「満腹」ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 毛布さんの映画レビュー(感想・評価)
満腹
ネタバレ入ってるので未鑑賞の方は読まないでください。
原作未読で鑑賞しました。
(余談)観終わった後なぜかロベルト・ベニーニの『ライフイズビューティフル』を連想しました。
~呪われたレシピは、本当は愛のレシピだったのだ~
鑑賞後感がいい映画でした。誰が見てもハズレでなし!
・充は基本表情演技なのだが、主人公であり、視聴者の目線でもあったため、逆にそれが活きていた。最後、いい表情だった。
・鎌田が泣き叫ぶシーン、監獄でよく響いていい演出だった。
・宮崎あおいさんの演技がさすがでした。安定感がある。
・・・・・
以下、原作未読で映画館に行った一素人目線で思ったことです。
あくまで個人的な感想ですし(自分の場合基本辛口)気にならない人は気にならない箇所を書き出しているので、辛口レビューで気分を害してしまう方は読まないで下さい、
<ストーリーについて>
・確かに最後はきれいにまとまってるんだけど、途中(特に山形の死後)詰め込み過ぎてるせいでそれぞれに深みが足りず“最後を感動にもってくためのカナシイ要素全部乗せ!”したように見えてしまう。たくさんの要素をきれいにまとめるために都合よく物事を運ばなければならなくなってしまった印象。レシピは呪われているかのようにいろいろな不幸を引き起こし今まで再現されたことがない、とするためだろうが無理があったような。
・正直、サチが麒麟の舌を持っていなくても努力で周りの人たちとの助け合いでレシピ再現する話でもよかったかなぁ、と。それに麒麟の舌を持っていることがもっとこの作品の中で重要かと思ってたけど、そうでもなかった…
・どうでもいいけど、現実だったら充の往復大変そう(某、クエストクリアために長距離往復するオンラインRPGかな…)。他に方法なかったのだろうか、
<演出について。細かいことですが。>
・「包丁は父」のページと連名の裏表紙、もうちょっと本編でよく見えるようにしてほしかったし、本編でもう少し取り上げてほしかった。最後の言葉が大事なのに、早くてそこまで読みきれない。(本編ではあまり触れずエンドロールで活かすなら、せめて裏表紙を移す前くらいにゆっくり最後まで味わって読めるよう映し出してほしかった。)
・よくよく見ないとわからない、本当に細かい仕草や目線についてなのだが、二宮さんたしかにその場その場では上手いんだけど、シーンや相手によってややキャラクターがブレていて統一されていない印象。そのブレの幅は日常であれば普通だし(人にはいろんな面があって当然)不安定な揺らぎに焦点を当て描いている映画作品も多いが、今回のように一人一人の正確の違いがパッキリと分かれていてそれがベースとなりストーリーが進行していく映画作品だとそのブレが目立つ。(初めにも書いたが、最後の最後の充の表情は文句のつけようもなく素晴らしかったが。)
・充が「偽りの?」と繰り返す場面が2回もあって、
また聞き返す?さっき偽りってきいたやん、とつい思ってしまった。それに、聞き返すセリフがワンパターンでややしつこいかな、
・どうでもいいけど、現代版料理の名前と見た目、もうちょっとなんとかならんかったんかな~と。laboとかギャラクシーとか、笑えてきて感動の余韻にあまり浸れない…(笑)
・・・・・
以上です。他の人が観たら「そんなん気にならんわ!」となるかもしれないけど自分がやや気になったところを書き出してみました。
誤解を与えてしまうかもしれませんが、
全体的には、この映画を観に行って満足でした。