年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 自分は大丈夫だと思っていても、車の傷は日に日に増えるばかりの周造(橋爪功)。愛車はマークⅡで18年も乗っている。長男である幸之助(西村雅彦)は周造と小料理屋のかよ(風吹ジュン)と歩いてる所に出くわしたのをきっかけに免許証返納するように訴えるが、簡単に却下。長女の金井成子(中嶋朋子)や次男の庄太(妻夫木聡)にも頼んで返納させようと画策。そして家族会議へと発展するわけだ。

 一方の周造はおかまいなしで自家用車を運転。偶然出会った交通誘導員が20数年も音信不通だった同級生の丸田(小林稔侍)だとわかり、有志を集めて同窓会を開く。昔はモテて美人と結婚するもバブルがはじけて以来、離婚、一人暮らしという生活だと言う。意気投合した周造は彼を自宅に泊めるのだが、翌日丸田が死んでいる現場を発見。家族会議のため来ていた庄太の妻・憲子(蒼井優)が看護師なので死亡を確認。とりあえず救急車を呼ぶ。すごくリアル・・・父親が死んだときを思い出してしまった。免許証返納もしかり。

 前作よりもコメディの要素は少ないのかもしれない。しかし、今作では高齢ドライバーの免許証返納といった問題や高齢者の孤独死の問題が取り上げられている。憲子の母も離婚して以来一人で母親の介護をしていたり、丸田が自宅のアパートで孤独死するより、他人ではあるが暖かい家族の中で死亡した方が幸せだったのかもしれないことを訴えてくる。

 映画ではタクシーに乗るシーンが3回登場するが、これもまた高齢者には運転してほしくない表れだろうか。

kossy