「原作ファンにはおすすめしません」斉木楠雄のΨ難 nonさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンにはおすすめしません
多大なネタバレがあります。
原作、アニメ共に全て鑑賞済みです。
どちらの「斉木楠雄」もとても好きで、実写化ということで少々の不安はありましたが、ビジュアルが公開された際の再現度の高さに期待も高まりました。
ぶっちゃけ後半になるにつれてはやく終わらないかとしんどくなってきました。
楠雄は日常の中で超能力者だと気づかれないようかなり慎重な性格かつ、いざと言う時はかなり頭のキレる人物だと思いますが、後半は超能力を使いすぎだったり使わなすぎだったり。どんどん石化させてどんどん教室に瞬間移動させてた時はコイツなんも考えてねーのか?と心の中でツッコミました。クライマックスでは照橋さんが気絶しているのにも関わらず、脱出できる能力を持っているはずなのにただ絶望してるだけ。こんなにダサい奴だったっけ?
ハマり役だったのは楠雄、窪谷須、灰呂。この3人はかなり再現度が高く違和感なく自分の持っていた先入観に溶け込んできました。
燃堂は声が惜しかったのと、演技と性格があっさりしすぎていました。惜しい。
ストーリーの他に残念だったのは照橋さん。
照橋さん役の橋本環奈さんはまさに「照橋さん」で本当に綺麗な美少女なのですが、かなり性格悪く描かれていたような気がします。
楠雄と二人きりになるためにここみんずを仕組んだり海藤を嵌めたり、彼女が意図的に周りを利用しては神から愛されているという彼女の個性を潰していることに他なりません。
この点はかなり残念でした。
原作とアニメを熱心に鑑賞しており、個々のキャラクターにそれぞれ先入観がある人には合わない作品だと思います。
そうでない人にとっては、ひとつのコメディ映画としては悪くない出来なのかもしれません。
色々書きましたが、EDのオフショットはとても良かったです。もし楠雄が超能力を持たない、普通の高校生だったなら。きっとこんな感じで笑うのだろうか、そんなことを思わず考えるような良いEDでした。