「前後編ありますが、分けてレビューするほどでもないので、前編にまとめました」あゝ、荒野 前篇 nakajiさんの映画レビュー(感想・評価)
前後編ありますが、分けてレビューするほどでもないので、前編にまとめました
原作はあの寺山修司が遺した唯一の長編小説
50年以上前の作品を現代を舞台に再構築して映画化した
ぎこちない展開のストーリーとあからさまな人間関係に癖癖としながらも、そのテーマ性、情熱に引き込まれていく
ただ、無駄なシーンが多すぎる
エロいシーンを含めてね
前編では、自殺と学生の話に結構な時間を取っているが
時代が違うので、現代の若者意識とはかけ離れてしまって現実感がない
特に学生サミットは、学生が世の中を変えれると希望を持っていた時代の変な熱があって今とは違いすぎる
映画ではカットして良かったんじゃないかな
人間関係は別に設定すればいい
寺山修司にとっては唯一の小説なので盛りだくさんになってしまったんだろうけど
ボクシング物として単純化した方がスッキリする
これでは東野圭吾を足した”あしたのジョー”
だから、二部作にしなければならなくなったし、現実感が無くなってしまった
ボクシングシーンは、”はじめの一歩”感もまじって笑ってしまった
山田裕貴はヒットマンスタイルといってましたが、真柴のフリッカーみたいだった
ヤン・イクチュンは一歩のピーカーブー
菅田将暉は矢吹丈ですかね
ラストは予想外でビックリ
結果は力石みたいに逆を予想したんだけどね
ただ、バリカン健児の動機が意味不明
僕はここにいるよぉといわれてもねぇ
菅田将暉もヤン・イクチュンもいい演技で魅せましたねえ
意味もなく役者の無駄遣いが多い
この二人のシーンをもっと増やせばいいだけなのに
自殺、学生のシーンの他に床屋のシーンもいらないなあ
ただ、菅田将暉
冒頭の狂犬のような目はさすがだったのに
ボクシングを始めたとたん、目がすでに少年のように澄んでしまっている
これは、菅田将暉が悪いというより、物語的におかしい
兄貴分を半身不随にした相手をぶちのめすのが目的のはずなんだから
それに
振り込め詐欺なんて口先だけでいい思いをしようとする連中が、コロッとハングリーなボクシングに青春かけるのは無理がある
演出をサボっているとしかいえない
サービスは菅田将暉の全裸の後ろ姿
なかなかセクシーだけど、びっくりしたのは、意外にギャランドゥなんだ