「親子って何だろう?」あゝ、荒野 前篇 erieeさんの映画レビュー(感想・評価)
親子って何だろう?
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近未来。世の中は殺伐とし、少子高齢化の波はどんどん広がる。
孤児院育ちの新次は詐欺紛いの仕事で仲間割れし傷害事件を起こし服役。出所後に戻るはずの居場所が既に奪われ行き場を無くしていた。
韓国から日本に連れてこられ元自衛隊の父から虐待を受け続けてきた建二。
理容師として働き、稼いだ金を父に毟り取られる建二は父から逃れるようにボクシングジムに住み込む。
新次もまた宿敵を倒す為ボクシングジムに辿り着く。
強くなり弱い自分を変えたいと思う建二とギラギラした闘志を燃やす新次は対照的。
新次は社長が運営する介護施設で働きながらボクサーを目指す。
かつてはラブホであった建物が今では豪華な老人ホーム。
そんな時代が迫っているのだろうか?
自殺防止を掲げるイベントをライブ配信し、自殺志願者が本当に死にたいのか問いただす。
誰もが恐怖のあまり命乞いするのが現実だった。
そんな時、イベント主催者が自ら自殺を決行した。
死をもって世の中に訴えることが目的らしい。
生と死。
ボクシングの試合で生きている事を生々しく実感。
介護施設では、死を目の当たりにしながら人間の最後を実感。
社長の変態ぶりと片目の飄々とした会話が良い。
新次の母で社長秘書の木村多江は見事にケバく強い女に変身。
新次と建二の仲の良さも微笑ましい。
生きる!生きる!生きる!と強く思える作品。
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