「階級闘争が描かれていない」マグニフィセント・セブン マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
階級闘争が描かれていない
ガトリング砲は最初に使え!って思うけどね。
飛び道具としての武器による戦いはカットをいくらでも入れられるので、余り緊迫感が無い。それは
『荒野の七人』の頃からそう思って見ていたが、やはり、アクションは殺陣による刀さばきの素晴らしさだと思う。どっちにしても本当に殺し合いをしている訳では無いのだら、銃を撃つ姿とホルダーに収める姿がかっこいいだけである。
それはともかく、この映画の『七人の侍』からのDNAが途絶えている部分は、階級闘争である。七人の侍はもとより、荒野の七人もメキシコの農民が搾取されるのを七人のガンマンが助けると言った話だった。しかし、この話は七人揃って、悪い奴から村を守るだけの話だ。ただの復讐劇になっている。
また、この悪役は教会を焼き討ちにする。つまり、彼がキリスト教徒でないと言っているようなもの。だから、異教徒に対する差別に繋がる。イスラム、ユダヤの人々に対する差別に繋がる。
追記 『マグニフィセント』とは直訳で『偉大なる』とか『壮大な』だそうたが、色々な人種や立場の者を使っているが、キャラが被っている。また、善人にも悪人にもネイティブアメリカンがいて、善悪が混沌として、命をかけて何かと戦う悲壮感が全く見受けられない。もっとも、出鱈目な話だから、どう表現してもよいが。人種、宗教、階級への差別を屈伏せずに戦うって内容の方が良いと感じたが。前作2作にはそれがあった。
つまり、これでは昔からの西部劇でも変わり無く、寧ろ、悪者も善人も同じ顔をしているので、凄くわかりにくくなってしまっている。これでは悪者はインディアンの方がマシになってしまう。