潜入者のレビュー・感想・評価
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映画では珍しい高齢の潜入捜査官
潜入捜査ものは実話、フィクション含めていろいろあるが、主演は現在61歳のブライアン・クランストンが演じている。潜入捜査なんて苛酷な任務は若い人がやるものだと思い込んでいたから驚いた。
しかし主人公が化ける仮のアイデンティティは、裏社会とのつながりを持つ富豪の悪徳実業家。確かにクランストンくらいの年齢でなければ務まらなかったかも知れない。いずれにせよ、命がいくつあっても足りない潜入捜査の緊張感にヒリヒリした気分にさせられる。
いささか杜撰な失敗だとも思うが、妻と食事に行った先でドラッグディーラーと出くわし、突然裏社会のクソオヤジモードに切り替えるシーンは、人間が二つに引き裂かれる様が可視化される名演技だった。
ちなみに実話では何歳くらいだったんだろうと調べてみたら、本人は個人情報を非公表にしていて、ロバート・メイザーってのも偽名のようだ。クランストンは一緒に食事をしたらしいので、報復を誓ったカルテルに拉致されたりしないことを祈りたい。
壊れそうなメイザーの器を観る
実際の覆面捜査官の回顧録を元にした実話物なんだけど、ここで大事なのは、覆面捜査官はメイザーとその相棒だけだと勘違いしていることだと思う。
捜査会議に二十名ほど、二人一組なのだから単純に十組くらいの覆面捜査官が本作戦のために潜入しているのだ。もちろんメイザーたちのチームが知らないチームの捜査官だって捜査している。
私たちはメイザーの視点での潜入しか見ていないからメイザーだけが頑張ったように思えるだろうけどさ。
それで、捜査がグダグダだというレビューをいくつか読んだけれど、アメリカってのは潜入捜査が大好きだったから、全米に大量の潜入捜査官や内通者がいたわけ。
それがチームごとに勝手に作戦をやってるものだから、FBIが潜入のために作った麻薬組織に別のFBI捜査官が潜入して、FBI同士で捕物帖なんてバカみたいなこともやってたの。
本作がグダグダだって?冗談じゃない。アメリカをバカにするなよ。本当のアメリカの捜査はもっとグダグダだよ。
映画的にグダグダなのではなくて、映画的に美化し過ぎなくらいなんだよ。
それで内容については、今誰と会っていて何をしているのかわからない場面も多かったけど、正体がバレたら命が危ない、バレなくても殺されるかもしれないという緊張感は最高だったね。
一言でも間違えたら殺されるってセリフ通り、嘘に嘘を重ねていく危うさは呼吸を忘れるほどのハラハラを届けてくれた。
死の影に精神が疲弊していくメイザーは、更に、妻からの視線や同僚の叱責、捜査対象からの信頼などにより、もっともっとすり減っていくことになる。
メイザーの精神の器が溢れるのが先か、本作戦が終了するのが先か、今にも壊れそうなメイザーの危うさも醍醐味の一つだったよね。
余談だけど、トム・クルーズ主演の「バリーシール アメリカをはめた男」を観ていたから、本作の中にバリーシールが出てきたのは面白かった。
それだけでもエスコバルを追っていたのはメイザーたちだけではないとわかるしね。
まだネタになるのか
1980年代、圧倒的な勢力を誇ったコロンビアの大麻薬組織メデジン・カルテルを率いた麻薬の王様パブロ・エスコバル。アメリカへの麻薬供給元である大元締めを潰したろうやないかと、潜入捜査を行う税関職員ロバート・メイザーは、今までの現物を追う捜査方法に限界を感じ、金(Cash)の流れを追う"Cチェイス作戦"を考案。自ら資金洗浄業者に扮し、カルテルに潜入する。
潜入捜査官ロバート・メイザーの回顧録が元になっている実話。エスコバルは元より、パナマの悪代官ノリエガ、BCCI(国際商業信用金庫)、CIAなどなど、ややこしいのが複雑に絡む。金が集まる所は、ややこしいですねぇ。
元アメリカ南部の麻薬王が次は潜入捜査!?
つい最近ブレイキングバッドを1週間ほどで一気見してブライアンクランストンにハマってしまった。6度のエミー受賞俳優は、どんな映画に出演してるのか気になって調べたらまさかの麻薬取締りの潜入捜査官!?
しがない化学教師からアメリカの麻薬王に成り上がった男がお次は取り締まる側につくなんてそりゃ見逃すわけにはいくまい。ということで見てみました。
結論、最高でした。実話ベースの話ということもあり、現実味の帯びたストーリーが緊張感を生んでいてとてもよかったです。カメラワークと演者の演技のおかげもあって全てのシーンで、いつバレるのかドキドキしながら楽しむことができました。驚いたのは、他のレビューにも書かれている通り自宅に帰っているところでした。潜入捜査中は帰っちゃダメなのかと思ってたのですが、そこまで制限されていなかったというところが、逆にリアルで、自宅に帰っているせいで身元がバレてしまうのではないかという不安感も煽られなお一層楽しむことができました。
ブライアンクランストン好きは必見の映画だと思います。
みんなともだち
どんなに極悪人だとしても、友達になっちゃえばみんな良い奴っていう。
原作?は読んでないけど、ここのとこは演出なんだろうか。
いろいろと「?」な部分はあったけど、テンポよくスリリングな展開で、最後まで楽しく見れた。
僕が勝手に思い込んでいただけかもしれませんが…
潜入捜査官って捜査にあたっている間は全く自宅とかに帰らないものだと思っていましたが、この作品では普通に家に帰っていたりしましたね。
しっかり自宅がバレているわけですが、どうしてカルテルは身元調べたりしなかったんでしょうね?
その事にかなり驚きました。
そんな感じだったので“いつバレてしまうのか?もしかしたら既にバレているのではないのか?”と終始ドキドキさせられましたし、終盤は“情に流されてしまうのか?それとも任務を遂行出来るのか?”といった感じで、常に緊迫感が有り最後まで画面に釘付けにしてくれる作品でした。
事実を基に作られた映画みたいですが、脚本や演出のお陰で、エンターテイメント性がきちんと有るのが良いですね。
余韻を残すような終わり方も秀逸でしたし、「家族や友人のいない世界に生きていても仕方がない。」というロベルトの言葉が印象的でした。
久々に重々しい犯罪映画
潜入者という題名からしてありきたりの潜入捜査ものと思ったが、それぞれの捜査官の心の葛藤、家族や犯罪者の心理が描かれていて、単なるアクションじゃなくて重々しい映画だった。やっぱり、いい俳優が出てると感情移入してしまう。キャストをちゃんと見ないで映画を見ていたら、ダイアンクルーガー、ジョンレグイザモにチョイ役だけどジェイソンアイザックスなど次々とお馴染みのクセのある役者が出てきて嬉しくなってきた。
編入捜査は、アメリカが得意とするところだろうが、やはり人を騙すのは...
編入捜査は、アメリカが得意とするところだろうが、やはり人を騙すのは観ていて良いものではない。
それに、ああも簡単に人の結婚式に参列するものかと思う。
印象的な結婚式
麻薬組織に潜入し組織の壊滅までを描いた実話に基づく話です。
潜入と言った段階でいつバレるかというハラハラ感が醍醐味です。
この映画にはドンパチと言った派手さはありませんが、静かにじっくりと見せてくれました。
最後の結婚式のシーンは、言葉にできないような複雑な気分にさせてくれました。信頼を得るまではながかったですが、その後は家族並みに扱ってくれた組織のメンバーが心からあんなに笑って祝福していたので。
最後の結婚式の開催から入場までが印象的でした。
実話ベースの映画
派手なアクションはないが、丁寧に覆面捜査とその心情変化を映像で見せていく。結婚式を祝福しに訪れたところってのが。犯罪者側の描写少なく、悪人に対する嫌悪みたいなものがないなかでのフィナーレ。まあ面白かったが。
平行世界のウォルター!!
主人公の吹き替えが牛山茂なので「ブレイクング・バッド」のイメージが離れず、「またウォルターが適当な出まかせを言っているよ」と笑えます。潜入捜査官ものとして期待したものとは違い、あまり緊張感が無く連続ドラマの様な印象でした。相棒のレグイザモが良い感じですが、色々と物足りないです。奥さん役がいるのと結婚式のシーンはそれなりに良かったです。
果てなきエスコバル
最近では珍しい?正統派な実録犯罪映画でデル・トロが演じたエスコバルも観ていたので何となく知識は。
潜入捜査モノって何本も作られてはいるが事実を元に描いた映画の中で派手なシーンがテンコ盛りな訳でも無いのにラストまで緊張感が途切れない本作は組織の怖さがリアルで潜入側のプレッシャーに人間関係を築いてしまった気不味い思いなど主演のオッサンの渋い演技と相まって素晴らしい出来かと。
姿を現さないエスコバルの恐怖な存在感も巧く演出されていると思う。
公開された時に面白そうとは思ったが地味なイメージに素っ気ない邦題でスルーしてしまったがもっと話題になっても良かったのでは。
信念を突き通す
引退を撤回してまでも、潜入捜査する主人公。
おじさん俳優(褒めている)だからこそ、貫禄がありましたね。
スリーピース・スーツがめちゃ似合う。
同じ潜入捜査員のエミール(ジョン・レグザイモ!久しぶり)は何となく寝返りそうな感じがちょっとドキドキ。
主人公メイザーには家庭があり、幾度とその場面が登場。
正直潜入捜査に入ったら、家に帰る暇なんてないのでは?という疑問もありましたが。
「これで最後よね」の妻の言葉が、悪い幕引きにならないか?と心配しました。
結婚記念日のディナーで、偶然取引相手に出くわすなんてOH MY GOD!。ここでのやり取りは、妻側になっちゃって可哀想としか言いようがない。
取引相手がたくさんいて、ちょっとわかりづらかった。けど詳細を理解しなくても、何となく「悪いやつら」っていうのはわかるので、ま、いいか。
アタッシュケースに録音機が搭載されていたり、潜入捜査初参加の女性捜査官と「婚約者同士」を装うなど。マジ実話物?!と思ったけどエンドロールでしっかり出ていたのが、リアル感満載でした。
実在で存命のロバート・メイザーの実録モノ
エスコバル 楽園の掟とバリー・シールも併せてみるといいのかも。
実録モノながら最後に出てくる実在の人物とキャラが軒並み似ていないのは似せるとやばいからなのか?
脇役のジョン・レグイザモと ベンジャミン・ブラットがいい。
ダイアン・クルーガーも経験のない捜査官という割にゴージャス。
レーガン大統領の時代のお話。
メイザー演じるボブ・ムセラや国際商業信用銀行BCCIがどのように資金洗浄を行っているのか、という詳しい説明が無いのでモヤモヤ。
バリーシール役がマイケルパレとはわからなかった。
「家族や友人のいない世界に生きていても仕方がない。」という悪党のセリフが泣かせる。
モラ親子に両刀使いっぽいオスピノなどワル役が光る。
サントラが良かった
サントラの選曲がとても良かったので、甘めの評価ですが、面白かったです。
実際の現場を想像しながら観ると、緊張感あります。
相手が犯罪者とはいえ、信頼関係を築いて裏切るというのは、なかなかキツいですね。
当事者にとっては、どれも忘れがたい記憶なのだろうなと思いました。
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