METライブビューイング2016-17 モーツァルト《イドメネオ》のレビュー・感想・評価
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パパに愛して欲しい!
ポネルの演出。
1989年だったか?の初演で、それを指揮したのがレヴァインだったらしい。
METの歴史を体現するような作品。
モーツァルト25歳、初期のオペラである。
タイトルロールのイドメネオはクレタの王だが、その息子イダマンテがキーパーソン。
パンツ・ロールである。
この日はアリス・クートさんが、ビロウドのような mezzo を響かせる。 バリバリ英国人。
まだ少年、ということであろう。エレクトラという許嫁がありながら、捕虜となったトロイアの姫・イリアを愛する。
エレクトラにハマリ役のvan den Heever 変わった英語を話すと思ったら南アの出身らしい。
イリアは若干29歳のSierra フロリダン、人気出そうですね〜〜
でも、この三角関係はさほど重要ではないというか、その後のイダマンテやイドメネオが葛藤を乗り越えるのを助ける心優しい女人たちである。
イドメネオはポレンザーニ。アメリカン兄ちゃんだから、というわけではないけど、父役なのにテノール。このお父さん、まだまだ若いんでしょうね。
戦に勝ったはものの、嵐にあってもうダメかと思ったイドメネオ王が、上陸できたら最初に自分を迎えるものを生贄に捧げるから、どうか助けて〜 とポセイドンに誓ってしまう。
で、最初に迎えたのがあろうことかイダマンテ。
父はそんなことがあったなんて隠し通したいんだけれど、ポセイドンが起こっちゃって海の化け物が国を荒らしまくる。
事情をさとったイダマンテは、化け物を退治した脚で王のもとにむかい、父のために喜んで犠牲になろう、と言う。
ああ、モーツァルトだわぁぁ .....
なんだかだいって、お父さんのこと大好きだったのでしょうね。泣けました。とっても。
どの役の歌唱も素晴らしかったけれど、見せ場少なめなエレットラが最後のアリア一発で聴衆の心を鷲掴みに。
当たり役ってこういうことですね。
レヴァインさんも指揮台にいると本当にヴィヴィッド。
途中の特典映像は、そんなに長く入れなくてもいいんだけど....と思うが、出演者や裏方さんへのインタビュゥはいつも興味深い。
楽しい一本でありました。
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