「何故、今西部劇なのか」マグニフィセント・セブン じみいさんの映画レビュー(感想・評価)
何故、今西部劇なのか
邦画の『関ヶ原』の予告を見る度に、何故、今、この時代劇を見せたいんだろう……
何を伝えたくて作ったんだろう……と首を捻るのだけど、
(私は時代劇も時代小説も好きでこの原作も読んでいるんだけど)
この作品は、フークア監督に、
「今、こういうの見たいでしょ?」
って聞かれて
『うん、見たい‼ だって、最近超人達がCGやVFXを使って戦い合ったり、メカ対メカの戦い
の映画ばかりだから」
って言いたくなる。CGなしの人間らしさと骨太さと荒々しさ満載のアクション映画を見せて
くれるだけで十分だ。
キャラクターも個性的なのに西部劇に合ってる。
この渋さでこのままいったら、モーガン・フリーマンみたいになりそうなD・ワシントン。
かわいい顔とは相反するがっちりした逞しい身体がガンマン役にぴったりのC・プラットや
毛皮を着た熊という形容詞がぴったりのビンセント・ドノフリオ(外見に似合わず敬虔なクリスチャンというのもスパイスきいてて魅力的)などなど。
特撮なしの壮大なウエスタン活劇が楽しめればいい、という人が見ればいいと思う。
で、逆に日本で黒澤監督の『7人の侍』を、それに恥じないように、人間描写も濃く描いた
リメイクの時代劇を作った方がずっと今の時代に受けいられるのでは……と思う。
だって、『関ヶ原』が伝えたい事より、「侍は何も生み出すことはできない。真に強いのは物を作る農民だ」っていう名セリフから受けるメッセージの方がずっと心に刺さりませんか?
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