サバイバルファミリーのレビュー・感想・評価
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なかなか面白い(^-^)
豚肉をほおばって流れた涙がなんかいろいろ苦しくて
あくまでもコメディとしての作品
「生きる」ということに気付かされる
全てを失った家族が手に入れたもので賞
家族で笑える幸せ
小日向文世と深津絵里が夫婦役を演じるというだけで、ある種のアンバランスが想像される。アンバランスは静止エネルギーと同義であり、何かのきっかけでダイナミックに動きはじめる。両俳優とも、期待にそぐわぬ見事な演技だった。
ファミリーはいかにも現代的な家族で、最初のうちは、当然ながらまったく感情移入できない。仕事最優先で家族を顧みない夫、我儘勝手な息子と娘に、性格は悪くないが能天気な妻。
ストーリーは予告編や公式サイトにある通りのサバイバルだが、特殊な能力の持ち主が現れることも、思わぬ幸運が舞い込むこともなく、等身大の人間が体当たりで状況に挑む、ある意味で振り切った演出だ。ところどころに伏線や思わぬゲスト出演があって、楽しめる。
電池や発電装置をふくむ、あらゆる電気が突然なくなる生活は、特に若い世代を直撃する。スマホが使えなければ友達でなくなるのは、つまり友達はスマホの中にいたということだ。
サバイバルの中で家族の絆は強まるが、逆に家族以外に対しては微妙に排他的な心理状態になる。それでも礼儀を忘れないのは日本人らしいし、助け合える状況では進んで助け合う。まっとうな家族が極限状況に陥ってなおまっとうであり続ける、稀有なサバイバル生活を過ごす物語で、自分でもきっとそうするに違いないという共感があり、ストーリーの途中からは完全に家族に感情移入している。
蒸気機関車がトンネルをくぐった後の車内のシーンがこの映画の白眉ではなかろうか。どんな状況でも家族で笑えるのはいいことだなと、しみじみ思わせる幸せなシーンだ。
「家」の「族」だ。
新手のホームドラマだ
電気がない!
コメディーだけど、ある面「シン・ゴジラ」と似たシュミレーション映画。コメディーだからシュミレーションの突っ込みはソコソコだけどもしこんな状況になったら私はとても映画の家族のように鹿児島までたどり着く自信はない。水は手に入れられないだろうし、火は起こせない。豚を丸一匹さばくなんて、とても出来ない。
映画は極限のロードムービーで家族の成長ドラマ。小日向文世のおとっつぁんはイメージ通りのハマり役。家族に対して威張るばかりで何も出来ない。深津絵里のおかあちゃんの方が頼りになる。子供ふたりも最悪のクソガキ。それが旅の過程で成長していく。
映画的な楽しさは蒸気機関車の登場シーン。危機に瀕した小日向家族を2度も助ける。「シン・ゴジラ」の機関車の活躍よりずっと爽快。特におかあちゃんが危なくなったときの最初の登場シーンはいいなぁ〜。もうひとつの楽しさは大地康雄の農家の爺さん。西部劇に出てくるガンコな故郷の爺さんみたいで、こういう爺さんがいたらしばらくは生き残れそう。
電気が無くなった理由が示されないのもいい。危機は理由なくやってくる。この映画の家族みたいに成長してメデタシ、メデタシには絶対にならんだろうが。
藤原紀香は極限状況でビタミン!
ある日電気が使えなくなり小日向文世が「原因は?」と問うと深津絵里が「よくわからない」と答えるがこれこそが本作のリアリティライン。いわばかなり隙のある「もし電気が無くなったら」という思考実験。この隙がミソで観客は心の中でツッコみながら実験の当事者になる
その隙こそがダメだと言う人も当然おると思うけど俺は全然ノれた。というか正直最初はこの隙に俺も「ん?」と思ったけど個々のシーンが上手くて可笑しくて絆された感じ。矢口史靖監督には参りました。東京から出ていく過程で家族がひとつになっていく様はまさに『東京物語』の裏返し。いい作品だなあ
特に可笑しかったのは道中で出会う意識高い系家族。母親が藤原紀香なんやけどこのキャスティングが完璧!道に自生している雑草を抜いて「このオオバコも食べられる。味はあれだけど茹でるとビタミンも豊富なのよ。」と言う。めっちゃ言いそう!ビタミン言いそう!極限状況でビタミン!最高!紀香です!
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