劇場公開日 2017年5月27日

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「喧嘩してる内が家族の幸せ」家族はつらいよ2 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

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4.0喧嘩してる内が家族の幸せ

近大さん
2017年11月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

楽しい

日本アカデミー作品賞ノミネートはどうかと思ったが、久々の本格山田喜劇をたっぷり堪能出来た前作。
個人的にはシリアスに家族の在り方を問うた『東京家族』と同キャスト&同役柄で家族のてんやわんやを描いたのもツボだったし、家族の絆もそつなく。さすがの匠の技!
実を言うと、続編は前作ほど期待してなかった。
前作が面白かったのは“久々の山田喜劇”だからであって、コメディの続編は色褪せるし、どうせ二番煎じだと思ってた。
ところが!
安心安定の山田喜劇劇場!…と言うより、明らかに前作より面白くなってる!
単なる続編に留まらず、本作は本作でテーマもしっかりとし、一本の作品としても上々。
名匠、まだまだ貪欲! 正直、驚いた!
(と言う事で、本作を採点4にし、前作を4から3・5に訂正)

2作目なのに、すでにもうこの安定感!
まず、クスクス惚けた“喜劇”という言葉がぴったりの笑い。
コテコテの昭和臭で古臭いと言われたりもしてるが、顔を綻ばせて本当に安心して見ていられる。
キャストたちのやり取りも引き続き魅力。
遠慮なく口喧嘩ばかりで、本当の家族のよう。
いつも家族喧嘩の火種であるお父さん・橋爪功が今作でも最高の喜劇役者っぷり!
頑固でひねくれ者で口を開けば嫌味ばっかりで、それでいて気が小さくて、橋爪功を見てるだけで楽しい。
また今回、長男・西村雅彦のダメパパっぷりも際立っている。って言うか、この父子、ソリが合わないけど、かなりの似た者同士。
とある役柄で山田洋次ファンである劇団ひとりが初参加、鶴瓶師匠も前作とは違う役柄でちょこっと顔出し。笹野サンは今回出てなくて残念!

熟年離婚危機を乗り越えた平田家に、またまた大騒動が!
“高齢者ドライバー”であるお父さん。
車はあちこちで傷だらけで、免許返上でまた喧嘩モード。
その直後、軽い衝突事故を起こしてしまう。(しかも、妻が海外旅行で居ないのをいい事に行きつけの飲み屋の女将とドライブ)
家族に黙ったきりだわ、バレたら開き直るわで困ったちゃんのお父さんだが、これがもし人身事故だったら…?
でも、お父さんにとっては運転は老後の楽しみの一つ。
家族の心配も分かるが、お父さんの気持ちも分からんでもなく…。

このエピソードはまだまだユーモアあるが、もう一つのエピソードこそ本作一番のテーマ。
ズバリ、“無縁社会”。これが今回実に話をより良くしている。
小林稔侍も前作と違う役柄で出ているが、今回の役柄が非常にしんみりさせる。
お父さんとは高校時代の友人で、およそ50年ぶりくらいに再会して、酒を飲み明かし、家に泊める。すると、翌朝…。
昔は結婚もしていて、いい仕事にも就いて、幸せな人生だったが、離婚し、借金まみれ、隠居してもいい歳なのに汗水垂らして警備員の仕事。
つまりは、孤独な老人。
同じ老後でも片や三世代同居、片や寂し過ぎる独り暮らし。
一体何処で人生迷ったのか。
まんざら他人事、映画の中の出来事とも思えず、何だか哀しい気持ちにさせられた。
旧友を思って涙ながらに心情を吐露するお父さんに目頭熱く。
最後、ある場所に集った平田家にまた目頭熱く。
まさか今回、こんなにじんわり悲喜こもごも感動させられるとは…!

シビアなテーマ性を打ち出しつつ、巧く笑いで昇華。
今作見るまでは第3作目製作決定のニュースにまたやるのかよとか、山田洋次はこれからずっとこのシリーズを作り続けるのかとかおもったが、何の何の、訂正。
一作ごとに山田色でテーマを変えていったら、まだまだイケる!
とりわけ次作は“妻”に焦点を当てるそうで、これまた面白そうだ。

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近大
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