劇場公開日 2017年2月4日

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「脳さんが主演で本当によかった~す(たこ口)」くも漫。 長谷川草太さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0脳さんが主演で本当によかった~す(たこ口)

2017年2月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

怖い

新宿バルト9での初日舞台挨拶を観させていただきました。

一昨年、テレビで脳みそ夫さんのOL聖徳太子のネタを見た時から、彼にハマっているお笑いファンの一人です。なので、脳さんが映画、それも主演をするということで、驚き半分、嬉しさ半分でした。

普段、映画は全然観ない僕ですが、生意気で拙いながらもレビューを書かせていただきます。

脳さんは普段、前述のOL聖徳太子のように、ネタで歴史上の人物などを可愛らしい女の子にしたコントをやられていますが、今回はそれとは全然違う、素朴で気弱で心優しい男の役でした。それは舞台挨拶でお見受けした、原作者の中川学さんそのものという感じがしました。その舞台挨拶で脳さんが仰っていましたが、所属事務所・タイタンの光代社長から、映画は監督のものだから自我は捨てるようにと助言を受けていたらしく、監督の指示通り、かつ、自然な演技によって、「主人公・中川学はこんな人物だ」というより、「風俗店で絶頂に達した瞬間にくも膜下出血を発症し、入院生活を送る」というストーリーがスッと自然に入って来ました。脳さんと同じく、今回、映画初出演で、主題歌も担当されている沖ちづるさんの演技もすごく自然でよかったです。そんな映画初出演ながらも自然なお二人の演技だったからこそ、映画全体も自然な感じだったんだと思いますし、ベテランの役者さんたちがそのお二人に合わせてくれて、そして、脇を固めてくれていたからこそ、映画全体がやさしい雰囲気だったんだと思います。

事あるごとに登場してくるくもマンは、危機が迫っているという恐怖感と何度も出てくるうちに愛着も湧いてきました。

最後に、この映画のパンフレットは、出演やスタッフ、様々な関係各所への徹底的な取材をした上で作られており、とても800円とは思えないほどとても充実しています。僕は、特に、中川さんの実際の担当医の先生によるくも膜下出血のわかりやすい解説と中川さんのお母さんの手紙が好きです。他にも製作者の方の思いがたっぷりと詰まった一冊になっていますので、是非、お買い求め下さい。これを読んで映画を思い返すのもいいものですよ(^^)

長谷川草太