あゝ、荒野 前篇のレビュー・感想・評価
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最高
菅田将暉が本当に好きになった。こんなに感情、狂気がむき出しの役にしっかりとハマっている 兄貴演じたヤン・イクチュンも魅力的。ヤンの存在はこの映画で初めて知ったが、気持ちが通づるとこや内向的な役柄を見事に演じていた。続きものはあまりみないのだがこんなに後編が楽しみなのは初めてかもしれない
編集という自浄作用が一切働いてない代物
久々に映画見てて腹立ちました。
まず、前提として、だらだらと長く感じる映画が嫌いです。長いこと自体は罪じゃなくても、長く感じさせることが問題。つまり編集が機能していない。
本作は、最近の「大作」と銘打った邦画や、漫画原作モノにまま見られるように前後編構成。前篇2時間37分、後篇2時間27分、計5時間以上の「大作」。
いや、序盤は悪くなかった。主演陣は概ね好演してます。しかし、自殺防止フェスがうんたらのあたりから暗雲が垂れ込めてくる。というか、主演陣の頑張りで誤魔化されてた監督と脚本の不味さが露呈してくる。原作の時代設定を改変するのはまぁいいとして、自殺防止フェスのくだりでは現代の「空虚さ」を表現したかったんでしょうけど、監督と脚本、一部の役者が力不足。
こうなると白けてきてしまい、本筋の部分でも全てを台詞で説明しようとする邦画の悪癖と、関係者が自然集合するご都合展開が目についてきてしまう。
前篇だけでも長いのでだんだん見続けるのが苦痛になってきて、ようよう見終わり、この程度の内容に5時間かけさせてもらえる監督ってどこのどいつだよと調べたら、どこぞのしゃっちょさんみたいな人が手がけたものと知る。
なるほどそれは編集という自浄作用が一切働いてない訳だ。この作品、今時DVD/Blu-ray特典のメイキング映像でも、こんな何も生まれてないアドリブっぽい会話シーンカットすんだろってとこを残してます。そういう無駄な箇所はもちろん、作品の本質から離れた枝葉末節はカットして、贅肉を削ぎ落として映画作品として構成するのが編集という行程だと思うのですが。監督自ら時には身を切る思いで、もしくは監督が信頼する編集スタッフに委ねて、取捨選択する作業が行われてないように感じる。
というか「どこぞのしゃっちょさんみたいな人」じゃなくてきちんと書いておきますが、テレビマンユニオン代表取締役常務の岸善幸監督です。テレビマンユニオン制作のテレビ番組、日常的に見てますよ。好きな番組もそこそこあります。でも当然ながら、テレビ番組と映画は別物。
この手の変に高尚ぶった無駄に長い「大作」が一部で評価されるのは、邦画界には良い風に作用しないんじゃないかと少し思います。せっかく近年、スピーディでコンパクトに話を整理し、映画的クライマックスをきちんと作り、しっかり2時間強という映画サイズに収めるという当然の流れが、邦画のメジャー作品に出て来てるんですから。
ゆったりした時間の流れを表現した作品も、物語を語り切るのに長時間を要する本当の大作も、その尺に必然性があります。それらと、だらだらカットできてないだけの作品は違います。残念な出来でした。
演技以外は観る価値なし!
赤裸裸なのと下品で小汚らしいのを混同してはいけないと思う。
本作はもちろん後者だ。
木下あかりが裸をさらけ出して大胆な演技をしたことには拍手したいが、セックスシーンはあんなにいるのだろうか?
また時代設定が謎である。
東京五輪も終わった2021年の日本が舞台らしいが、五輪景気が終わって1年ですぐに不景気になるとは思えないし、特に生産年齢人口は今よりも低下していて就職率は今以上にいいので、若者が自殺したくなる世の中とは思えない。
しかも現在自殺者数は減少傾向なのだ。
また自殺志願の東都電力社員が登場するが、今ですら世間で東電の原発問題は殆ど話題にのぼらない。
2011年から10年経った社会で自殺したがる元東電社員とは何者だろうか?
そのくせ新次や建二の人物描写や家庭環境はこてこての昭和である。
母親から教会に捨てられてぐれて人を殺しかけた新次、飲んだくれの親父に体罰を受け続けて吃音症となった建二、平成の次の世にこんな昭和の典型的な不幸をひきずられても困る。
悪い家庭環境からボクシングで更正しました!ってのはもはや今更だ!
全てがちぐはぐだ!
それから、学費を出すかわりに自衛隊の奉仕活動か老人介護を義務づける法律ってなんだ?
説明中に自殺した若者がいたが、自衛隊へ行くのが嫌で自殺するなら老人介護を選択すればいいだけの話なのではないか?
大学の学費を払うために軍隊に入隊する発想はおそらくアメリカを参考にしていると思うが、長くデフレの続く日本ではアメリカほど学費は高くない。
アメリカでは名門大学だと4年間で1000万円を軽く超えるようだが、日本では私立の名門校で600万円ぐらいであり、大学独自の奨学金制度も充実していてそちらを利用すればいいだけの話である。
現在フランスやスウェーデンなどヨーロッパにおいて徴兵制度が復活している。
日本もこのままでは徴兵制度が復活するかもしれない!
なわけない。
そもそも日本に陸続きの国はない。日本の敵になりうる勢力はチャイナや北朝鮮、ロシアである。
彼らと戦争するにしてもまずは海で戦うし、もっと言えば日本を侵略するにしても敵はまずミサイルを撃ち込むのである。
徴兵制度で数年後には除隊してしまい簡単な陸戦兵器しか扱えない兵士は弾除けにもならない。
本作ではこの議論を避けるために海外での平和維持活動に限っての徴兵にしている。
現在防衛費は5兆円程度で近年斬増している。しかし斬増している分はアメリカからの戦闘機の購入や護衛艦の建造などほぼ装備に回っている状態である。
装備は増えても人員が増えずに隊員の稼働率が大変なことになっている。
おっ、なるほど!その人員を確保するために海外派遣の分を国内に戻すための徴兵制度の復活ってわけね!
って馬鹿か!
ステルス戦闘機のF35の操縦にしろ、護衛艦の乗組員にしろ専門の訓練が必要である。
海外派遣されるのは陸自隊員である。陸自隊員を海自や空自に配属変更できるわけないだろ!
それに徴兵して海外派遣するにしろ無料じゃない!
訓練するにも武装させるにも派遣するにも費用はかかるのだ。
それならそもそも防衛費を増やして自衛隊員を多く雇って始めから専門の技能を訓練する方が効率的である。
寺山修司が原作の小説を執筆した1960年代当時は安保闘争や学生運動もあったが、今はそんな時代ではない。
寺山は左翼傾向が強い作家だろうが、寺山が今現在生きているとして時代背景を曲げてまでこんな劣悪な作品を書くとは思えない。
昨今の日本映画を観ていて思うのは、左翼的な監督や脚本家の書く作品は尽く間抜けだということである。
本作にはシールズを模した団体やデモ行進が登場するが、日本の安保状況を改善し、日本の対外的な地位を向上させ、憲法改正をしようとする安倍政権がそれほど憎いのか、という印象しか受けない。
菅田将暉やヤン・イクチュンは真剣にボクサー用の体作りをしただろうし、出演者の演技も総じて素晴らしい。
しかし、筆者は日本国民としてこの作品を賞賛しないし、してはいけないと思っている。
なるほど
菅田将暉の濃ゆい濡場、あざーす!って感じ。女の子は胸でかいだけであんま可愛くないけど。それがまたいいのかな。
憎しみの塊のような男と、誰も憎めない男。二人の悲しみが後編でどう消化されて行くのかは気になる。身寄りのない境遇の共通点はありがちですが。ユースケの過去が明らかになるのかも気になる。菅田将暉にはもう少し体作って欲しかった。
魅せられました。
菅田将暉の演技を初めて観たが、この人がみんなにキャーキャー言われてる理由が分かった気がしました。
彼を観てるだけでどんどん物語に引き込まれて、見る前は菅田将暉なんぼのもんじゃいと思ってたら、新宿シンジの粗暴だけど素直で根は優しく、言葉遣いは荒いけど愛に溢れるキャラに魅了されていた。
彼の目には何か他の人にはない人を惹きつける力があると、おっさんの僕ですら思った。
後半、ヤン・イクチュンとどう絡んで行くのかとても気になる。前半は自殺フェスの部分が全く別の映画のようだったけどどう絡んでくるのか、まだ前半しか観てないけど名作の予感がしております。
付き合いで観ましたがちょっと辛かったです。
正直言ってただただ男臭く古くさい感じでした。好きな人は好きなんだと思います。好みはいろいろですからいいのですけど。でも女性にはちょっとどうなのかなって思いました。間違っても女性を誘って観に行かない方が良いと思います。役者さんのファンは別ですが‥。すみません。
男、菅田将暉 アクション炸裂!!!
試写会拝見です。ボクシングを通して人生を更生していくさまが男らしく描かれていると思います。ただし、憎いものには徹底的に闘志を剝きだすところがこの作品の見所かもしれません。
後篇が楽しみです。
ドラマ版1~3話までの感想
カッコ良くて、エロくて、面白くて、とにかく惹きつけられる要素満載の作品。特に人との絡み合いが面白いと思ったし、故に次から次ぎへと物語を求めていたように思う。
ボクシングシーンもなかなか迫力があったけれど、劇場で見たかったと思うまでには至らなかった。
それがかえって物語に集中できた要因だと思ったし、メインはボクシングじゃなくて新宿かなと思いながら観賞できたので、個人的には肯定的に捉えている。
ただ、結末はボクシングになるんだろうなぁという流れを感じただけに、少しだけ不安も感じた。
ゾクゾクする
これは凄い作品で個人的にドンズバ。菅田将暉の一挙手一投足に観ていてゾクゾクしました。泣けない、笑えない…でも素晴らしい。終始画面に釘付け。これ程ワクワクする作品は久しぶりです。
2017-163
ガムシャラな二人が素敵!
新宿シンジ。
バリカンケンジ。
出会ってはいけない二人の出会い。
それは、運命なのか、必然なのか、偶然なのか。
親を自殺に追い込まれたシンジ。
自殺に追い込んだ男から生まれたケンジ。
因縁の二人が出会ったのは、皮肉にもボクシングジムという戦いの場所でした。
過去に縛られながら生きる二人にとって、ボクシングは自分を解放できる唯一の場所。
シンジもケンジも、お互い親に見捨てられ、一人孤独に生きてきた同士です。
だからこそ、ボクシングで自分の気持ちをさらけ出したかったのかもしれません。
がむしゃらにシャドーを打ち続ける二人の姿にこれからどんな未来が待っているのか…⁈
後編へ続きます。
暴力×濡れ場×拳闘
登場人物それぞれにドラマがあって見応えがあった。
ボクシングに打ち込む姿は演技を超えるものを感じた。
それだけに、あのしつこい位の濡れ場と自殺イベントの件が残念でならなかった。
必要か?
でも芳子は美人じゃなかったけど、逆になんか良かった。
好きだなこの映画。 菅田将暉迫真の演技に 彼を今迄以上に好きになっ...
好きだなこの映画。
菅田将暉迫真の演技に
彼を今迄以上に好きになってしまった。
とは言え、ストーリーがグッとくる。
過去のトラウマを持つ
新次(菅田将暉)と健二(ヤン・イクチュン)。
性格も育ちも違うふたりがふとした偶然の出逢いにより、ボクシングを始める。
相反するふたりだが、
「人を憎んで強くなろうとする」
「憎むことで強くなれる」と信じている。
信じているというよりは、自分に言い聞かせているような。
そうするしか術がなかった、
愛を受けて育つことがなかったふたりには、憎むことで生きる力を保ち続けていたのかもしれない。
特に新次はそう感じる。
健二はそんな新次の背中を見て、
憧れる氣持ちもあったのではないかと思う。
そう強くなりきれない自分が歯がゆいような。
ボクシングを通じて、ふたりそれぞれの性格が顕になるシーンがよく表現されている。
前編は、新次と健二の今を描いている。
後編は、彼らの心の内がどう変化していくのか楽しみだ。
彼らのストーリーが展開しつつ、
自殺についてのテーマも盛り込まれている。
現代社会の問題を、危機感を訴える要素がありぜひおすすめしたい作品だ。
後編が待ち遠しい。
あゝ、傑作!
寺山修司唯一の長編小説の映画化と話題だが、個人的には現在も公開中の作品をもうレンタルで見れるとは驚き!
期間限定の公開だったのか、元々公開とレンタルが異例のほぼ同時期予定だったのか、それとも劇場版とレンタル版はちょっとバージョン違いなのか分からないが、非常に気になって見たかった作品が見れたので、マンモスうれぴ~!(死語)
前編157分、後編147分。
計5時間で、プロボクサーを目指す二人の男のドラマをじっくり描く。
まさにKO級の、本年度の邦画の中でもベスト級の見応え!
新次。
幼い頃に父親は自殺し、母親に捨てられ…。
悪質稼業に手を染め、ある障害事件で少年院へ。
出所後、因縁ある元仲間に復讐を誓う…。
建二。
日本人の父親と韓国人の母親のハーフ。
母親の死後、父親と共に日本に移り、無職で暴力的な父親を抱えながら、床屋で働く。
乞音と対人恐怖症に苦しみながら…。
何処か似たような生い立ちを持つ二人。
偶然の経緯と誘いから、共にオンボロボクシングジムに入門する…。
菅田将暉とヤン・イクチュン、入魂の熱演!
ボクサー役の鉄板、肉体改造。菅田は10㎏増量、イクチュンは10㎏減量。
菅田演じる新次は、闘志の塊。暗い生い立ちから、周囲は敵と憎しみ。
突き刺さるような目付きと演技。
あの映画にもこの映画にも出まくりで見飽きた感のある菅田将暉だが、『そこのみにて光輝く』『ディストラクション・ベイビーズ』、本作など、ひと度インディーズの力作で魅せる演技こそが彼の真骨頂! もう主演男優賞モノ!
イクチュン演じる建二は、新次とは正反対。
ボクサーを目指すには大丈夫?と思うくらい、内向的で優し過ぎる。
それが弱点でもあるが、一撃必殺級のいい拳を秘めている。
イクチュンの代表傑作『息もできない』では、彼が菅田が演じたような殺気立つ役柄であったが、全く雰囲気を変え、ヤン・イクチュンの幅広く深い演技力に唸った。
替え玉ナシの体を張った試合シーンの気迫は言うまでもなく。
新次のデビュー戦はマジカッコ良すぎ!
建二を「兄貴」と呼んで慕う新次。
対人恐怖症の建二にとっても新次は初めて出来た心許せる相手。
二人の絆もジ~ンとさせる。
この二人は勿論だが、ユースケ・サンタマリアの好演もまた素晴らしい!
元ボクサーで、片目。二人をジムに誘った張本人。
バラエティーなんかで見る彼は高田純次とどっこいのいい加減男だが、役者としては個性的な魅力と存在感を発揮する。
ヌードも辞さない木下あかり、複雑な過去を持つ建二の父・モロ師岡、シコシコやってばかりの高橋和也、トレーナーがハマり過ぎのでんでん、新次とある関係の木村多江、脇を固める面々も印象的。
長丁場を退屈させない岸善幸監督の演出も見事だが…、全てが満足という訳ではなかった。
新次と建二のドラマは申し分ないが、時折挿入されるとある大学生たちの自殺防止集団のパートが…。
また、舞台を2021年に設定し、震災や2020年の東京オリンピック後なども巧みに取り入れてはいるものの、果たして時代設定を変える必要はあったのか…?
新次と建二のドラマは哀愁漂う昭和チックなのに対し、自殺防止の大学生たちはドローンやネット配信や急に現代的になって変な違和感が。この大学生たちも原作通りらしく、現代社会の闇を反映させているのだろうが…、ちとよく解せなかった。
各々の抱える問題、どん底で喘ぎもがき…。
何にも無い荒野のような中で、生きる為に、自分を失わない為に、自分が自分で居たい為に、たった一つのものに死に物狂いでしがみつく。
因縁ある元仲間に闘志と殺意剥き出しの新次。
デビュー戦で新次に差を付けられてしまった建二。
後編の予告編から二人のその後は察知出来るが、高い熱量と重厚な気迫のまま、後編へ!
前編後編一緒にレンタルして来て、すぐにでも後編見たい所だが、『ソロモンの偽証』の時もそうだがレンタルで前編後編一気見する時は、まず前編の感想をまとめ、しっかり余韻浸ってから。
…さあて、後編見るぞ!
たまげた傑作
エンタメ映画として素晴らしい出来。菅田将暉の圧倒的な存在感と狂った演技、まさに怪物だ。
そんなに関係者が近場に集まってくるのか?とか、時代設定が近未来ってどんな意味が?とか、信仰宗教と自殺とかいる?とか、突っ込みどころはある。だが、べースの寺山文学とあしたのジョー的なダークヒロイックストーリーは、今の時代に求めてた熱さ。まさに今観たい系の映画であった。
新宿は今だに昭和の匂いがする街、そういう意味でもピタッとハマった映画。
後編に期待を持って終わる感じも良い。
久々に興奮した映画だった。
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